第12話:転入生

 私立新都市学園高等部の1-Aではちょっとした騒ぎが起きていた。

担任が教室に招き入れた一人の転校生を巡って教室内にさまざまな憶測が飛び交っていたのだ。

「ねえ、ねえ、転校生ってこのタイミング、あり? 兼井君が退学したばっかだよ。謎の転校生すぎない?」

「そうか? 来る者拒まず、去る者追わずなんじゃね?」

「何、キレイにまとめてんのよ!」

「それよか彼女、生島ルイに似てない? って言うか、本人なんじゃね?」

「生島ルイって、あのアイドルの? 確かに! 美人!」

「えー! だれ? だれ?」

「知らねーの? マズくない? 俺の推しだぜ!」

「その情報、いらね」

「静かに! 彼女はご両親の都合で今日からこの学校に通うことになった斬山レオナ君だ。名字で分かる通り、斬山ツカサ君の従妹だそうだ。帰国子女で不慣れな部分もあるから、みんな色々教えてやってくれ」

担任の簡単な紹介に戸惑いながらも頭を下げるセーラー服の転校生。

「斬山、レオナです……よろしく、です……」

転校生はうつむき加減にあいさつした。流れるようなライトブラウンの長い髪がおじぎに合わせて前に垂れる。

「やだー! カワイイ!」

「ルイルイに似てるー」

「友達になりてー」

ざわつく教室内の生徒たち。

「じゃあ、レオナ君の席はツカサ君の席の隣を空けておいたから、そこに座って」

「おおっ! 美少女姉妹ユニット爆誕か? 目にお得だぜ!」

「こらっ、そこ! 騒がない!」

転校生は指示されたとおり、斬山ツカサの隣の席に向かう。

「これからよろしくね、レオナ。ここに来てみて何か思いだした?」

「こちらこそ、ツカサ。まだ、なにも……」

二人は本当の親戚のように振る舞い、軽い挨拶を交わした。

ツカサは念を押すように言う。

「いい? 前に話した通りどんな敵が付近に入り込んでいるかわからないから、目立つ行動は謹んでね」

「うん。わかってる。大丈夫だよ! でもなんでボクだけセーラー服なの?」

「転校生設定だから。それっぽいでしょ」

「それそれ! わかんないな。なんで復学するだけなのに転校生扱い? てか、なんでツカサとメイ意外誰もボクのこと覚えてないの?」

「えっ? あっああ! きゅ、休学期間が長かったから? みんなレオナに気をつかってるんじゃないかな……あっ、ほらほら! 授業が始まるよ!」

「ちぇっ! なんかごまかされる感じ!」

「ふうっ、もう潮時ね。後でちゃんと話すから、それまでおとなしくしてて」


ということで、帰宅してからツカサとメイはボクの過去に何があったかざっくり話してくれた。彼女たちによるとボクは、本当は兼井ケントという男の子でメイの作った妙な薬によって今の女の子に変わってしまったんだそうだ。でも、記憶のないボクにとってはショックというより、まるで他人ごとのように感じた。前世はクレオパトラだったって言われるぐらいピンとこなかった。容姿端麗なカワイさに加えて、ボクに発現した能力を便利に使っていればこそ、特に不都合は感じられなかった。

このまま男子の記憶が戻らなければ、女子としての生き方はツカサとメイが教えてくれるし、特に支障はないかも。そう言えば、初登校に合わせてツカサがブラのフィッティングをしてくれた。

