第12話

以来、何となく「雑木林」が厭になった。



友達に誘われても、私が


「『雑木林』なら行かない…」


と渋るので、結局友達も行かなくなったように思う。



それから程なく、「雑木林」の入り口は、柵が築かれて塞がれた。


どうやら彼等の、エアガンを使っての「お祭り」は、私達以外にも、かなり大勢に目撃されていたらしい。


(考えて見れば、折角の「お祭り」を、物音を一切立てずに、ただ黙々と遂行するだけの訳がない)


ちょうどその頃、最寄りの駅前に図書館が新設されて、私は友達と今度はそちらに通うようになったので、


去る者日々に疎しではないけれど、「雑木林」とは自然に縁が遠くなってしまった。


考えてみると、あの一件は、些か以上に胸糞の悪い思い出ながら、ある意味、 私の幼年期浪漫の終焉だったのかも知れない。


(絶対に感謝なんかしないし、それに私が感謝すべき筋合いのものでもないけれど)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る