第8話 私(Sさん)の疑問点その2(注:文末の寸劇を除き、筆者の意見とは異なります)

・講師陣がプロのライターでなかった可能性


 他の受講生と話すなかで「講師のタイプミスが大変多く、気になっていた」「修正するときに非常に悩んでいるようで、とても元編集プロダクションにいたようには思えなかった」との感想が複数出ています。私自身も講師は素人なのではないかと疑っていました。


 それはこんなできごとがきっかけです。


 N氏から案出しのやり方の説明をうけたときに「T」というSNSの話題を集めた投稿のまとめがされるサイトを紹介されました。

 しかし、近年Tはまとめの数が非常に少なくなっています。なぜなら、話題になると投稿した人に対して暴言などを投稿されるケースが多発して、それを防ぐために投稿主が話題になった投稿に繋げて宣伝URLを貼るようになったためです。

 こうすると、T側はまとめを試みた場合に対象投稿の下に繋がった宣伝も一緒に掲載する仕組みになります。それは投稿者の利益に繋がるのでTとしては好ましくないのだとか。そこで、Tでは宣伝が繋がった話題のツイートはまとめないようになったのだそうです。

 T以外にもまとめサイト等で投稿を出されたくない人が、「宣伝貼ってまとめサイトに載らないようにする」方法も紹介されています。

 これが功を奏したのか、それとも単にTの運営が力を入れなくなったのかは定かではありませんが、まとめ記事の数はここ数年で大幅に減少しています。

 なにかキーワードを入れて調べてもらえれば2019年くらいのまとめ記事はたくさん出てくるが、それ以降のものは少ないとわかるはずです。しかしN氏はTを私に教え、「使うといい。話題の内容はここにまとめられるから」と言っていました。

 さらに講師Y氏も授業中にTを開いて使っていました。最新のつぶやきが集まるSNSやまとめサイトを見ている人からすれば、古い情報しか載っていないサイトを受講生に教えることはおかしなことです。もし、どこかで活躍されているライターさんに話を伺うことができるのなら、Tを情報収集のサイトとして使用している人をプロの編集者と言えるかどうか、どう思うか聞いてみてほしいです。


・営業担当I氏の言葉のつじつまが合わない点


 DMで相談に乗ってくれてた人が国税庁HPにて登記情報を確認したところ、株式会社諸花の法人番号指定は令和4年3月28日。スクールを卒業するために最短3カ月必要であったことを考慮すると、早くても6月末に卒業、7月から卒業生として案件に取り掛かった可能性はあります。


 しかし、給料は月末締めで翌月末(25日)支払いであったため、5月22日に私がスクールの勧誘を受けた際にI氏が言った「すでに月30本の記事を書いて、満額のお給料をもらっている方がたくさんいますよ」という説明は成り立ちません。


 受講中にも後半の第6回から第12回は報酬が発生する仕組みにはなっていますが、5月に受講中に給料の発生する課題をこなしていても、支払いは6月末が最短です。

 そして30本分のお給料は早くとも7月末でないと入金されません。

 営業が言っていた言葉は「架空の受講生がいる」もしくは「受講していないにも関わらず契約を結び実績として話すために案件を渡していることにした」のでなければ成立しません。


 こういった矛盾も、I氏が勧誘の時に言っていたことと実際の受講や契約の時に食い違いが生じて講師N氏に問いただした際、N氏の説明では営業を委託していた取引先に不備があり、契約を解除したことやI氏とスクールがもはや無関係であることを説明され、いったんは納得していました。


 しかし、10月2日に駄目で元々とI氏に電話した時、以下のようなやりとりがあったため、またむくむくと疑念が沸き上がってきたのです。


「C社のIさんでまちがいないですか?」


「 間違いありません、本名です」


「このような状況になっておりますがC社もお問合せフォームのみのクローズド環境での問い合わせしかできないのはいかがなものですか」


「私が個人的にここで話して他の受講生との間に回答が異なるといけないのでC社からの発表を待ってください」


 他にも「自分の名前をSNSで公表するのはやめてください」とくりかえしており、自分の個人的な保身ばかりを考えている印象でした。そして私を勧誘していた時はまるでM社の職員であるかのようにふるまっていたのに、あっさりC社の人間であることを認めたのでした。


 なぜとっくに営業の業務委託契約を切られて無関係のはずのC社が事情説明の窓口をもうけるのでしょうか? 10月1日にC社がホームページで公開した謝罪文ともども、疑問と不信感でいっぱいです。

 

※ ※ ※


ヴォーレ「今回も文体が違うのはSさんの個人的な意見や感情を述べるため、できるだけ原文そのままで掲載しているからです」


コニー 「断定文とですます調の混在や文のねじれ、句読点の抜け、矛盾点以外はできるだけ手を加えていないはずだ。ただし固有名詞はイニシャルに変えたり一般名詞に置き換えたりしている」


ヴォーレ「したがって、客観的事実と文末の寸劇以外は作者の意見ではなく、あくまでSさんの個人的な意見や感想なのでご了承ください」


コニー 「それで、今回の話なんだが……」


ヴォーレ「確かにSNSのまとめサイトをファクトチェックに使うのであれば論外だと思うよ」


コニー 「ネタを思いつくための情報収集なら自分に合ったところを選べば良いだろうな。SNSには即時性はあるが、エコーチャンバー効果が強くてファクトチェックに手間がかかるだろう。もっとも、まとめサイトを参考にネタ集めしているライターがどの程度いるかは疑問だが」


ヴォーレ「ライターに外注される記事は、必ずしも即時性を求められるものばかりではないもの。むしろいい加減な噂話程度のものを記事にされて、後から間違いがわかったのでは困るよね」


コニー 「ファクトチェックには必ず公的なデータや学術的な資料をあたるよう心がけたいな」


ヴォーレ「そして最後の営業さんへの疑問だけど……」


コニー 「前回も触れたが、スクールの勧誘目的であることを告げずに普通の求人広告を装って誘引したのだから不適切な営業だったことは間違いないな」


ヴォーレ「クラウドソーシングサイトの利用規約違反ということで当時も炎上したし、10月1日の謝罪文にも書かれていたけど、それ以前に法令に反してるんだよね」


コニー 「元受講生が渡された案件の大多数が重複していたそうだし、任された案件も架空の取引だったという可能性は否定できないな」


ヴォーレ「実際に講師として活躍していた元受講生がいたのかも怪しいと思うけれども、勧誘を受けた時に会社の設立日などを調べておけば矛盾に気づいたかもしれないね」


コニー 「やはり契約前に慌てず相手の基本情報を調べる、おかしいと思ったら今まで払ったお金が惜しいと思ってもすぐ解約することが大切だな」


ヴォーレ「戦争でもビジネスでも、撤退のタイミングを決めるのが一番大切で、しかも難しいからね」


コニー 「お前が言うと重みが違うな。解約するときには必ず消費生活センターや法テラス、フリーランス110番などの公的窓口で相談するのを忘れないようにするんだぞ」


ヴォーレ「うん。ちなみにSさんは警察に相談しているところなので、これ以上詳しいお話はできないそうだよ」


コニー 「現状、詐欺で立件するのは難しいので被害届の提出は躊躇しているようだが、わかる範囲で証拠の提供だけはしていくそうだ」


ヴォーレ「少しでも良い結果になりますように。僕もお仕事頑張らなきゃ」

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実録! 突如廃業したランニングライティングスクール(仮)の受講体験記 歌川ピロシキ @PiroshikiUtagawa

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