第6話 僕達の後輩との顔合わせ
僕達の初のイベントが終わってから三日後社長からこの前伝えた後輩と顔合わせするからと僕と琴美さんは事務所に呼ばれた。
「一体どんな子なんだろう。ちょっと緊張するなぁ~」
とかぶつぶつ言いながら歩いていると社長室の方から女の子の声が聞こえてきた。
なんだろう気になったので立ち聞きして聞いていると
「あ、あの!ハリー社長!わっ…、私の為に色々とやってくださったみたいであっ、ありがとうございます!」
「いえいえ、いいんですよ。我々がスカウトして都内まで出て来てもらったのですからこれくらい当然ですよ。」
因みにハリー社長と呼ばれているのは成行達の事務所の社長の事で
フルネームはハリー・スミスである。
「これから顔合わせをしますが緊張してますか?」
「は、はい・・・家族や地元の人以外と接する事がなくてどうしたら不安です。」
「大丈夫ですよ。彼らは良い子達ですし、年も近いのでちゃんと面倒をみてくれると思うので安心してください。」
「分かりました。」
こそこそと聞いているのがなんだか申し訳なくなってきたが出ていくタイミングを完全に見失ってしまった。
どしたものかと廊下をウロチョロしながら悩んでいると突然琴美さんが話しかけてきた。
「成行君!そんな所で何してるのよ?」
「うっ、うわー!?」
「うわー!?もう!なによ!!そんなにびっくりして!私まで釣られてビックリしたじゃない!!」
「ごめんなさい。考え事してた時に急に声を掛けられたから」
とそんなやり取りを琴美さんとしていると騒がしさで中に居る二人に気づかれてしまった。
「君達そんな所で何を騒いでいるのですか?」
「あっこ・・・こんにちは~!!先輩方!!」
なんか不本意な形でバレたけどしょうがないので挨拶をして社長室へと入った。
そして、互いに席に座り社長の声掛けから僕と琴美さんと後輩ちゃんの順で自己紹介する事になった。
「じゃあ僕から。僕の名前は平木成行だよ。高二だよ。宜しくね」
「は、はい!宜しくお願いします。」
「次は私ね。私の名前は花宮琴美よ。成行君と同じ高二ね。宜しくね」
「ど、どうも。よろしくお願いします!!」
「さ、最後は私ですね。私の名前は水瀬想火です!高一です。」
見た目は、茶髪でボブヘアの愛玩動物みたいな顔立ちをした感じで琴美さんが和風美人って感じならこの子は可愛い系美少女と言ったところだろうか。
「私達より一学年下なのね。じゃあ学生としても後輩なのね!何か分からない事があったら気軽に聞いてね。知ってる事なら教えてあげられるから」
「はい!お世話になります!」
と互いの自己紹介を終えたところで、社長が口を挟んで来た。
「成行君。君に伝えておく事があります。想火さんは田舎からこちらの事情で状況してもらったので少しでも安心してもらう為に君の学校に編入する事になったので学業面でのサポート宜しくお願いしますね。」
「え、ちょっと急に何言ってるんですか?」
「早速明日からなので宜しく頼みましたよ成行君」
まったくいつも勝手な社長だな。本当社長じゃなかったらハリセンで頭を思い切り叩きたい・・・
と思っていたら今度は琴美さんに話を振っていた。
「琴美さんには声優活動のサポートをお願いしますね。マナーや立ち振る舞いのレクチャーしてください。なので現場をこちら出来る限り同じにしたので想火さんも分からない事を分からないのままにしないように琴美さんにどんどん聞いてくださいね」
「は、はい!分かりました。という事らしいのでお世話になります!琴美先輩!」
「うん!こちらこそ、よろしくね想火ちゃん。」
あれなんか可笑しい。普通学校の方を女子同士の方がいいんじゃ?なんで男の僕の方なんだ?気になったので僕はこの疑問を社長に投げかけてみた。
「あのすいません!社長聞きたい事があるんですが」
「はいはい!どうしました。成行君?」
「あのなんで僕の学校の方に想火さんが来るんですか?普通男の僕より女の子同士の琴美さんとの方がいいんじゃないですか?色々と」
「なんだそんな事ですか。その理由はですね。成行君は面倒見も良いですし優しいです。不器用ですが。」
「なんですか褒めてると思ったらけなしてるんですか?」
「そんなに事の顛末を焦らないで下さい。実はまだ、彼女のマネージャーが決まって無いんですよ。それに男の子の方がストカーや危険な事からも守れますし不祥事がS起きないようにも出来ますしそ・れ・に可愛い後輩と同じ学校で面倒を見るなんてこれぞ!青春じゃないですか!!」
決め顔と手をグットの形にして何言ってるんだこの人・・・
まぁ他の事も実際そうだし納得しとくか。
「理由は分かりました。教えてくれてありがとうございます。」
「いえいえ良いんですよ成行君!頑張って下さいね!これから」
という感じで顔合わせは終わった。
正直不安な事しか無いけどまだ良かった事は後輩の子が良い子そうな事ぐらいだな。
こうして僕達はまたやる事が増えたのである。
社長のせいで
続
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