第2話『エーミール学院 前編』
エーミール学院は将来良い職業に就くための勉強が主の学校だ。当然学力のレベルも高く、ついていくには沢山の勉強が必要である。
とはいえ、学校は学校。当然行事というものが存在する。
その一つ、他の学校でいう運動会や体育祭にあたるのが魔法祭である。
魔法祭とは、エーミール学院の過剰と言ってもいいほど大きな校舎を存分に使う学校行事だ。具体的には、各クラスから4〜5人のチームを作り、2つのチームが対決する。一方が支給される水晶を校舎のどこかに設置し、もう一方がそれを奪う。つまりは水晶を巡った攻城戦なのだ。それを1日に1学年計8日、学年ごとにトーナメント形式で優勝を決める。
それにあたり、校舎には様々なギミックが用意される。3階に行くには2階から4階に上がってから降りなくてはいけなかったり、特定の部屋は屋上からしか行けなかったり。そんなわけで、毎年魔法祭の開催される時期は大忙し。校舎に損傷が出た場合には直す魔法が必要だし、怪我人も出るかもしれないから回復魔法を使える医者を呼ばなくてはならない。ギミックも一部は魔法で稼働するのでこれまた用意が必要だ。
7月2日。クリスやアルティスの学年、第7学年の今年の魔法祭は7月15日なので、残り2週間を切ったその日、金髪をミディアムカットにした少女、クリス・レートは荷物の入った箱を3つも抱えて廊下を歩いていた。箱には全て魔法祭の準備に必要なものが入っている。
(お、重い……!)
第7学年の教室がある4階から、職員室のある1階までの階段を、プルプル腕を震わせながら下っていく。これも学級委員たる私の務めだと自分に言い聞かせながら、クリスがようやく階段を降り切った……その時。
1人の男子生徒がクリスと目があった。
「……ア、アルティス・ガパオ……!」
「なんでフルネーム?」
その男子生徒は、ボサッとした黒髪が印象的なアルティス・ガパオだった。アルティスはクリスが持つ大量の荷物を一瞥すると、バツの悪い顔をして通り過ぎようとしたクリスに並んで歩き出した。
「それ何の荷物?」
「魔法祭のよ。第7学年が担当して作った道具」
「ああ、そういえば作ったな……」
いつもどこかぼーっとしているアルティスに、クリスは今にも「ケッ!」と言い出しそうな顔を向けた。見た目に違わず学級委員をしているクリスは、どこか気だるげで不真面目なアルティスが気に食わないのだ。そのくせ転入してから1ヶ月たった今の成績は悪くないのが余計に腹立たしい。
クリスのそんな顔には気づかず記憶を探るように虚空を見ていたアルティスだったが、ある時クリスの前に出たかと思えば、持っていた荷物を全て取り上げた。
「へ?」
「これどこ運ぶの?」
「え……職員室だけど……ま、待ちなさい!」
「何?」
「な、何してるの!」
「何って……重そうだから……」
「余計なお世話よ! 第一、それは私の仕事で……人に押し付けたみたいに見られるじゃない!」
「じゃあ職員室に着く前に渡せばいいよ」
「ダメよ、そんなズルいこと!」
「真面目だなあ……」
するとアルティスはヒョイッと1番上の箱を下ろすとクリスに持たせた。
「これでいいでしょ」
「え、あ、う……」
元の3分の1の重さになった荷物。手伝ってくれることに対する素直な感謝の気持ちと、こんな奴に世話焼かれるなんてという反抗心がせめぎ合い、クリスは意味のない文字列を口にしてしまった。
アルティスはそんなクリスを気にも留めず、職員室に向かって歩き始める。慌ててクリスも後を追い、2人並んで歩いて行った。
「……この学院には慣れたかしら?」
「まあね。無駄に広いから教室覚えるのには苦労したよ」
「無駄に広いって……まあ確かに、私も昔はよく迷ったものだわ」
「普通は6歳でここに来るんでしょ? 大変だなあ」
