ラノベ作家をやっていたら、なぜか美少女神絵師と暮らすことになった。〜今、俺の部屋で神絵を描いているんだが?〜

月島日向

1章:人気作家と美少女イラストレーター

プロローグ

1話 西野奏汰は虹乃彼方である。

俺は、西野にしの奏汰かなた。高校2年生。


中学3年でラノベ作家としてデビューした。もうすぐ作家歴は2年目になる。

正確に言えば、中2の冬に、ネット小説が書けるサイトであった『第二回新人発掘コンテスト、ラブコメ部門』で大賞を取ったから、デビューが決まったのはそれより前だったりするが、まぁ、細かいことはいいか。

ペンネームは本名をいじった『虹乃にじの彼方かなた』。今はそれなりに気に入ってたりする。

まぁまぁ有名な小説家だ。



「かなたー!おっはよーぅ!!」

朝、教室に入るなり、クラスメイトであり幼馴染みの岡野おかの雄大ゆうだいが前の席から振り向いて声を掛けてきた。


「朝から声がデカい。うるさい。」

俺がキレ気味に言うと、唐突な返事が返ってきた。

「かなたー!!!今日、学校終わってから、一緒にどっか遊びに行かね?」

「は?」

いきなりなんだ。


「今日、午後から高校入試の説明会とかで、俺ら在校生、午後休みじゃん?授業午前中だけじゃん?もちろん部活も休み!!!だからさっ!放課後、ゲーセンとか、カラオケとか、行かね?先週で期末テストも無事終わった事だしさっ!!パーッと盛り上がろうぜ?」

どうやら、期末テストで赤点を回避することができ、夏休み監禁地獄から抜け出せてテンションが高いみたいだ。



「なんなら他も誘って焼肉もありっ!もちろん、食べ放題で!肉、食い尽くそうぜ!?」

「最近、奏汰、忙しいって言って、中々遊べてないだろー!!な?、、遊ぼーよ、、、」

いつものように、馴れ馴れしく、かつ、騒がしく俺の肩に腕を回してくる。

「行かない。と言うか、行けない…。」

俺は雄大の腕を振りほどきながら言った。


「え?なんで?」


俺が絶対に頷いてくれると思っていたのか、雄大はあてが外れたと言う顔をした。

俺、そんなに暇そうに見えているのか?

「なんか用事?」

こっちのほう?

俺が小説家であると知っている雄大がジェスチャーで指をカタカタと動かし、タイピングで『執筆』を表現してくる。

「いや。今日は違う。」

俺は首を振る。

「ふーん」

雄大は当てが外れたという顔をして、ニヤリと笑って言った。

「じゃ、面白い系?」

は?

「面白い系ってなんだよ。」

何を期待してのことなのかさっぱり分からない。

「あー、そんな楽しそうな顔はしてないか。面白い系も違う、か。」

だから面白い系って....。

「てか、これ、聞いていいやつ?」

雄大は、俺の家庭事情も知っているから、踏み込んでいい内容なのか? と、様子を伺ってくる。今更だな。気を遣う仲でもないだろ。


「別に家族が絡んだ話じゃない。」

「ふへー?」

雄大は、納得がいかないような顔をした。

「仕事でも、家絡みでもない、奏汰の用事って何?」

食い入るように見つめ、それから首を傾げた。

焦らすのもこの辺までか。これ以上は本当に隠したいものまでバレかねない。雄大、変なときに勘が鋭いからな。

俺は機は熟したと渋々に口を割った。

「この間、猫を拾ったから、その世話をしに帰るんだ。」

放置しておくのも心配だろう?

本当は、拾った...というか、色々あって、家にいるのは、雨の日に泣きながら訪ねてきた人間なのだが、それを言うと面倒な事になりそうだと、俺は息をするように嘘を付いた。


すると、見事に俺の嘘を信じた雄大が、素っ頓狂な声を出した。



「猫を拾った!?????」



そして、予想以上にその話に食い込んだ。




■■■■■

長らくお待たせしています。お久しぶりです。

月島です。今作はしっかり10万字以上持ってきました!!1月末までガンガン更新していく予定です!!高評価、コメントは原動力です。

★は、特に喜びます!気軽にコメントもお願いします!!

それでは、これからどうぞよろしくお願いします!!

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