第14話 君の答え

 ここに来てからの事を思い出す。

 シェルが愛されていないとは思わない。

 何故ならば、ブラウズは「仲良くしてやってくれ」と言ったのだ。

 本当に愛してもいないのならば、そんな言葉を伝えたりしないだろう。


 ブラウズは絶対にシェルの事を愛していると君は伝える。

 あまり長い時間いなかった君でも、それは見れば分かると。


「何故そう言い切れるのですか」


 ブラウズと気持ちがすれ違っているのだと。

 シェル自身も先程の「いってらっしゃい」をブラウズが去ってから伝えていた。

 それは一歩引いているように見えると、君は思ったままを伝える。


「そ、それは……。お父様の気持ちが分からないから……」


 シェルは俯いたまま考えているようだった。

 どうしてお互いすれ違っているように見えるのだろうか。

 君は考えるがこれ以上は話を聞かないと分からないだろう。


 聞いてみようとした時、シェルは急に立ち上がる。


「お父様? さっき出て行ったばかりなのに、どうしたのでしょうか」


 君には分からなかったがシェルはブラウズが戻ってきたのが分かったようだった。少し足早に部屋を出ると悲鳴があがる。

 

 その悲鳴を聞いて君は、急いで部屋を出た。

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