などと他愛もない話をしながら歩いていく。
始めこそ少し険悪な雰囲気だった2人だが、あの事件……学院に魔物が侵入した事件にて、アルティスが魔物からクリスを守ったという出来事以来、2人の距離は縮まって……はいないかもしれないが、少なくともお互いに邪険にするということはなくった。
実は学院内で男嫌いとして通っていたクリスにしては妙にアルティスを受け入れていることで、クラスの女子から茶化されたという出来事があった。たとえプライドの高い貴族の令嬢とはいえ、年頃の女の子であることに変わりはないのだ。
あの事件は門の金具が根本から破壊された痕跡から、設備の老朽化が原因と判断された。事件の翌日は臨時休校となり、丸一日を要して門や塀を全て新設した。その際は街からA級の相当な腕前の魔法使いに来てもらい、次に生徒が投稿した時にはピッカピカになった塀や門が出来上がっていた。
アルティスとクリスが荷物を職員室へと運び、踵を返したところで、銀髪を短くした男……ボート・アルフォートと出会った。
「こんにちは、ボートさん」
「どうも」
「こんちは。そろそろ魔法祭の時期だからなあ、クリスは忙しいだろ。手伝える時は俺も手伝うから、そん時は声かけてな?」
「ありがとうございます。けど、これは学級委員としての仕事ですので」
「お堅いね〜」
クリスは本当に真面目だ、とアルティスは思う。自分の仕事や立場に誇りを持ち、立派な責任感や正義感も併せ持っている。
(これもある意味プライドか……)
呆れ半分、感心半分でクリスをチラリと見、アルティスは歩き出そうとした。
するとボートがアルティスへと視線を送り、話しかけてきた。
「アルティス、お前魔法はどのぐらいのもんなんだ?」
「魔法、ですか? ……まあ、苦手ではないです」
「他校じゃ魔法祭なんて行事ねえからな。期間は短えだろうけど練習しとけよ?」
「はい。……それにしても、このプライド高い奴らの集まるエーミール学院で、どうして魔法で戦う行事なんてあるんですかね。皆痛いのやだとか言って反対しそうなのに」
アルティスの失礼な言いようにクリスが睨みつけてくるが無視。まあ、クリス自身はそうでもないが、確かに魔法祭は反対の声が多数だ。怪我はするし、貴族がわざわざ敵を攻撃するような魔法を使うこともないだろうからだ。
すると、何故かボートはニヤリと口の端を持ち上げて見せた。
「そうだな、確かにここの教員達は魔法祭を無くそうとしてる。けど魔法祭がずっと無くなっていないのは……俺が駄々をこねたからだ」
「え?」
「え?」
全く同じリアクションをし、口をポカンと開けたアルティスとクリスにボートは苦笑い。
「そ、そんな顔するな。これには色々訳があってな……語るには、まずエーミール学院の歴史から話さなければならん。……お二人は、エーミール学院は“元々”なんのために建てられた学校かは知ってるか?」
「……僕はまだ来て1ヶ月ですし……」
「先生方からは、由緒正しい家柄を支えるための学院だと……」
「ま、そうだわな。ここの先生達はそりゃ隠したがる」
「隠したがるって……」
二人は疑問顔を浮かべた。その色はクリスの方が濃いようで、誇りを持っていた学院に対する不信感が湧きあがろうとし、それを抑えているようだった。
一瞬、ボートはそんなクリスの顔に少々罪悪感を覚えたような顔をした。しかしすぐに元の気さくそうな顔に戻り、二人の疑問に答えた。
「……このエーミール学院は、元々冒険者になるための育成所として作られたんだ」
「ぼ、冒険者に……?」
「へ〜、なるほど、だから街から離れてる上に森に隣接してるんですね」
信じられないような表情をしているクリスを横目に、アルティスは疑問が解消されたことでどこかすっきりしている表情をしていた。
ボートはそんなアルティスに親指を立てる。
