第3話財団からの勧誘
「この財団で働かないか?」
何言っているの?この人は。
まだ私中一だし...それに、私に散々暴力を働いて挙句の果てに私を殺そうとした人達と働けるわけないじゃん...当然私は断ろうとした。
「あの...ちょっと言ってる意味が分からんですが...私はこんなとこで働くつもりはないですよ...?」
「ならば、君は半永久的にここで何もせず生きていくことになるな。」
「...?」私、脅されてる...?
「はぁ...君はまだ自分が置かれている状況が分かっていないようだな。」
お姉さんは睨むように私を見ながら話を続ける。
「いいか、君はこの世界の自然法則に反した異常な存在なんだ。そんな奴を野放しにしておくことは出来ない。」
「え...?私が異常ってどういう...」
「君は本来死ぬ...いや、殺されるはずだった。君と同じ異常な生物の手によってな...だが君は生きている。それが問題なんだ。」
私が死ぬはずだった?私が生きていることが異常?さっきお姉さんに言われたように私は本当にこの状況が理解出来ない。
でもそんなこと関係ないと言わんばかりにお姉さんは非情な選択を突きつけてくる。
「このままこの部屋で死ぬまで過ごすか、我々と共にこの財団で働くか二つに一つだ。 さっさと選べ、私は時間がないんだ。」
こんな怪しいところで働くなんてこと考えられない...本当に私を働かせるだけなのかな...?私の存在が異常だっていうのもよく分からないし...
でも...こんな部屋に監禁され...ずっと出られないなんて......まだ...私は...!
「...きます...。」
「...?」
「働きます!! こんなとこでずっと過ごすなんて嫌!」
お姉さんは少し驚いたような顔をした。しかしすぐに元に戻して...
「わかった。 悔いはないか? 今ならまだ...」
「後悔なんてしてない!!これは私の意思!」
ああ...なんで私こんなにムキになってるんだろう...。でも、なんかスッキリした気分になった。
「了解した。」お姉さんは少し表情を緩めて男達を退出させた。
「さぁここに君の名前を書いてくれ。この契約書にサインをすることで我々は君をこの財団で雇うことができる。」
そう言って1枚の紙とペンを渡してきた。
未だにここで働くということに実感が湧かないが、サインをしようとペンを持つと...
「...? 」
...おかしい...自分の名前が分からない...なんで?普通、自分の名前を忘れるなんてありえない事なのに...
ペンを持ちながらも動かない私を見てお姉さんは不審に思ったようで
「...どうした?」と心配してきた。
自分でも変だと思いつつも今の状況を伝える。
「あの... 名前が分からないんですけ...ど...。」
お姉さんも、は?みたいな顔をした。まぁそうだよねー私おかしいよねーと思ったがお姉さんはすぐに何かに納得したようで、
「そうか...君に打った記憶処理剤の一部が作用してきたようだ。」
と言ってきた。
記憶処理ってよくアニメとかマンガに出てくるアレのこと言ってるの...?
確かに...そんなこと言われると名前の他にも色んな大切なことを忘れているような気がしてきた...。ていうかそんな事できるなんてこの財団何なの...?
気になることがいくつも出てくるがまずは自分の名前だ。でも...思い出せないんじゃ...
そんなこと事を考えているとお姉さんは何かの書類に目を通していて...
「ああ、君の名前がわかったぞ。」
「君の名前は 神ノ 由奈 (かみの ゆな) というらしい。 ついでに今年中学一年生になったばかりで13歳、東京都の▓▓▓区に住んでいたようだ。」
なんで身の回りのこと調べられてるの...けど...
「神ノ 由奈...」それが私の名前...。うーん聞き覚えがあるような...ないような...。
とりあえずサインを済ませておいて...と。
お姉さんは少し微笑み契約書を受け取り...
「よし、これで君は晴れて財団職員になったわけだ。 改めてSCP財団へようこそ歓迎するよ。 神ノ 由奈くん」と激励してくれた。
こうして私はSCP財団に入ることになった。はぁ...頭おかしくなりそう...もうなってるのかな...ちょっと休ませて欲しい...
あとがき
どうも_(._.)_やしたけです。今回は主人公である女の子の名前(神ノ由奈)と彼女が財団に入るという決意のシーンを書いてみました!
次回では財団で働く由奈ちゃんの仲間達と彼女の異常性について書いていきたいと思っています!
今のところSCP要素がかなり薄い気がしますがこれから色んなSCiPを話に絡めていくつもりなので応援よろしくお願いします!
メアリー・スーの苦悩 (SCP財団 二次創作) @yashitake
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