「いい? こう、腕を通して、脇から持ってきて、そう、カップに入れる感じね」

「うん。ピッタリ! 所定位置に収まったって感じ。ブラだけにブラブラしなくなった!」

「と、これも。はい、セーラー服、サマーバージョン。いいでしょ!」

「ふーん。スカーフは青なんだ。レオナちゃん、すっごい似合ってるよ。うん、カワイイは最強だね!」

「よせやい! 照れるじゃんか! メイ」

「レオナ、あんたどこでそんな返しを覚えたの? キャラ変わってるじゃない!」

とにもかくにもこれからの高校生活、何が起きるのか不安でもあり楽しみでもあり。



◇◇◇

クラスのみんなは男女問わず転校生(設定)のボクにとても親切だった。それはひとえにボクに備わった最強にカワイイ、美少女ルックスと男の子のようなさばさばした性格のせいだろう。休み時間は常に男女問わずに囲まれて、どこの国から来たのとか、瞳と髪の色を指摘してハーフなのかとか、英語しゃべってみてとか、質問攻めにされるのにはちょっと困った。答えあぐねているボクを見かねてツカサがすかさずフォローし、彼らが聞きたがっているだろう回答を用意してくれた。

転入後、初めての体育は男子がグラウンドでサッカー、女子が体育館でバレーボールのミニゲームだった。ボクは体育着に着替えツカサたちと体育館に向かった。

「私たち、同じチームだね! よろしくね! あっ、私は府藤ハルミ! レオナって呼んでいい?」

府藤ハルミが手を差し出し、挨拶してきた。

「うん。ハルミ。よろしく」

ツカサチームとの対抗戦ではついつい熱が入って、鉄壁のように完璧なブロックで相手のスパイクをはじき、逆に相手のブロックの上から強烈なスパイクをお見舞いして、圧勝した。

「やったよ! ナイスだよ! レオナちゃん、スゴイよ! テッペンとれるよ!」

「いやあー、それほどでも!」

メイたちの説明通りボクには普通のヒトを遥かに超えた身体能力が備わっているようだ。


 それからツカサとメイの3人でお弁当を食べに校舎屋上に登った時のことだ。

本日のお弁当は、メイの手作りだ。

「1人分だろうが3人分だろうが作業工程は変わらないから」

そう言って、ボクとツカサの分も作ってくれる。いつもありがとうメイ。感謝。

ちなみに今日のオカズはから揚げ、ミニハンバーグ、タマゴ焼き、そして超絶技巧な匠の技にをふるった黄色いパプリカのくちばしをつけたタコさんウインナーというオールスター競演だ。

「レオナ、最近、調子乗ってない?」

「へっ?」

ツカサが咎めるような口調で言った。

「いやー、そんなことないと思うけど……」

「だといいんだけど。体育の時間、バレーボールで相手チームのサーブをのきなみブロックして叩き落としたり、バスケで3ポイントラインの外側から飛び込んでダンクシュートしてみたり、ソフトボールをいくつも校舎の壁にめり込ませたり、非公式ながら100m走でとんでもない記録を出したり、最もこれはストップウオッチの操作ミスということで済んだからよかったけど。これでもかっていうくらい反則技のオンパレードじゃない! もう身体能力の高さをひけらかすと言うよりも、いじめ? とか、性格悪いんじゃない? 人としてどうなの? というレベルだわ!」

「いやー、同じチームになったみんなから期待されるもんだからつい……」

「つい、じゃないわ! 前にも言ったけど、目立つ行動は慎まないと、自ら危険を呼び込むことになるわよ!」

「うーん、その危険っていうのが、今ひとつわからないんだけど」

「とにかく、ズルはダメ!」

「ズルしてるつもりは……もちろん力は抑えているけど加減がなかなか難しくて……」

「ねえねえ、レオナちゃん! 空、飛べる?」

今度はメイが突拍子もない質問をしてきた。

「いや、空はさすがにちょっと……」

「じゃあ、どのくらいまで飛べる?」

なんかすっごく好奇心に目を輝かせている。

「この高さくらいかな……実際やったことないけど……」

「この高さって、5階相当の校舎屋上ってこと? すっごーい!」

「ダメよ、メイ! レオナの能力はそんなことではなく、もっと世界の平和のために使うべきだと思うの。もしもレオナがこの先、どこかで間違って悪い大人になってしまって変な仮面を被って素性を偽ったり、トゲトゲの付いた肩パットを付けたりとかして、ダークなサイドに落ちたりしたら、人類にとってとてつもなく大きな損失、災厄を招きかねないわ」

「ツカサ、マジでそれ心配してんの?」

そんなワキャないでしょ!