「そのとーり」
「……だとしたら今のエーミール学院とは全く違いますね」
貴族は冒険者を嫌う節がある。ボートの言う話が本当なら、確かにここは昔冒険者を育てる学校でした、なんてプライドの高い職員達は言わないだろう。
クリスはボートの話に懐疑的な目をしたが、アルティスの言う通り少し不自然な学院の立地に説明がつく。やはり信じられないという表情になり、クリスは黙り込んでしまった。
一方アルティスはボートの話に興味を持ったようで、続くボートの話に耳を傾けた。
「ここのお偉いさんは冒険者嫌いだからなあ。『わざわざ自分の命を散らしてまで他人を守るなんてごめんだ』って考えだ。こちとらそんな大層な意識で冒険者やってねえんだけどな。っと、話を戻そう。その冒険者を目指すって意識が続いたのは、約50年の歴史の内の最初の20年、つまり貴族が通うエリート校って認識は30年ぐらい前にできたってこったな」
「……それと魔法祭になんの影響が?」
「実はな、俺はこの学院の卒業生なんだ」
「……ふむ?」
「華々しい学生時代の思い出が受け継がれずに消えちまうなんて嫌だろ? だから俺は伝統あるこの学院独自の行事がどうのこうのっつってこの行事を存続させてるってわけだ」
「は、はは。思いっきり私情ですね」
アルティスは苦笑いを浮かべながらも、なんとなくボートの言い分が分かるような気がした。あまり良い生活を歩んできたとは言えないアルティスだが、それでも思い出が消えてしまうのは確かに嫌だ。
それは確かだがそれだけの理由でお偉いさんの判断を動かせるだけの発言ができるかと問われれば否と答える他ない。それだけボートは魔法祭に思い入れがあるということだろうか。
「おっと、長話が過ぎたな。もう昼休みも終わるだろ。すまんな!」
「いえ、いい話を聞けましたよ」
ボートは職員室に歩いていき、その場にはアルティスとクラスが残った。
「……さ、僕らも早く教室に行こう。次はこの間のテスト返しでしょ」
「……」
「……クリス?」
「……はあ、まさかこの学校の先生達があんなくだらないプライドを持っていたなんてね。なんだか幻滅しちゃったわ。さ、行きましょう」
そっけなくため息を吐くと、クリスは教室へと歩いていった。
その後ろ姿を、アルティスは鋭い目つきで見つめた。クリスの足取りは心無しか早く、なんだか負の感情を心に仕舞い込んでいて、それを自分でも見ないようにしているような。
アルティスはなんとなくだがクリスの心中を察していた。
(……多分、クリスはこの学校に誇りを持ってたんだろうな。先生達も同じ誇りを持ってると信じて……ボートさんの話、裏切られたって感じたんだろうな……)
アルティスはなんだか複雑な感情を抱えたまま、クリスの後を追っていった。
その日の放課後。
クリスは煌びやかな街の通りを歩いていた。
煌びやか、というのはチラホラといる人々も例外ではない。皆一様に艶のある派手な服を着ている。首からはネックレス、手首にはブレスレット、耳にはイヤリングを下げ、当然どれも宝石が埋め込まれている。どんな時でも笑顔を絶やさず、背筋は常に真っ直ぐだ。
通りはというと、建物にシミや傷はひとつも無く、周りには花々が植えられている。全ての建物か軒並み大きく、相対的に街が小さく見えるような気がする。
「あら、クリスさん、こんにちは」
「こんにちは、ラビーさん。ラムネちゃんは元気ですか?」
クリスは通りで1人の女性に挨拶した。それはツヤのある黒髪を背中まで垂らし、赤い華美な服装をした女性だった。彼女はクリスの家系レート家と交流のある一族、ラビー家で、代々美術品の作成を行なっている。その出来はかなり素晴らしく、この街の貴族連中のほとんどの家にラビー家の美術品が置いてあると言っても過言ではない。
「ええ。ラムネは最近チェスを始めまして。エーミール学院に入っても、皆と付き合っていけそうです」
「それは良かった。では、私はここで失礼します」
「そうですか、ではまた会いましょう」
そう言って、両者は別れた。
貴族というのは案外仲間意識が強い。何故かと言われれば誰も答えられないだろうが、自分は偉い、ではなく、自分達は偉い、と考えるのだ。当然例外もいるが。
その仲間意識の強さは、レート家の者も例外では無い。
レート家はトゥエフというこの貴族が集まる街の北端にある。小高い丘を丸々庭にし、木々、噴水、菜園、池などなど意識が高いあれこれは庭だけで網羅している。そしてそれらを睥睨するように、これまた巨大な豪邸が丘の天辺に築かれている。白くほとんど汚れの無いそれは、一般市民からすれば近づくのすら忌避してしまうような威圧感を放っていた。
クリスは無駄に広い庭を歩き、その豪邸の両開きの扉を開けた。この扉1つとっても、傷ひとつ無い高級品だと分かる。
玄関ロビーには1人のメイドが洗濯物が大量に入った籠を持って歩いていた。メイドは開いた扉と入ってきたクリスに気がつくと、洗濯籠を置いて深々と頭を下げた。クリスは困ったような笑顔を浮かべる。
「おかえりなさいませ、クリス様」
「ただいま、ミレープさん」
「申し訳ございません、ただいま仕事が立て込んでおりましてお手伝いが……」
「いつもいいって言っているじゃないですか。そろそろ私も自立しないといけないので」
「ですが……」
「……私は部屋で課題をやります。ミレープさんもお仕事頑張ってください」
「あ、すみません、クリス様」
ミレープというメイドは、自分の部屋に戻ろうとしたクリスを呼び止めた。クリスは怪訝な顔をして振り向く。
「……旦那様が、クリスさんが帰ったら食堂に来るように、と」
「あぁ、そうだったわね。ありがとうございます」
「いえ」
クリスは自分の部屋に荷物を置いて手を洗うと、もはや迷路とまで言えるほど広いレート邸を歩き、食堂へ向かった。
食堂は白を基調とした、これまた無駄に広い場所だ。レート家は父母とクリスの3人家族で使用人も多くないのに、テーブルはザッと20人は座れそうなほど大きい。奥に厨房と直通の扉がある。
クリスが入ってまず目に入ったのは、テーブルの端に座り、新聞を読んでいる1人の男だった。金髪を短くし、ガタイがよく厳かな顔つきだ。
「ただいま、お父様」
「帰ったか、クリス。テストはどうだった?」
「今見せるわ」
彼こそクリスの父親であり、レート家現当主リーベ・レートである。
クリスは持ってきていたテストの答案をリーベの前に並べた。国語、数学、歴史などなど、どれもが90点を超える高得点だ。
リーベはそれらをチェックすると、表情を変えずに、厳しそうな視線をクリスへと向けた。
「ふむ、どれの教科も問題ないな。よくやったクリス」
「ありがとう、お父様」
「けれどいいか、クリス。レート家の人間は、これに慢心せず、精進していかなければならない。この家が貴族だと自覚し、それに相応しい気品を身に付けなければならん」
「うん、分かってるわ」
「……そうだ、もう少ししたら……魔法祭が終わった辺りで、俺はしばらく出張に出る。……その間も、しっかりと励めよ、クリス」
「……うん」
あっという間に時は流れ、7月15日。第56回エーミール学院第7学年魔法祭当日。
その日の朝、第7学年生徒全員が広い校庭に並び、校長の話や諸事情を聞いた後、今年のグループとトーナメントが口頭で発表される。
「これより、今年の魔法祭第7学年のチームを発表する」
第7学年主任が前に立ち、そう声を上げた瞬間、その場にピリッと緊張が増した。
第7学年は第1クラス、第2クラスの2クラスあり、それぞれ34人で計68人。各クラスのチームは4人チームが6つ、5人チームが2つだ。
第7学年の総チーム数は16チーム。なので試合数は第7学年だけで15回だ。一試合20分だとしても300分、5時間もかかる。だから1日に1学年分しかできずに、魔法祭に1週間以上を費やすのだ。
「まずは第1クラスから。第1チーム……アルティス・ガパオ、クリス・レート、スネーク・ケーキ、マフィ・マカロフ。以上4名」
「げっ……!」
クリスはチームが発表された瞬間、そう漏らしてしまった。周囲の生徒は苦笑いを浮かべ、アルティスはジト目をクリスに向ける。クリスはバツの悪そうな顔を浮かべた。
それからドンドンとチームが発表されていった。第16チームの発表が終わる頃には、時刻が大体8時になっていた。
第7学年の開会式が終わると、第一試合開始を8時30分とし、それまで作戦会議等の時間となる。第一試合は第1チーム対第2チーム。いずれも第1クラスのチームで、互いに実力等を知っている上に数も4人同士で同じ。どれだけ相手の想定を上回れる作戦を立てられるかがポイントだろう。
「……改めてルールを整理するわ。魔法祭は、様々な仕掛けが施されたエーミール学院本校の中に、防衛側が設置した水晶の争奪戦よ。クジの結果私達は攻撃側。攻撃側は防衛側よりも仕掛けの利用が大切よ」
校庭の一角で、クリス達第1チームは作戦会議を行なっていた。4人で学校の巨大な見取り図を囲んでいる。この見取り図にはびっしりと学校に施された仕掛けが記されている。これを元に、両陣営は水晶の争奪戦を行うのだ。
「流石ね〜クリス。あなたに任せておけば百人力よ」
そう言いながら、黒髪ロングの長身の女子、マフィ・マカロフは後ろからクリスに抱きついた。
「わっ! ち、ちょっとマフィ……!」
「クリスは頭いいものねー。今回も凄い作戦練っちゃうんでしょ?」
「べ、別に頭良くなんてないわよ! ただ私は、レート家としてこの魔法祭で優勝しないと……って、何よアルティスその顔は! その呆れたような顔をやめなさい!」
「あーはいはい。うるさいなぁツンデレお嬢」
「つ、ツンデ……!」
「ふふ、ツンデレお嬢、言い得て妙ね」
そこでマフィは、清楚な顔立ちをフッと消した。瞳の奥には見下しや嘲笑の色々が浮かび、口は中々にうざったい角度に曲げられる。
「……言うじゃない、平民の癖に」
「そりゃどうも」
アルティスも心底面倒臭そうな表情で返し、その一幕で空気は中々に険悪なものとなった。クリスは2人の顔を見、むっとした表情となり手を叩いた。
「ほら、そんなくだらないことでケンカなんかしないの。早く作戦を……」
「あら、人一倍家柄を気にしていたクリスが『くだらない』? ふふ、随分とアルティス・ガパオに思い入れがあるのね」
それを聞き、クリスはチラリとアルティスの方を向いた。アルティスは呑気に欠伸をしながら天を仰いでいる。クリスの視線に気がつくと、眠たそうな顔でチラリと視線のみを飛ばしてくる。
クリスはスッと真顔になった。
「……別に、そんなんじゃないわ。ほら、早く作戦を立てるわよ」
それから第一試合開始まで30分弱を、クリス達は作戦会議に費やした。ちょいちょいマフィとアルティスのせいで険悪な空気になりかけたが、そこはクリスの母親的対応でカバー。割とマジでアルティスが寝そうになったりしたが、なんとか作戦は纏まった。
あっという間に30分が過ぎ、第一試合防衛側、第2チームの水晶の設置、人員の配置も完了した。第1チームは昇降口に移動。それを確認すると、教師陣は試合開始の合図を出す。
「……それでは、第56回魔法祭第7学年、第一試合、開始!」
アナウンスが飛び交うや否や、クリス達は校内を駆け出した。
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