第4話ライブ配信シーン4
俺は現在ドラゴンとの対峙中だ。
こんな事がリアルに起こるなんて有り得ないだろ…。
ただ、ゲームにログインしようとしてみただけなのにリアルにこんなおかしな所に転移してきて挙句の果てに今現在一人の女の子を守る為にドラゴン相手に戦いを挑もうとしてるなんてな…。
などと頭に過ぎりはしたがドラゴンに立ち向かってる俺だ。
いや、もう行くしかないっ!!
「うおおおおぉっ!!」
今にもカルマを食おうとしているドラゴンの左頬に向かい飛び蹴りを食らわそうと一撃!!
ドカーーーッ!!っと音だけは良かった…。
幸運にも俺の蹴りはドラゴンの左頬を捉える…が。
ドラゴンはピクリと動きを止める。
俺は着地するとドラゴンはこちらに振り返りこちらを見ていたのだ。
今度こそヤバいかもな…
そう思った瞬間、後ろからカルマの声…。
「クロノ…あ…ありがとう……。」
それは襲われかけて驚きその場にへたりこんだカルマだった。
「いや…それはいいんだけど…この状況どうしたらいい?」
俺はそう問いかけるとカルマは深呼吸をする。
すぅぅぅぅ…はぁぁぁぁぁ〜〜〜っ。
そして俺の目をまっすぐ見つめると口を開く。
「クロノ…君の持つその腕輪は君だけのオリジナルスキルを具現化させてくれる物だよ?」
えっ?この子は一体何の話をしてるんだろう…。
「それって、どういう事なんだ?」
「今はそんな事言ってる場合じゃないわ!その腕輪に真剣に願って!声をかけるの!」
「この腕輪に…?」
「そう!力を貸して!って!」
俺は腕輪を見つめると言われるがまま目を閉じ願ってみる。
(腕輪、か、これに…。)
俺は心から祈る…。
(腕輪よ…俺に…力を貸してくれ!?)
………………………………………。
ん?そんな簡単に上手くはいかねえよな…。
何も起こらない状況に焦る俺。
なぜなら今にもドラゴンが飛びかかりそうだったからだ!!!!
ドガーーーーーーッ!!!!
その瞬間、俺は何とかカルマを抱き上げその場を避ける!!
「キャッ!!」
カルマが発した声に少々驚きはしたが今はそんな事言ってる場合じゃない…。
ドラゴンは体制を変えるとすかさず太い尻尾をふるってくる!
これはヤバい!!
その瞬間…俺はカルマを突き飛ばす!
すると俺の身体に衝撃と激痛が走り俺は吹き飛ばされる!!
凄い勢いで俺の身体は壁に一直線に飛ばされている!!
このままじゃやばい!!!
「うおおおおぉっ!!!!!」
俺は思い切り願いそして叫ぶ!!
「俺が何とかしないとカルマが!!頼む!腕輪よ!俺に力を貸してくれ!!!」
◇
◇
◇
俺は壁に激突したかに感じた。
その瞬間耳には何も聞こえなくなる。
俺…ドラゴンに飛ばされて壁に激突して、死んだのか……?
身体にはふわふわと浮いてる浮遊感を感じる…これってマジ俺の人生終わったのか…?
俺の脳裏にはそんな思考しか浮かばない…すると俺の脳裏に誰かの声が流れ込んでくる。
(お前か?我が力を受け継ぐ者よ……。)
ん?誰かがコメントでもしてるのか?いや…何かが違う…。
すると更に一言聞こえてくる。
(我が力を受け継ぐ者よ…今、私はお前に語りかけているのだ。)
俺の脳裏に流れ込んでくるその声の主は何者なのか…俺には分からないが今はこいつの声をきくしかない状況だ。
俺は心の中で声をかける事を試みる。
(俺に話しかけてるお前は一体何者なんだ?)
俺は心の中でそう声をかけてみる。
すると声の主は俺と会話をするかのようにそいつは声をかけてくる。
(なんだお前?我が声に答えれるのか?こいつは珍しい…)
ん?俺はそいつとの会話に違和感を感じる。
俺はその声の主に声をかけてみる。
(ああ…ハッキリと聞こえるぜ!?お前は一体何者なんだ?)
(ほう…人間の分際で我が声が聞こえるとは珍しいではないか…?)
俺の脳内に声をかけてくるこの声の主は一体誰なんだ?
するとそいつはまた声をかけてくる。
(お前…力が欲しいのか?)
俺はこんな怪しい奴の声掛けにどうしても心が開けない。
考えてしまう…どうする俺…。
(いや…さっきから全部のお前の声…俺にはずっとダダ漏れだったけどな……)
この状況でこんなツッコミされるとは俺も予想外だった。
(あの女…助けたいんだろ?)
そんな時ふとこいつは俺の心を揺さぶる言葉をはいた。
俺は無心で口を閉じる。
(俺とこんな話してる場合じゃないぞ。)
(……………………………あ……。)
(なんだ?ハッキリいえ……。)
(アイツを助けたい!!頼む!!!)
俺が心から叫ぶと…奴はフッと笑うと奴の声は聞こえなくなった。
◇
◇
◇
俺は目覚め気がつくと身体はさっきの続きが始まり壁に激突間近!!!
ヤバイ!!!
その瞬間…俺の脳に電流が走る感覚!!!
ドクンッ!!!
心臓がバクバクと鼓動が更に高鳴る。
これはなんだ…一体…俺の身体に何が起こってるんだ!?
そんな事を考えていると俺を呼ぶ叫び声がする!!
『クロノーーーーーーーーッ!!』
◇
◇
◇
ドラゴンの巨大な口はカルマの手前寸前の所で停止する。
目を閉じ叫んだカルマがゆっくりと目を開いていくと目の前に立ち尽くす一人の男の姿があった。
その姿は背中に羽根を生やし身体から黒い闘気を漂わせた見た目は正に悪魔といった姿だった。
「ク……クロノ…なの………?」
カルマがそう問いかけると無言のその男はドラゴンをジッと見続けている。
男はドラゴンに手のひらを向ける!
見ていたドラゴンがボウっと口に炎を蓄える。
ジリジリと間合いをとる両者。
ドラゴンが首を持ち上げ男に向かい炎を吐き出す!!
ゴーーーーーッという炎は更に力を増し爆炎と化す!!
その瞬間…男は片手をかざすと瞬時に炎が消え去っていく!!
「何…なの!?一体どんな力なの!?」
カルマが叫ぶと男はドラゴンに向かい走り出す!!
そして男は一瞬キラリと輝く!!
カルマの目に映っていたのは……
ドラゴンの消失した洞窟と立ち尽くす一人の男の姿だった……。
◇
◇
◇
お読み下さりありがとうございました。ドラゴンを一瞬で消し去った男。そして助かったカルマ。次回をお楽しみに。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます