第11話僕達と後輩と日常と活動
想火が声優事務所に来てから一か月と少しが経った。
その間成行は、学校やボディーガードや学校での話し相手を
琴美は声優業のサポートや業界の先輩としてのアドバイスをしていた。
その間に着実に都内での生活と声優活動を周りの協力で慣れていった。
今度のカップル声優チャンネルで想火が新人のゲストとして出演が決まり
その詳しい日程を決める打ち合わせをしていた。
「次のゲストとして想火ちゃんの出演は決まってるけどさ。それにちなんでゲストとやる企画も作っていいんじゃないかと思うんだよ。」
「それは良いアイディアですね。プロデューサー。」
「そう?嬉しいこと言ってくれるね。成行君」
「いや!いや!そんな。ただそろそろお馴染み感も出て来たしゲスト使用ていう意味でも視聴者の人も楽しんでくれるんじゃないかなって思っただけですよ。」
「いいね。そういうファンの人達と向き合う姿勢い思うよ。」
「ありがとうございます。」
「それで他の皆さんはどうですか?そうだな。琴美ちゃんはどう思った?」
「そうですね。いいとは、思うんですけど何かスタジオで出来るコーナーの具体的な案ってあるんですか?そこが今のうちから決まって無いとスケジュール的に大丈夫なのかなってところが気になりましたね」
「そこに関しては任せといて!俺ね、ドッキリが大好きなのよぉ~だから大掛かりなドッキリ企画にしよう!!」
「あ、あのプロデューサー。」
「何、どうしたの?成行君あっ…」
それは、制作担当からの却下の✕ポーズだった。
予算的な意味で全力で否定している。
何気に大掛かりなドッキリは予算が高いので頻繁には出来ないのだ。
「あっははは…どうしようかなぁ何かない?君達。」
と成行、琴美、想火に話を振った。
え、そんないきなり言われてもと困惑した空気の中で自信なさげに手を挙げる。
「あっあの!私から案があるんですけど良いですか?」
「お、今回のゲストに来てくれる確か新人の子だよね。どうぞ。言ってみて」
「は、はい。私、水瀬想火って言います。宜しくお願いします。え、えっとですね。小学校の頃に遊んでいた遊びでメンバーで勝負して負けた人には罰ゲームとかならどうでしようか?」
「おぉー!それは良いアイディアだね!でもなんでそれを思い付いたのかね。良かったら聞かせてくれないか?これはただの個人的な興味だよ。」
「昔、私、良く転校しててその行った先々でその土地の遊びがあってその頃であった子達と遊んだのを思い出して提案してみました。」
「なるどね。俺の頃にもあったなぁ~ベーゴマとかメンコとか懐かしいな。よし!それでいこう!でも公平を期すためには箱から五枚くらい引いてね。」
「あ、ありがとうございます!」
「次は日程なんだけどそれは決まってます。」
とアイディアが出てからは打ち合わせはスムーズに進行した。
その日は無事放送の構想も決まり、後は、放送の日を迎えるのみとなった。
その日の夜
想火の家にて
「こんばんは。真優ちゃん先日話した仕事の件だけど決まったので放送日をお知らせします。日時は…これで良し!まだ文面が慣れないな。私文字打つ時につい声が出ちゃう…治さないとなぁ~はぁ~…」
とため息を想火がついているとスマホの呼び鈴が鳴った。
「うわぁ!?誰?って真優ちゃんか。よし!はい。もしもし!」
「テンション上がっちゃって思わずかけちゃった!ごめんね!今電話大丈夫?」
「大丈夫だよ。」
「そっか。それは良かった。」
「あ、あのね!真優ちゃん」
「なぁに、どうしたの?」
「今日ね!私が出した案が採用されたんだ。今度出る先輩達の配信の企画なんだけど」
「凄いじゃん!!想火ちゃん。出世しましたな~」
「そんな…まだまだだよ。」
「でも本当に凄いよ!ならもっとそこも注目して見なきゃだね!」
「気にしてみてくれたら、嬉しいな。」
「その調子で頑張ってね!私は想火ちゃんの事応援してるから」
「うん、ありがとう真優ちゃん。あ、そろそろ明日も学校あるし寝なきゃ」
「そうだそうだ!明日も学校じゃん。」
「だからまた連絡入れるね。話し相手になってくれてありがとう。真優ちゃん」
「なぁに~お安い事よぉ~じゃあおやすみ!またね!」
「うん。また。おやすみ」
とやり取りをしその後想火は寝る支度をし眠りについた。
そしてその放送まで成行、琴美、想火は学業やオーディション各々の仕事をこなし、日々は過ぎていき想火が入社して初の大々的な仕事となるラジオの放送日を迎えた。
楽屋に入り、出演の準備をしてからスタジオに入り、いよいよ声優カップルチャンネルの配信が始まろうとしていた。
「はい、本番行きます~三!二!一!…。」
「はーいどうも皆さんこんにちわー!MCの平木成行です。」
「同じく!MCの花宮琴美です!」
「なんと今回は!いつもは僕達二人でお届けしていますがなんとこの配信初のゲストをお呼びしております。」
「おぉー!どんなゲストなんだろう!私楽しみだなぁ~」
「では、早速お呼びしましょう!うちの事務所の後輩の水瀬想火さんです!どうぞ!」
と、成行が言うと勢いよくカメラに向かって出て行った。
「どうも、皆さん初めまして。新人声優の水瀬想火です!宜しくお願いしますぅ…」
「勢いが定まらないなぁ~あっはははっ緊張してるのかな、大丈夫?」
「は、はい!私、頑張ります!」
「落ち着いてね。リラックスが肝心だよ!想火ちゃん!」
「はい!ありがとうございます!琴美先輩!」
「実は彼女入社して二ヶ月経つか経たないかで今回が初めての収録です。なので緊張するのも無理はないので皆さん温かく見守ってあげてくださいね。」
「私からもお願いします。頑張り屋さんな子なので皆さんもきっと好きになる子だと思うのでよろしくお願いします。」
「はい!初めてながら精一杯頑張ります!」
「という事で今回初ゲストという事で新コーナーが出来ました。題してあの頃の思い出はなんだ!懐かしの遊び対決!という事でこれからゲストさんが来た時の企画としてこのコーナーをやっていきます。まずルールは…」
と成行が新コーナーの説明をし、そして実際にやってみると紙で選んだ遊びはだるまさんが転んだに決まり、三本勝負をし、接戦の末想火が勝ち、最下位は成行に決まり、苦みマシマシのお茶のみ悶絶し、配信は無事盛り上がりその勢いのまま配信は無事やり遂げたのであった。
その後、成功を祝して成行、琴美、想火の三人でファミレスで盛り上がった。
続
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