第8話 世話係の琴美と想火の場合
私、花宮琴美は、元アイドルだ。
だから後輩はアイドル時代にも居た。
だけど声優になってから女の子の後輩で世話係という名目もそうだが同じ事務所の後輩に慕われる振る舞いが出来るか緊張していた。
「今日からなのよね。社長が言ってたのって・・・成行君はどうだったのかしら、後で聞いてみるのもいいかもしれないわね。何か参考になるかもしれないしね!うん!そうしましよう!」
と成行君達よりも先に事務所に着いて居た私は一人でソワソワしていた。
その時私は、ふと思った。
よくよく考えて見たら最近慣れない事ばかり自分なりに頑張って来たんだしその姿で接したら自ずと尊敬されるかも!よし、変に気を張らず私らしく行こう!そう私は自分に言い聞かせるように決めた。
その頃、成行達は駅に居た。
「後はこの電車に乗って着いた駅から徒歩で十三分くらい歩いたら事務所に着くよ。」
「そうなんですね!なんとなく分かりました。成行先輩」
「まぁこれからゆっくり覚えていったらいいよ。慣れるまでは一緒に行こうか」
「ありがとうございます!お世話になります。」
というやり取りをして電車から降りて説明した通りの時間で事務所に着いた。
成行達が自動ドアを通ると自動販売機の所に琴美が居た。
「あっ!琴美さんこんにちわ!」
「あれ?成行君に想火ちゃんこんにちわ。」
「こ、こんにちわ琴美先輩。」
「想火ちゃん。これから私が貴方に声優についてのマナーや気を付ける事を教えるわね。守らないと先輩や監督達から凄く怒られるからちゃんと覚えるように。それじゃ二階に場所を変えましょうか。」
「はい!琴美先輩!」
「じゃあまた後でね成行君!」
「はい。琴美さんまた後で」
この後琴美と想火は二階の社長に許可を取った部屋でマナー講座十五分程をした。
「今日はここまで。まぁ初日だし、ゆっくり覚えたら良いからね。想火ちゃん。」
「早く覚えられるように私!が、頑張りますっ!琴美先輩。」
「その気概は良いけど…まずは緊張を慣らすところからね」
「は、はい・・・すいません。」
「謝らなくてもいいわ。貴方が頑張ってるのは伝わってるから。」
「はい!ありがとうございます!」
とそんなやり取りし、琴美は声優カップルチャンネルの企画の打ち合わせに、想火は社長に初日の事を報告しにそれぞれ向かった。
会議に着いた琴美は会議室の扉を開け、そこに居た人達に挨拶をし、自分の席に着いた。
まだ、企画の打ち合わせの始まる時間には少し時間があったので小声で後輩の想火について手短に話した。
「琴美さん、想火ちゃんはどうだった?」
「そうね、あの社長が呼んだ子だったから正直凄く変な子だったらどうしようとか心配だったけど良い子だったわよあの子。逆に成行君の方はどうなのよ?」
「僕ですか?僕はちょっと学校で周りから勘違いが起きて大変でした。」
「え、それ何があったのよ」
「実は、学校で・・・」
僕は、今日学校であった事を僕視点で話した。
「なるほどね。これから学校で大変そうね成行君。」
「まぁ、別に想火ちゃんには悪気は無いですし強いて嫌な気分になるのは社長の狙い通りの流れになってるかも知れない事に対する不満くらいですよ」
「まぁ確かにうちの社長ってそいうの好きだもんね。当事者からするとただ単に迷惑なだけなんだけどね」
「そうなんですよね。本当にあっ、そろそろ時間なんでこの話はまた今度!」
「そうね。」
話を終えて責任者が号令をかけて企画の打ち合わせが始まった。
その頃、想火は社長室で社長と初日の近況を話している最中だった。
「なるほど。成行君と琴美さんと色んな事があった一日になったんですね。うまくやっていけそうですか?想火さん」
「は、はい!ハリー社長の言ってらした通り素敵な先輩達でした。私これから頑張って行けそうです!」
「オー!その意気込みは凄く素晴らしいですね。でもあまり根を詰めなくても大丈夫ですからね!私としても出来る限りサポートをするので何かあれば気軽に言って下さいね。想火さん」
「はい!まだこれからも何かとご迷惑をかけると思いますが宜しくお願いします!」
「こちらこそ!これから頑張っていきましよう」
と、社長との話し合いはまとまった想火は、社長に挨拶をして社長室を出た。
丁度その頃成行や琴美の企画の打ち合わせも終わり事務者から自宅へ帰ろうとで口の所へ行くとタイミングよく成行、琴美、想火の三人は会った。
「今、帰り?偶然だね想火ちゃん」
「そうね。さっきぶり想火ちゃん!」
「はい!帰りです!先程振りです!琴美先輩!」
「ねぇねぇ!二人共!この後時間ある?」
「ありますよ。僕は」
「は、はい。私も後は帰るだけですから」
「じゃあ近くで最近出来たっていうお店でゆっくり想火ちゃんの歓迎会的な意味を込めて行きましょうよ!三人で」
「わ、私のた、為に!?凄く嬉しいです!」
「そいう事なら付き合うよ!こういうのは人が多い方が良いもんね!」
「じゃあみんな!レッツゴー!」
この日は、この後三人は店でゆっくり話と食べ物を食べて過ごしてから帰った。
続
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