第6話 Eパート~地球の意地~
「ちょぉっと待ったぁぁぁッ!!!」
ダダダダダダダダダダダダダアァッ!!!
ヂュッ……ズドォオオオオオンッ!!!
「っ!?」
「ッ!? 支援射撃だと!? 一体どこから……ッ!」
そしてローラは気づいた。
さきほどの支援掃射は……海に浮かぶ、戦艦から飛んできたのだと。
「っ、副司令ッ!」
「へっ、待たせたなッ! この戦艦の機銃がご機嫌斜めでよぉ……けど、もう大丈夫だッ! 支援、いつだって行けるぜぇッ!」
その声と共に、戦艦の砲塔の先がローラに向けられる。
「対ラスタ・レルラ用500mm砲弾……てぇッ!!!」
ドンドンドンッ! ドンドォンッ!!!
「く……っ!? ちっ!」
突如降り注ぐ砲弾の雨に、仕方なくローラは回避行動に出る。
だがその重厚な『鋼衣』の影響だろうか、その動きは思ったより鈍い。避けきれなかった砲弾が、次々とローラへと命中していくッ!
ドンドォンッ!
「第3弾、第4弾、着弾確認」
「よぉし、このまま攻撃続行だッ!」
「了解、砲撃、このまま続行。砲弾による弾幕、形成開始」
そうデバイスに命令する艦船AI。その指示に従い、戦艦たちはどんどん砲撃の雨を降らしていったッ!
ドンドンドォンッ! ドォオンッ!
「く……ちょこざいな……ッ!」
「任せろローラッ! こんな奴ら、海面から狙えば意味がないッ!」
そう言って今度はメイスが大剣で艦隊を薙ぎ払おうとする。
「ふんッ!」
しかし、それをテラレグルスが受け止めるッ!
「あなたの相手は私ですッ! 一対一なら負けませんッ!」
「くっ……貴様ぁ……ッ!」
激昂するメイス。だがその時、副司令から通信が入る。
「勇ッ、これを使えッ! こんなことがあろうかと司令が用意しといたぜッ!」
その言葉と同時に、右端の戦艦から、刀身のない柄だけの物が射出用意される。
「フォトン・レイピアッ、射出……ゴーッ!」
そう副司令が叫んだ瞬間、僕らの新しい武器が宙に向かって射出されたッ!
「はぁッ!」
それをテラレグルスは掴み取る。瞬間、銀色の柄から煌めきを放つ、光輝く刀身が現れるッ!。
その新たな武器を、僕らは天高く掲げる。
「フォトン・レイピア、装備完了ッ!」
そして刀身の輝きが煌めいた瞬間……僕らはメイスへ向かって突進を始めたッ!
「ちっ……はぁあああッ!」
メイスはそれを大上段からの斬り下げで迎え撃つ。大重量の一撃必殺で力押ししようと思ったメイスだが……なんとその攻撃をフォトン・レイピアは受け止めてしまったッ!
「なッ……!?」
柄から一点集中して溢れるエネルギーの刀身により、メイスの攻撃すらも受け止めたフォトン・レイピア。そしてテラレグルスはそのエネルギーの奔流を利用して、メイスの顔へ刺突の一撃を放ったッ!
「く……ッ!」
間一髪避けられたものの、その一撃に鋭さに瞠目するメイス。そして僕らはその隙を見逃すまいと、さらなる刺突の連撃を繰り出していったッ!
シュシュシュシュシュシュゥッ、シュウゥッ!!!
レイピア特有の軽い刀身を活かした、縦横無尽な刺突の嵐に、メイスは動惑の声を上げる。
「くッ、なんだこの剣は……ッ! どうして、我が『鋼衣』に打ち克てる……ッ! どうしてこの辺境の星で作られた剣なんかが……ッ!」
「……へっ、そんなお前さんに一言言ってやるよ」
そして、副司令は言い放つ。
「……地球ッ! 舐めんじゃねええええええぇぇぇッ!!!」
そう副司令のシャウトが響くと同時に、僕らはついに、メイスの手から大剣を跳ね飛ばすッ!
ガキィイインッ!
「なっ……!」
メイスが後ろへ跳ね飛んでいく愛剣を見送っている間に……僕らは渾身の一撃を繰り出すため、構えを取るッ!
「はぁあああああ……ッ!」
「くっ、くそぉ……申し訳ありません、グアテガル様ぁあああああッ!!!」
そしてその慟哭の後……僕らは、光るレイピアを疾らせるッ!
「銀・鉄・流・閃……レグルス・フラァアアアァァッシュッ!!!」
シュパァアアアアアンッ!!!
僕らが放った渾身の刺突は、メイスのコアを貫いた。
それと同時に、彼女の身体は塵となって消えていった……。
「く……っ! メイスめ、やはり口だけの奴だッ、ぐわぁッ!」
一方、ローラは相変わらず砲弾の嵐に襲われていた。
なんとかミサイルで応戦しようとするものの、機銃の的確なアシストにより上手く攻め込むことが出来ない。数分前から一転して、今度は彼女が追いこまれていた。
「ちっ、こうなれば奥の手だ……『鋼衣』、モードチェンジッ!」
すると、その言葉と同時にローラの『鋼衣』が変形、スカート部分が外れ、巨大なレーザー砲塔へとなるッ!
「な……ッ、なんだあの馬鹿デケェのはッ!?」
「ふん、私を舐めるんじゃないッ! 『鋼衣』の改造など、マシルナ星大教授の私にとっては造作もないことッ! さぁ、このまま塵となくなれ……」
だが、ローラは気づいてなかった。
僕らが既に……彼女の真上にいたことを。
「……悪いけど、二対一だからね。赦して」
「な……ッ!」
既に発射体勢に移り、銃身と腕が一体化してしまったローラに避ける術はない。
そんな彼女へ向かって……僕らは、脚を突き出した。
「はぁあああぁぁぁぁぁッ!!!」
ボォオオッ!!!
ブースターを点火し一気に加速、翼を広げた僕らは、空から大地を貫く稲妻のように右足を突き出し、その脚先をローラへ向けるッ!
「ま、待て、待つんだ、待ってくれ、こ、このままじゃ避けられな……」
「銀・閃・稲・妻……レグルス・サンダアアアアアァァァッ!!!」
ドガァアアアアアアアアンッ!!!
「がぁ、がは……っ」
……そして右脚でコアを貫かれたローラは、そのまま全身を塵に変え……光の中に、消えていった。
「……はぁ」
瞬間、副司令が尻もちをつく。
「……勝ったんだな、お前ら」
「はい、ありがとうございます副司令……おかげで、勝てました」
「いいんだよ礼なんて……むしろ、やっと大人らしいところを見せられたな。どうだ、俺らも中々だっただろ?」
その言葉に、僕らは小さく笑う。
「……はい。とてもかっこよかったです」
そして僕らは砂浜に降り立ち、テラレグルスの装備を解除しようとする。
……その時だった。
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