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 あの日から、もう三か月が経過していた。月並みだけれども、時の流れるのは早い。堂島ゆうによって、久弥は救われた。それも、ただ救われただけではなかった。あの日、久弥は、堂島ゆうによって、に呼び出された。里佳子とともに、彼女の自殺の瞬間を、共有するため。彼女は、久弥を恨んではいなかった。それどころか、自分が死ぬ瞬間でさえ、久弥の幸せを願っていたのだ。それを知って、久弥は慟哭した。自分の薄情さと狭量な人間性が、嫌になるほど浮き彫りになり、里佳子への悔恨の念で心が切り裂かれそうになった。里佳子の過去も知って。


 ならば、あなたの願いは?


 堂島ゆうが、くず折れた久弥に問いかけてくる。


 もし、償うことができるのであれば――。



 白い手の怪現象は、いまでは完全に消滅していた。御幸に、事の次第一切をすべて話した。もし、それで彼女が別れを切り出してくるのならば、それを受け入れるつもりだった。そして、当然、そうなるものばかりと思っていた。だが、意外なことに、彼女は、久弥を抱きしめてくれた。そして、こう言ったのだ。彼女は、まだ、あなたのそばにいるの?、と。

 分からなかった。堂島ゆうは、一体、何をしたのか?

 しかし、それがたとえ、分からなくても、久弥は何をすべきかを教えてもらったのだ。そして、いまこうして美幸とともに、里佳子の無縁仏で二人して手を合わせている。毎月こうやって。これからも、忘れずに。

 

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