6作目:ハマり過ぎ

「くっ、まだまだ……」

 課題としているダンスのステップが、どうしても踏めない。

「こんなんじゃ駄目だ」

 昼休みの空き時間で練習をしている。

 寸暇を惜しんで頑張らなければ。


「あれ、先輩なにしてるんですか?」

 通りがかりの後輩から声を掛けられた。

「ダンスの練習だ。見れば分かるだろ」

「え、なんで? なんでダンス?」

「アイドルを踊ってもらう身として、自分も彼女たちの気持ちを理解しなければ」

 それを聞いた後輩は「はあ……」とため息をついた。


「いや、プロデューサーが踊る意味! しかも、アンタがプロデューサーなのはゲームの中だけの話でしょ」

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