【24】素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵な晩餐会
誰が置いて行ったのかわからないが、目の前に美味しそうなお肉が置かれていた。
それはテーブルからはみ出て、一人が食べつくすには量が大きすぎる。
一緒に食べようとバニーさんを呼ぶが、何処にも見当たらず返事すら帰ってこない。
少し待とうとも思ったが、目の前に置かれていたモノは程よく脂がのっており、食欲を異様なまで掻き立てさせる好きな匂いを放っている。
我慢できなくなり、申し訳ないが先に食べることにした。バニーさんの分はちゃんと残しておこう。
フォークは左、ナイフは右。そして添えるよう。
数時間前に食したペガサスハンバーグよりも、歯ごたえがありそうで未知の気質が誘い続ける魅惑の“何かの肉”。
自分でもよくわからないが、肺が爽快な気分になるほど透き通っていて首から下が無いように感じるほど軽い。
その証拠に、目の前で教えてもらったやり方でお肉を切って、口へと運んできてくれた。
まるで他人の体躯みたいだ。
こんな感覚になるのも、この肉を嗅いだからなのかはわからない。
舌の上で肉は踊り、喉を伝る。
噛まない、否、噛めない。
そんなことをしてしまったら、唾と血が織り交ざって台無しになる。
血は血で、唾は唾で味わうのが正解。
舌で血と肉の
素敵だ、素敵だ、飲み込めることの喜び。
体の内に落ちた。
素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素素素敵素敵素敵素敵素敵ふっー素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵素敵。
すると──。
ん? んんっ、摩訶不思議なことが起き始めた。
テーブルのお肉がこちらの方へとやって来て、自分から食べられに来たのだ。
少々驚いたが、ココではこれくらい普通か。
バニーさんぐらいのそのお肉は、突然自らの
まるで喰えと言うように。
無論、その誘いに乗り、即座に嚙みつこうとした瞬間。
「…………ぁ……」
撫で、られた。
舌で舌を撫でられた、母親のように、姉のように。
少しだけ舌が唇のような部位に触れた、それが何かに似ていて──
……⁉ ⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉
何が、入った?
何が、舌に触れた?
何────が、があああああああああああああああああああああああ。
全身にけたたましいノイズ音が走り出す。
やめて、これを食べていたいのに、やめてやめてやめて、やめてえ。
そういえばバニーさんは、どこにいるのだろう。
誰かに毒を仕込まれたのかもしれない、一刻も早くバニーさんだけでも外へ逃がさなきゃ。
バニーさ~ん、バニ、バニ、バニーさ~ん、バニーさ~ん…………。
なんだ、ずっとテーブルの上にいたじゃないか。
? なんで ……
バニーさん、お腹、赤い、全身赤い、何か刺さってる。
僕、体、離れてる。あれ、顎どこで落としたっけ?
ん、んんんんんんんんん?
黒い店員さん…………? 何をやってるんですか?
僕の好きな人に、何をやったんですかあ?
僕に、何をさせたんですか。
薄らながらも把握してきた状況に驚嘆した。
意識が回復に至ると共に、怒りが込み上げてくる。
やってくれた、僕を殺せばいいだけなのに。
いらないことを、僕がやりたくないことをさせた。
それが店の方針だとしても。
やることは、決まっている。
まだピクリとも動かぬ体で、僕は懺悔した。
もう会えなくなるかもしれないから、育ててくれた人たちへ。
殺しがダメなことなのは承知しております。
……この後の僕を軽蔑してもらって構いません。罵られて当然なことをやるからです。
あの人はまだ息がある、だから救おうと思います。
結局、死を恐れてしまいましたが、バニーさんの為に死ぬことだけは何故か怖くないんです。
この手が汚れ、地獄に落ちようともあの人が助かるのであれば、僕は構いません。
──そして、安珍・清姫伝説様。
未熟で無礼ながら貴方様の
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