第027話 初報酬
來羽が転入してきて数日経った頃。
「ん?」
もう寝ようと思っていたが、突然スマホのブルブルと震えた。スマホを見るとすみれさんからメッセージが届いていたので、トークアプリを開いてみる。
「~~!?」
俺はあまりの衝撃にスマホを取り落としそうになった。
なぜならそこには巫女服を大胆にはだけさせ、エッチなポーズの自撮りの写真が張り付けてあったからだ。
はだけた衣服から覗く男の夢のいっぱい詰まった二つの果実が溢れんばかりに主張していて思わず目を吸い寄せられる。
とても柔らかそうだ。
刺激の強さにビンビンになってきてしまった。
そのせいで寝るのが遅くなったのは言うまでもない。
「何々?」
悟りを開いた状態になった俺は写真の下に書いてあった文章を読む。
要約すると、そこには依頼の分の報酬を振り込んでおいたから確認してほしい。
そういうことが書いてあった。
最後の方に写真は役に立ったかと書いてあったので、大変役に立ちましたと心の中で返事をしておいた。
すみれさん、ありがとうございました。
俺は次の日の帰り。
早速その報酬を確認するために銀行に立ち寄った。
勿論來羽もついてきている。
ただ、彼女は銀行に用はないのでATMに並んでいるのは俺だけだ。
まさかここまでついてくるとは思わなかったが、監視なのだから仕方ないだろう。
「〜〜!?」
俺は口座を確認した途端、大声が出そうになるのを堪えて慌てて口を手で塞ぐ。挙動不審気味に周りを見渡すが、誰も俺に気にしている人はいなかったので安堵した。
俺が驚くの無理はないと思う。
学校帰りにいくらバイトしたとしても、未成年が働ける時間は決まっているので、あまり大きな金額を稼ぐことはできない。色々頑張っても10万に届くことはなかった。
しかし、そこに記載されている金額はおおよそ俺の半年分くらいの数字だった。しかもこれはあくまで依頼に対しての報酬。
普段の街のパトロールなどの日常業務に対する基本給はまた別途支給される。それも学校終わりから数時間程度にも関わらず、平均的なサラリーマンの月収に届いていた。
確かに契約通りだったが、改めて現実に入ってきたのを見ると驚愕せざるを得なかった。
「残高がこんな金額になったのは初めてだ……」
バイト代は生活費に消えてしまうので残高はいつもほとんどない。それなのに今は数十万という金額が表示されていた。
「これなら蛍をどこかに連れていくのもいいかもしれないな」
今までは余裕がなくて生活以外のことにお金を割くことができなかったが、月の報酬とは別にこれだけのボーナスが支給されるのであれば、ある程度使ったとしても問題ないはずだ。
それに、蛍はまだ小さいにも関わらずに素直でお金がないことを理解していてわがままもあまり言わないし、家のことを沢山やってくれているし、色々我慢させてしまっている。
だから、たまにはどこかに連れて行ってやりたいし、可能なら妹がやってくれている家事もできるだけ楽になるようにしてやりたい。
「家に帰ったらどこに行きたいか聞いてみよう」
俺はいくらかの金額を下ろした後で、自分でも色々と思案しながら來羽の許に戻る。
「終わった?」
「ああ。帰ろうか」
「うん」
來羽の質問に頷いて俺たちは銀行を後にした。
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