拝啓 死ねクソ野郎さんへ

 

拝啓 死ねクソ野郎さんへ

女「ねぇ、聞いて聞いて!!」


男「……何?朝っぱらからうるさいなぁ」


女「私が昨日、初めて投稿した小説に感想が来たんだ」


男「へー、すごいじゃん。早く返信してあげなよ」


女「いや、返信したいところなんだけど……」


男「何、渋ってるの?もしかして、感想じゃなくて悪口だったの?」


女「ううん。すごく良い感想だった」


男「だったら、早く返信してあげたら?」


女「でもさ、その人の名前が『死ねクソ野郎』だったんだよね。私としては、"『死ねクソ野郎』さんの感想のおかげで小説を書いて良かったと思えました。素晴らしい感想ありがとうございます。"って送りたいの。けど、『死ねクソ野郎』なんて感想欄に書いたら、誹謗中傷で垢BANされるかも」


男「人の名前なんだし別によくない?」


女「でも、あとで名前を変えられたりしたら、私が誹謗中傷で訴えられるかもしれないし……」


男「じゃあ、あなたって書けばいいじゃん」


女「私、人からあなたって言われるの嫌なんだよね。ほら、なんか怒られてるみたいじゃない?」


男「そうかな?僕は別にそんなこと思わないよ」


女「私、親から怒られる時にいつもあなたって言われてたから、あなたって書くの嫌だなぁ。でも、君って書くのはもっと違うし」


男「だったら、どうすんの?返信しないの?」


女「よしっ。かくなる上は、感想送ってくれた人の名前を違う名前に書き換えるか」


男「なんて名前にするの?」


女「ん〜?『死ねクソ野郎』だから、死ねの対義語は生きろでしょ。でも、ろだと語尾がきついから生きてがいいな。それから、クソ野郎の対義語はなんだろう?天才とかかな?」


男「それで、結局なんて名前にするの?」


女「『生きて天才』さん……かな」

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拝啓 死ねクソ野郎さんへ   @hanashiro_himeka

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