第2話 二の女
ある所に、二の女がいた。
その女の人生は、どうしようもなく、
不運であった。
外に出れば雨が降り、ヒールで街を歩けば、
それは折れて、財布を取り出そうとすれば
ポケットに穴が空いている。
そんな類の不運が1日に一回は起きるようになっていた。
けれど、それ以上に悪運が強かった。
雨が降ったと思えば、
傘をくれる人が現れ、
ヒールが折れたと思えば、
靴をくれる人が現れ、
財布を落としたと思えば、
財布を拾った人が現れる。
そんなわけで、二の女は、
不運によく遭っていたが、
光に溢れた人生だった。
けれど、そんな彼女にも、影ができた。
病を患ってしまったのだ。
けれど、彼女は、
今まで通り何とかなるそう思っていた。
確かに、
彼女は、何とかなった。
なぜか、大金が病院に運ばれて、
その結果、手術を受けることができた。
けれど、彼女は、
悪運なんて自分には存在しないことを
その時まで、知らなかった。
いや、正確に言えばメモの内容を聞くまでだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます