1-8

学校生活にもなれ、4月25日の帰りのホームルームが終わり俺は掃除をしていた。

掃除が終わると、安城さんが教室の外から入ってくる。

教室から人が居なくなり、俺と安城さんになる。

窓を閉めていると、教室の扉が開いた。


「あ、あの・・・・・・ちょっといいですか?」


振り向くと、クラスメイトの木村きむら櫻子さくらこさん。


「どうしたの?」

「折り入ってご相談が・・・・・・」

「俺より先生の方が・・・・・・」

「先生に相談したんだけど、まるで相手にされなくて」

「ちなみにどういう相談?」

「美希・・・・・・内条ないじょうさんが相談してきて、

 このクラスのほぼ全員から影でいじめられてるらしいの」

「それはたちが悪いですね」

「島田くん、安城さん、お願いできますか?」

「俺は別にいいけど」

「私も問題ないです」


そんなわけで木村さん経由で内条さんに連絡を取ってもらい、

学校の図書館に来てもらう。

内条さんが来るまで安城さんは学校の図書館を見る。


「狭いですね・・・・・・。もう少し食堂くらい大きくしてもいいのでは?」


安城さんは思った通り学校に文句をオブラートに包んで呟く。

安城さんの場合、文句に聞こえない。

逆に意見に聞こえてしまう。

実際意見みたいなところはあるけど・・・・・・。


「おまたせしてすいません」


内条さんが到着する。

安城さんと俺が並んで座り、その対面に木村さんと内条さんが座る。

最初は雑談から入る。


「そろそろ本題に入りましょう。内条さん、どういじめられているのですか?」

「そうですね・・・・・・まず学校では禁止なんですがクラスに

 WPGT【ワールド・プライベート・グループ・チャット】というものが存在して

 そこでいじめられているんです」

「なるほど。SNS上でのいじめは辛いよね」

「あと、学校ではよく教科書の中に画鋲は当たり前、

 この前は定期券がなくなって帰ったらポストに入っていたんです」

「悪質ですね」

「というわけで美希の悩みを解決したいんだけど、

 いじめに無関係なあなた達にお願いできますか?」

「俺は別にいいけど・・・・・・」

「私も問題ないです」


最後の部分はさっきもやったぞおい。


「私もその捜査、一緒にやってもいい?楽しそうだし」

「水無瀬!?いつから居た?」

「一部始終見ていた」

「そうですね。水無瀬さんに頼めば話が早いですからね」

「お願いします」


水無瀬・俺・安城さん・内条さん・木村さんで捜査することになった。

教室の前に行くと、俺は持っていた鍵で教室を開ける。

教室の中は特に何もなかった。

廊下に出ると、内条さんのロッカーを見せてもらう。

暗証番号は4253。

単純ではないな。


「監視カメラ。明日先生に頼んで見てみよう」

「明日なにかされていたらという仮定上の話ですけどね」


今日は解散ということになり、一様内条さんと下校することに。

内条さんは新狩場に家があるようだ。

狩場市街で乗り換えをしていたときのことだった。

外国人と思われる人が話しかけてきた。


「あ・・・・・・え・・・・・・えっと」


内条さんを絶対にピンポイントに狙ってきた。

内条さんが戸惑っている。

だが、俺も英語はわからない。

そこで、安城さんが冷静(?)に対応していた。


「あの人絶対に内条さんを狙ってきましたよ。

 案内に行けることを知っていて話しかけてきてましたし」

「安城さん、英語本当に凄いね」

「そこですか・・・・・・」

「そこだよ」

「毎日声をかけられるんですよ。なんかよくわからない外人さんに」


うん。それもういじめの一環だよ。

内条さんを家まで送り、一様木村さんを水無瀬が同じ方向のため送る。

俺と安城さんは梅川中央に着くと、改札をくぐり、俺の家に向かう。

安城さんが”私の家を見せたんですから、是非島田くんの家を見せていただきたい”

なんて言われてしまったので断るに断れなかったんだ。

無力とはこういうことなのか。

一様、陽菜に連絡はして、行くことにしといた。


「駅直結なんですね。便利ですね」

「そのかわり騒げないよ。うるさくできないと言ったほうがいいかな?」

「分かってますよ」


37階に到着すると、家の前に来る。

ドアノブに手をかけた瞬間、自動でドアが開く。


「あ、おかえり。お兄ちゃん」

「ビックリした。自動でドアが開くなんて」

「今2人共出張中だよ」

「あ・・・・・・そうなんだ」

「安城さん、遊びに来てくれてありがとう」

「私も陽菜ちゃんに会いたかったよ〜」


俺にはどうも女心いや、乙女心っていうのかな。

それがわからない。


「出張はいつ帰るって?」

「2人共北海道に用事があるって言って後3日位は居ないらしいよ」


だったら予め伝えろよおい。

普通だったら伝えるだろ。

それとも普通じゃないといいたいのか!?


「でしたら今日私を泊めてくれません?」

「え・・・・・・それは流石に・・・・・・」

「いいよー」

「おい陽菜!?」

「ありがとうございます」

「安城さん!?」


あぁ、だめだこりゃ。

安城さんは丁寧に家に上がると、洗面所に入る。

俺はリビングに行くと、陽菜が安城さんに紅茶を出す。


「私がここに来たのはちょっと計画を立てたくて来ました」

「なんの計画?」

「内条さんのことと、ゴールデンウィークの事できました」

「内条さんのことはとりあえず陽菜が寝てからにするか。

 ゴールデンウィークは特に予定はないんだよな」

「陽菜は旅行したいな」


確かに安城さんの家は旅行なんて即決定できそう。

水無瀬もおそらくくるでしょ。


「旅行でいいんじゃない?安城さん、どこに行くの?」

「長崎ですかね」

「いいね。長崎」

「陽菜も行くー」


計画を済ませつつ、水無瀬に連絡を入れる。

すぐにokが帰ってくる。


「皆さんがokしてくれる前提で飛行機は取ったのでご安心下さい」


安城さんはチケットを出す。

安城さん、用意もいいな。

これで特に心配はない。

たまにあるんだよね。

ゴールデンウィークに旅行の旅館とか取って置いて、

最後に飛行機を取ろうと思ったら満席で取れないやつ。

その後、夕食を俺と陽菜で作る。

安城さんが配膳をする。

ちょうど6時に食事を始める。

そして、食べ終わると、風呂を女子二人に譲る。


「お先に失礼します」


そう言うと風呂場の方に安城さんと陽菜が歩いていった。

俺はその間に、食事の後片付けをする。

そしてベッドで横になる。

20分くらい経過した。


「お兄ちゃん、お風呂どうぞ」

「おう」


俺が部屋を出ると、陽菜が居た。

安城さんは私服で椅子に座っていた。

安城さんの私服始めてみたかも。

俺はシャワーを浴びると、リビングに行く。


「陽菜、寝ていい?」

「いいよ」

「おやすみなさ〜い」

「おやすみなさい」


陽菜は自分の部屋に入っていった。


「今日は島田くんの部屋で寝ていいですか?」

「いいけど・・・・・・」

「流石に同じベッドというわけにいきませんから、私は布団を敷いて寝ます。」

「それでいいの?」

「いいです」


安城さんが言い切ると、内条さんについて話す。


「明日、なにかされていても防犯カメラに写っていないと思うんですよ」

「なんで?」

「おそらく賄賂わいろを教師に渡してそこの部分を削除しているのではないかなと」

「確かに」


一里ある。

安城さん、意外と探偵向いているよ。

その後も内条さんについて話すと、安城さんは布団を敷いて寝た。

俺は自分のベッドで寝る。

なんか緊張したが、すぐに寝付けた。




≪To The Next Story...≫

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