「我々は触れてはならん力を手に入れてしまったと言うことかー」

メイも調子を合わせてマッドサイエンティストがよく口にするセリフを言う。

「神、の力でしゅか? って、おい! 随分他人事じゃない、メイさん! もともと原因を作った張本人がそれ言う?」

 とか思いつつ、

「ふっふっふ、チート上等! 無双御礼! この世界の魔王となって世界征服をもくろみ一大ハーレム帝国を築き上げるのだー! うわっはっはっは!」

「ちっさ! レオナ、ちっさ!」

ツカサとメイが口をそろえて非難する。

「まったく、あなた、過去はどうあれ今は女の子なんだよ。その発想は男子どころか厨ニ病をこじらせたオッサンね!」

「ジョーダン、ジョーダンだってば! だってボクは管理者には向ていないもの。学級委員とかですら面倒くさくって。人を管理するとかなんてムリ、まして世界征服なんて、とてもムリ! 絶対!」

「レオナァ、今からそんな弱腰でどうするの? もっとちゃんと勉強してこの国を牛耳る大物政治家になるとか、グローバル巨大企業のCEOになって世界経済を裏から表から支配するとか、もっとこう地に足をつけた野望とかないの?」

「もしもしメイさん? それのどこが地に足つけたビジョンなのか分からないんですけど!」

「メイ、煽ってどうするの?」

「どうせならアタマの方も良くしてくれればよかったのに……」

「でも、驚異的な身体能力を駆使するために、神経系や脳の処理速度もそうとうアップデートされてるはずなんだけど……レオナの場合、そっちはあまり恩恵を受けているようには感じないね」

「大きなお世話……それはアレだよ! 能ある鷹は爪を隠すって言うでしょ? 言わない? ひとまず夢のハーレム帝国の件は、誰にも漏らさずに心の中でそっと温めておくことにするよ」

「そのほうがあなたのためね。まあ、そうならないために私が監視していることを忘れないでね」

「もちろんです! ツカサオネ―タマ! ボク、二人がいてくれたら後はなんにもいらないもん」

出る杭は打たれる。社会生活を営む上ではあまり突出するのもなんだし、プレーヤーひとりの力だけで戦局をひっくり返せるほど甘いもんじゃないことぐらい理解しているつもりだ。とかく世知辛い世の中だもん。

「もっとも、キミこそが現人類と次世代のネクストヒューマンを繋ぐ架け橋になるのかもね」

「いやいや。そんな、そんな。大それたものじゃないですよ。買いかぶりすぎですよ、ツカサさん」

「いっその事、私の所属する“ワールドバランシングフォース”通称WBFに入ってくれればいいのに! こんな逸材、他にいないもの。どう? レオナ!」

「いやあー、ツカサさん、そんな部活の勧誘みたく言われても……」

そのとき、屋上の扉が閉まる音がした。

「あらー! そこにいらっしゃるの、斬山ツカサさんとユカイなお友達じゃありませんこと?」

誰かがボクたちののどかなランチタイムの会話に突然割りこんできた。ツカサはちょっとムッとする。

眉をひそめながら乱入者の名前を、口にしようと試みる。

「A、いいえ。あや……あや、なみ、いやっ、違う!」

「斬山さんあなた、恐れ多くもそんなメジャーどころを口にするとは……さすがにワザとやってる感じがするわね。とにかく人の名前で遊ばないでくださいます? 綾瀬川! 私の名前は綾瀬川レイカよ!」

しびれを切らして本人から名乗った。

レイカと名乗った女子はゴージャスな巻き髪を揺らし、バストを誇示するかのように胸の下で腕を組んでツンと立つ。彼女のことはよく知らないはずなのにこのくだり、どこかで見覚えがあるような、ないような。彼女は軽く咳払いをしたあと、ボクのほうに上から目線をキープしたまま視線だけを向ける。

「それで、あなたが“噂の転校生“ね?」

「はい? ボク?」

ボクは、メイが作ってくれたタコさんウインナーを口に運ぶお箸を止めた。

レイカは腕を組んだまま足を軽く広げる。

「そうよ、あなた……」

ガシャッ!!

