最終製造工程 シークエンス エンド

ぼくの親に固有の番号を振って認識することにした。作業が大変すぎる。

ラグロさんとメルシさんは悩み抜いたけど、最後に番号を振った。特別な表記にした方が良かったかも。


登場ネームド一覧

Jank.373「」

Jank.374「」

No.1「」


量産機名称一覧

∞「」


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メインのボディパーツと換装パーツの製造ラインの確保は完了した。

既にG.o.D Rank No.1 パルフィーの予備パーツを担当しつづけている老舗のメーカーであるインフィニティが商談に応じてくれるという話だ。


Jank.373「No.112のボディ担当のメルシであります!」

Jank.374「お待ちしておりました、同じくラグロであります」



∞「No.1 パルフィー予備パーツ部門の自動式メカであります」


インフィニティ社の商談ロボがおいでになった。搭載されたカメラで、全ての機械とロボに記載が義務付けられているMRコードの読み取りを始めた。


∞「エンタープライズカンパニー様の商談相手二名の登録情報と一致しました」


「小さな部屋ですが、どうぞこちらへ」

ラグロが普段あまり用いない丁寧な言葉遣いプログラムを起動しているものだから、メルシは少しクスりと笑いの効果音を出しそうになってしまう。すぐに、大事な仕事の途中だと思いなおす。


∞「結論から申します、商談は成立です」


∞「しかし、No.1はNo.112を生涯のパートナーにご所望であります」


「は?」

すぐさまメルシがラグロの口を慌てて塞ぎ、会話を替わり応答を始める。


Jank.373「失礼しました、続きをお聞かせ願えますか?」


∞「ええ、つまりNo.112はインフィニティ社が競り落とします」

Jank.374「つまり、No.1が経営するインフィニティの社員とすると?」


∞「物分かりプログラムが優秀ですね」

Jank.373「それはどういう意味ですか?」


∞「失礼、差別レベル1に抵触しますか?」

Jank.373「いえ、その発言から配慮を感じますので不問です」


Jank.374「メルシ!商談中だぞ!」

Jank.373「すみません、繊細すぎました」


∞「急ですが、No.1から通信を確認、仲介いたします」

No.1「存じております、ジャンクという響きが私は好きですから」


Jank.374.373「!?」


流石に面食らってしまう二人のロボ、インフィニティ社の代表取締役が登場してきたのだ。インフィニティ社の迅速すぎる回答に驚いていたところに、さらに追撃された。


Jank.374「今までの会話は筒抜けということですか」

No.1「はい、商談は全て記録し保存すると法律で決まっておりますゆえ」


No.1「どうされますか?」


「すみません、金額の提示がまだです」


「ああ、金ですか・・・」


提示された金額の表記に仰天したよ。恐れ入った。

この商談はまるでドラマの一話みたいな風景だった。


本当にその瞬間をリアルタイムで鑑賞できて最高の気分だったさ。

今でも、ポップコーンを片手にモニターで何度も視聴してる。


No.1「これでいかがですか?」


そう無限の金額を提示された。つまり、足りなければいくらでも払うという意味だ。

インフィニティ社の奥義をここで観れるとは思わなかった。



Jank.373「・・・っ」

Jank.374「すごすぎるだろ」


二人のエンジニアが指揮したチームが試作したボディパーツの評価はこれ以上ない最高のものだったようだ。

インフィニティ社に認められることは、エンジニアを志す者、現役エンジニア、ベテランエンジニアすべての夢である。


その栄誉をエンタープライズカンパニーは、いきなり得られることとなった。

そしてこの∞マークで金額を提示されたということは・・・!


∞「さぁ、この書面にサインを」


商談ロボから印刷されたA4用紙は、インフィニティグループ傘下に入る契約の書類だった。


かくして、この僕、No.112シフティングの物語は始まったんだよ。









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