第7話 選択肢の無い契約
もう少し詳しく話を聞きたいと君は答えた。
声は少し考えているようだった。
沈黙が続くと今度はもっと低音になり君自身に響くような声になる。
「選択肢は無いと言ったはずだが」
選択肢がないはずなのに、君に確認を取ることが気になった。
怒りを含む声を聞きながらも、君は詳しい説明を求めることにした。
復讐とは何なのか。
相手は誰なのかと。
「君は■■■■なのだ。会えば本能で理解できる。自然と
結局、会わないと何をするのかも知ることができない。
君はこの取引に嫌な予感がするものの、拒否すれば自分が死ぬことも理解できている。
選択する必要がある。
君には拒否する権利すらないようにも思えた。
「さあ、どうする。これが最後の問いになる」
苦渋の末、君は……。
復讐することを選択する。
『復讐』を選択をしなければ死ぬことになり、何もしないまま終わるからだ。
ただし、君は最後にこう伝える。
復讐はする。だけど、方法は自分で決めると。
声は不満がありながらも、了承してくれた。
「
そして恨みがましい声が更に響いてくる。
「復讐だけで君に伝わるものと失念していた。不満は残るがその落ち度はこちらにある……そこは飲み込んでおこう」
声は契約を了承した意思を君に伝える。
それは煮えたぎる湯の中に無理やり入れられたような熱さ。
意思は君を無視して衰弱しきった身体に力を与える。
それは細胞のひとつひとつを分解して、再構築を始める。
君は意識がある状態で身体を直接引きちぎられ、熱で炙られる地獄を延々と受けた。
どんなに苦痛があっても意識だけは、はっきりしていて全身を千切られ内臓を引っ掻き回される苦痛が続くまま夜が明けた。
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