第2話 二の女

ある所に、二の女がいた。

その女の人生は、どうしようもなく、

不運であった。

外に出れば雨が降り、ヒールで街を歩けば、

それは折れて、財布を取り出そうとすれば

ポケットに穴が空いている。

そんな類の不運が1日に一回は起きるようになっていた。

けれど、それ以上に悪運が強かった。

雨が降ったと思えば、

傘をくれる人が現れ、

ヒールが折れたと思えば、

靴をくれる人が現れ、

財布を落としたと思えば、

財布を拾った人が現れる。

そんなわけで、二の女は、

不運によく遭っていたが、

光に溢れた人生だった。

けれど、そんな彼女にも、影ができた。

病を患ってしまったのだ。

けれど、彼女は、

今まで通り何とかなるそう思っていた。

確かに、

彼女は、何とかなった。

なぜか、大金が病院に運ばれて、

その結果、手術を受けることができた。

けれど、彼女は、

悪運なんて自分には存在しないことを

その時まで、知らなかった。

いや、正確に言えばメモの内容を聞くまでだ。

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