突如、彼女のスカートの中から、ふとももに沿ってウエポンラックがスライドする!

中から武器……ならぬ紅いお箸を取り出したかと思うと片方を手裏剣のごとく投げつけてきた!

シャツ! 紅い彗星のような閃光が目の前を走った!

トッ!

彼女の投げたお箸はボクの大切なタコさんウインナーを見事に射抜き、そのまま校舎の壁面に突き刺さった!

“キュッ”

ヘッドショットされたタコさんウインナーの魂が天に召されるようすが見えた。

なっ、なんというもったいない! いや、お行儀の悪いことを!

「何をする?!」

「見せてもらいましょうか! あなたの実力とやらを!」

「いやっ、そういうの、いいですから!」

「気をつけて! A-10、レイカは武器のエキスパートよ! 手近なものは何でも武器にしてしまうわ!」

ツカサが何か助言めいたことを言った。けど、ボクにとって彼女が何者なのかも、なぜからまれるのかもぜんぜん見当がつかない。

しかし、レイカはそんなことはお構いなしに残ったもう一方のお箸を手慣れた扱いで取りまわし、スピアのように構えたかと思うと、いきなりボクに向かって突きかかってきた!

「うわっ!」

咄嗟にボクも持っていたお箸で防御する。問答無用だった! 彼女は敵なのか? 

「さすがですわね!」

「なにをするっ?」

だが、お箸を交えてみて彼女に殺意がないことはすぐにわかった。なぜなら両足をその場に固定して深く踏み込んではこないからだ。だからと言ってそれとこれとは話が別。タコさんウインナーをヘッドショットした罪は重い! 良い子のみんなが真似をしたらどうするの! 

食べ物を粗末にするようなお行儀の悪いヒトにはお仕置きとしつけが必要だ!

ボクは応戦することに決めた! 

「さあ、舞い踊るのよ!」

レイカの目が輝く!

カシャ! カンッ! キンッ!

屋上に広がる空にお箸とお箸がぶつかり合う乾いた音だけがむなしく吸い込まれていく。

「メイ、行きましょう」

ツカサがメイを促し、この場を後にする。

「えっ? でも、このまま放っておいていいの?」

「問題ないわ。それよりこんなお遊びに巻き込まれる方がバカバカしいもの」

二人は非常口から校舎の中へ退場していった。

もうそろそろこのチマチマしたチャンバラに飽きてきたボクは、ここら辺で彼女とのお突き合いを止めさせてもらうことにした。

「なかなか、やるじゃない! このわたくしを本気モードにさせるとは! いいわ! 見せてあげましょう! わたくしのとっておきの秘奥義、綾瀬川流体術を!」

「もう勘弁して!」

「問答無用! 行くわよ! 受けてごらんなさい! 綾瀬川流奥義! 一点突・いってんとつ・は――ッ!」

ガシッ!

