第7話
ある秋の日のこと。
私が、その頃良く一緒に遊んでいた友達二人と一緒に、いつものように「雑木林」に遊びに行くと、
「雑木林」の入り口には、何台もの自転車が乗り捨てられており、
「雑木林」のほぼ中央、ごく緩い傾斜地に、丸く広場のようになった所では、
近所では一度も見たことのない「大きいお兄さん」達が、
てんでになにやら長方形に近い形の黒い塊を抱えて、地面に車座に座り込んでおり、
乗り捨てられた、何台もの自転車に不審を抱きながらも、
それまで彼等に気が付かずに「雑木林」の中に入って行った私達を、一様に揃ってじろじろと見た。
彼らの無遠慮な視線や態度には腹も立ったけれど、
彼らの持っていた「長方形に近い形の黒い塊」が、
実は担いで持ち歩くような仕様の銃だと気がついて、私達は一目散に逃げ出した。
「…何あれ…」
「…知らない。気持ち悪い…」
「…誰か、大人の人に言った方が…」
「…でも、…顔覚えられてて、仕返しされたら…?」
「……そっか…。でも、…私達の遊び場所なのに…」
いつの間にか「自分達の領土」を勝手に侵犯・占拠されたような気分になって、
収まらないのは非常に収まらなかったけれど、
こちらは、明らかに「無勢」で、
「素手」で、
おまけに、…認めるのは癪だけれど、「お子様」である。
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