35.預言者

 「この星は音を立てて弾け間もなくのうちに滅ぶだろう。星に生きる者の殆どがその衝撃により一瞬で消滅するが、ごく少数は形を保ったまま星の外へと投げ出される。その多くはそこですぐに命を落とすが瞬時に宇宙空間に適応し進化を遂げるものが数人ある。それらのうち一部は朽ちるまで暗黒を彷徨い、残りは異星者に接触。のち食料、燃料などになるものと新たな土地で生きてゆくものがある。その中には自由と尊厳を与えられるものと全てを奪われ支配されるものがある。これがこの星の者の全てである。」僕らは得体の知れない異星人の戯言、と誰一人耳を貸さなかったがこの星の行く末は予言の通りだった。空から赤い目をした獣が現れ預言を始めたらそれは全て真実となるから心して聞くように。そいつは初めから終わりまでこの宇宙の全てを知っている。

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