第2話 僕達の初デート(前編)
これは声優カップルチャンネルを結成して色んな事して二人が慣れて来た頃の話である。仕事を終え、休憩所でくつろいでいた成行の前に花宮琴美が勢い良く入って来て成行の前で立ち止まり、じっと成行を見つめながら何か言いたそうにしている。
その様子を見て成行は心の中で動揺していた。
(え、何?僕、何かやらかした??)
と内心焦るなる成行を他所にぶつぶつと何かを言っている。
何を言っているのか分からないのでは成行は琴美に尋ねる事にした。
「ごめん、声が小さくて何言ってるか分からないんだけどもう少し大きな声で言ってもらえないかな?」
というと琴美が顔を赤らめながらも覚悟を決めたかのように深呼吸してから一息いれてから成行に向かってこう言った。
「あなたに付き合ってほしい場所があるの!今度の休み確か同じ日だったわよね!その日は、ダメかしら?」
と琴美に急に誘われた今の状況が理解出来ず固まり自分の心の中で考えを整理しようとする成行。
(僕は、それを聞き終えたが頭の処理が追い付かなかった。
何故なら生まれてから今まで女子とデートすらした事がなかったのである。
なのでこうして同級生でカップル声優とは言ってはいるが実際は付き合ってないし、デートに誘われるなんて夢にも思っていなかった。
じゃあ今までどう演じてたかって?役者魂で!!とか言えればカッコいいが学校で見かけるカップルや恋愛漫画やドラマからのお陰である。本当そいう近哲があるお陰僕はやれてます。感謝…!とそんな事は置いといて
まぁでも、琴美さんってあまり気にしないようにしてたけどよく見たら可愛いんだよなぁ…)
と頭で考えている成行を他所に琴美は、少し返事を待っても返してこない成行にこう言った。
「まぁ、そうよね。普段は学校や仕事なんだし休みの日にしか出来ない用事があるわよね。いきなり誘ってごめんなさい。別に大丈夫だから!気にしないで。」
と残念そうな顔をしながら琴美がその場を去ろうと歩いて行く。
考え込んでいた状態から我に返って、その姿を見た成行は、呼び止めて琴美にこう言った。
「ちょっと待って!!今度の休み空いてるから付き合うよ!それでどこに行くの?」
それを聞くと琴美の顔色は一変し、嬉しそうな顔でこう返した。
「本当!?じゃあ、その日の朝十時に天体観測センターに集合ね!」
そう言い終えると、楽しそうにその場から去って行った。
それからは、学校で勉強、声優の仕事、カップル声優の活動をしているとあっという間に時は流れ、その休みの日、当日になった。
成行は初めてのデートにワクワクしながらオシャレな服を選び、準備を整え、支度を終え、成行は内心はしゃぎながら目的地へと、電車で向かった。
暫くして目的地がある駅に着き、目的地へと徒歩で向かい、暫く歩くと目的地に辿り着いた。
早速、待ち合わせをしている琴美を探す。
するとそのタイミングで向こうから連絡がきた。
「えっとチェック柄のワンピースにピンクのマリンキャップを着てるから入ってすぐのベンチに座ってるかぁ~どこだろう」
周りをウロウロする成行が探すと書いてあった通り琴美はそこに居たので駆け寄って声を掛けた。
「やぁ!今日はあんまり混んでなくて良かったね。」
「そうね、確か近くで毎年やってるっていう大きなイベントがあるからかもね。でも私的にはそれで良かったけど」
「え、それってどいう意味で?」
と成行が問いかけると、もじもじしながら琴美は答えた。
「私、星や可愛いものやスイーツが大好きで期間限定でカップル限定のコースがあってその中にどうしても見たいものや食べたいものや欲しいものがあって!!だからカップルで組まされてて誰かに見られても問題ない成行君しか居なかったのよ。でもそれだけじゃなくて親交を深められたらっても思ってたし、本当に今日は来てくれてありがとね!」
と琴美は無邪気な子供のような顔を琴美は成行に向けてきた。
その顔見て可愛いとは勿論思ったが唐突に誘われたけど来てよかったとこの時、成行は思った。
とは言っても中にはこれから入るので気が早いのだが…。
「とりあえず、中に入ろうか。中は混んでるかもしれないし」
「そうね。じゃああっちのチケット売り場で二人で入場券買いに行きましょうか」
あまり並んでない列に並んで待っているとどこからか僕は、視線を感じた。
まぁ、気のせいかファンでもいたんだろうとあまり気にしない事にしたというよりはそんな余計な事は考えずにこのデートを楽しもうって思って気にする事を辞めた。
そう思ってから暫くするとチケットをカップル専用で購入した。
店員さんに
「カップル限定ですね。分かりました。こちら三千円です。では、お二人でごゆっくりどうぞ」
と言われて含みがありそうに感じたのでなんだか凄く恥ずかしくなった実際はただの接客なのかもしれないけど。
早速僕達は、本題の建物に入って行った。
まさかこの後あんな事になるなんてこの時の僕達は思いもしなかった。
続
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