タメの姿勢から一気に放たれたレイカ渾身の紅い一撃をボクはお箸で挟んで受け止め、円を描くようにはらった。

彼女の手から弾かれた紅いお箸は、校庭の植え込みの中へと落ちていった。

「まっ、まさか! このわたくし渾身の一撃をかわすなんて! 信じられませんわ……あなた、いったい!」

驚くレイカ。

「はい、もうおしまい!」

「あなた、やはりただ者ではないようね……」

ボクはレイカのセリフを背中で受け流しがら、のどかなランチタイムに水を差されて屋上から退散していったツカサたちの後を追う。

「待ちなさい!」

「もう勝負はついただろ。これ以上、ボクに何か……」

「お弁当を食べるのに、そのお箸を貸してくださらないかしら」

「……後でちゃんと返してくれるなら」

コードネーム“A-10”こと、綾瀬川レイカ。彼女はツカサと同じ組織“ワールドバランシングフォース”通称WBFに所属する敏腕エージェントだそうだ……。


◇◇◇


 ボクの新たなる学園生活は過去の記憶がないためにアイデンティーの確立が難しいということ以外は特段支障もなく、まずまずの滑り出しだった。

ある晴れた日の早朝、ツカサがボク専用部屋にしているロフトにかかるハシゴを伝って上がってきた。

「おはよう! レオナ」

「おはよう。今、何時?」

「朝5時だよ」

「どうしたの? こんな早くに……」

ボクは目をこすりながら大きなあくびをひとつ。

「朝のトレーニングに付き合ってくれない?」

「いや、遠慮させていただくよ。貴重な睡眠時間だもん……」

そう言って、布団の中で丸まっているコダマを追い出すためにツカサに手渡した。

「付き合ってくれたら朝食にハチミツたっぷりのパンケーキを焼いてあげるんだけどなあー」

「えつ、ハチミツ?」

「そう、ハチミツ、たあっぷりの! どう? 好きでしょ!」

ボクにとってハチミツは嗜好品以上の至高のエネルギー源なのだ。なぜだかよく分からないけど、前世は花の蜜に集まる蝶か蜂だったのではないかと思うくらいにハチミツには目がなかった。彼女の誘いはまさにハニートラップそのものと言っていいほど魅惑的だった。ボクはまだ布団のぬくもりに未練を残しながら着替えて下に降りる約束をした。

トレーナーに着替えるとツカサの後についてランニングを始める。

近所の公園まで走ると樹木に囲まれた芝生エリアを選び互いに軽いストレッチをして体をほぐす。

朝のつめたい新鮮な空気の中で伸びをするのは気持ちがいい。

そして彼女と近接戦闘術の訓練にはいる。ツカサから教わって既に基本をマスターしていたので模擬戦形式で彼女との手合わせを行う。まさに師匠と弟子が修行を重ねるごとく。

「レオナも自分の身は自分で守れるようにしとかなきゃ。どんなに優れたF1マシンでも、ドライバーのたゆまぬ訓練なくしては本来の能力を発揮できないのと同じよ」

とか何とか、もっともらしいことを言うけど、彼女は自分自身の訓練にボクを付き合わせたいだけなんだ。まあ、自我に目覚めてからこっち、彼女の模擬戦闘にお付き合いするなんてことはボクにとってお安い御用だけど。彼女の突きや蹴りなんて、その気になれば軽くいなすことも、全て避けきる事もできるけど、日頃から何かとお世話になっている身、ここはひとつお付き合いしてさし上げましょう。時折、反撃のそぶりを見せて彼女を楽しませることも忘れない。程よく気持ちのいい汗をかいたら帰宅する丁度良い頃合いだ。マンションまでは再びランニングでコンディションを整える。部屋につくと一緒にシャワーを浴びて服を着替え、サッパリしたら、おっと、シャワーシーンはこんな感じ。

「レオナ、シャワー浴びて!」

「えっ、いいよ。めんどくさい」

「駄目だよ! 学校行く前に汗流さないと! ほらっ、おいで。いっしょに流してあげる」

「えっ、っと、はづかしい、じゃんか……」

「今は女の子同士だよ?」

「……けど……でも……だって……」

「ホラ、ホラ、上がったらパンケーキが待ってるよ!」

「もん♡ しょうがないなー」

シャワワワー♡

「はい。一丁上がり! 先ドライヤーかけてて」

「二人とも、適応能力が高いというか、なじみすぎね……」

寝起きのメイがあくびをかみころしながら言った。

髪を乾かした後は朝食に約束のパンケーキを焼いてもらう。甘く香ばしいふわっふわなパンケーキの上でバターとハチミツが溶け合い、黄金色のハーモニーを奏でる。ボクはハチミツの甘い香りを楽しみながらスィートな一皿を心ゆくまで堪能した。




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