エズラ・ネイスンとのメールでのやり取り

 私はエズラ・ネイスンにメールで連絡を取った。

〈そちらの伝手で、ハルコ・ミヤカワのディスコグラフィや過去の活動について総覧できるような資料を持つ人間はいるか?

 返答はこうだった。

〈We-Pediaページにある情報だけが頼りだ。しかし一次ソースとして扱うには問題がある。正確なものとは言い難いだろう

 予想した通りだった。私は答える。

〈私の方で伝手がある。しかし辺境に住んでいる。相手が東京に来るための旅費について、協力をお願いできないか』

 端的に言えば金を出せ、という話である。ネイスンは言う。

〈君の方で出すわけには行かないのか』

〈今まではそうしてきた。しかし、あなたの依頼で私が会談した相手も多い。日本語には義理という文言がある。知らないか』

 ネイスンのメールは翌日に来る。

〈よく分かった。義理だ。協力しよう』

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