第789話 登場人物紹介と補足説明 ②

 ①エンリケ・ロメオ・ブランド(通称不明)

 獣人種・重量獣種。

 モルダレオより半月誕生日が遅い乳兄弟。


 ②黒髪黒目、虹彩に日輪のような黄金の輪がある。

 乳兄弟のモルダレオより背が高く、肩幅が広く腰が細い。

 肌色も同じで同系統種族なので、遠目には真実兄弟に見える。

 切れ長の目元、中央大陸人でいう怜悧な美男。

 モルダレオと同じく髪をひとつに結っているが、こちらは三つ編みで背に垂らしている。

 髭はなく、目元から頬骨にかけて部族の入れ墨が入っている。


 ③悲観主義的ネガティブな男。

 モルダレオと似た思考の持ち主と思われがちだが、彼は内罰的である。

 医務官の資格もあるが、生物植物、菌類などの研究者だ。

 部族内では医者の家系の長男で、浄化では妻子を亡くしている。


 武器は曲刀と手斧。

 好きな物は酒、だが偏食気味が今回の騒動で重くなる。


 ***


 ①スヴェン・ロスハイム(武装船団員等からは、ロスハイムの旦那と呼ばれる)

 獣人族・超重量獣種。(獣人族最強クラス・先祖返りの統括長も同クラス)

 年齢は見た目の貫禄とは別に、モルダレオより年下。


 ②焦げ茶色の髪と瞳。

 巌のような筋肉に笑うと凶暴な歯が光る。

 夜道で出会ったなら逃げたくなるような強面。

 身長は小山のようと称されるが、実はカーンより低い。

 筋肉の厚みのせいで実際より大きく見えるようだ。


 ③元異端審問官候補という異例の経歴(本文非出)

 海賊みたい(オリヴィア談)な風貌だが、知的で文学や芸術に造形が深い。

 ただし、敢えてそのような部分は表に出さない。


 武器は大鉞おおまさかりなどの重量のある刃物が得意。

 好きな物は美しく気品に溢れる女性。

 オービスとは同種族で親友。


 ***


 ①オービス・ローゼンクラム(若旦那と呼ばれる事も)

 獣人族・超重量獣種。

 最年長。


 ②栗色の髪と瞳。

 鬣のような髪型と無骨な風貌で、擬態を解く前から獅子の旦那と呼ばれる事もある。

 首から肩にかけて分厚い筋肉に覆われている。

 腕が長く手も大きい。

 オリヴィアが彼らを海賊や山賊になぞらえるのは、本物の海賊も山賊も見たことが無いからです。

 空想の、村の年寄りが話す昔語りの登場人物に擬えている。

 スヴェンは、物語のバイキングみたいだなぁ。

 オービスも子どもに言い聞かせる昔話風の山賊の大親分みたいだなぁ。という感じです。

 ...褒めてないですね。


 ③任務以外では、温厚。

 言葉が詰まるが、中央大陸標準語(大陸共通語)を遅く学んだ為。

 同獣人種以外の女性や子供を怯えさせないように、言葉も態度も気をつけている。

 南領新東部貴族派で、実は育ちの良い貴族の若旦那である。

 彼もスヴェンと同じく教養も深く、荒くれ者の外見を裏切る知性派。

 実は重量獣種の女性にモテる?


 好きな物、可愛い小動物。

 武器は重量のある鈍器。

 最近の悩み、甥が姉の一人に処分されないか心配。


 ***


 ★設定補足★

 注)本文に非出典の内容とオリヴィアの誤情報も混ざっています。物語の進行によって否定される部分も含まれています。という事で、読み飛ばしても構わない蛇足部分です。


 ◎獣人の重量クラスについて◎


 獣人は人族種と同じ姿を擬態と呼びます。

 擬態は本来の獣の姿より、力が減衰した状態を指します。

 肉体の強度が減衰した状態ですが、普通人(基準種の短命人族種)よりも十分に肉体は頑健な状態です。

 利点は、燃費が普通人と同じカロリー消費になるので通常の生活に向いている事。

 では、擬態を解く意味は何でしょうか?

 危機対応と生存戦略になります。

 戦ったり生き延びる確率を上げるために、爆発的に能力を底上げするという事です。

 ならずっと獣化したままでいいんじゃない?

 と、なりますが、膨大なカロリーを消費し体力を消耗するので不可能です。

 それは普通人と同じ理屈となっています。

 では、擬態をとる事ができない先祖返りとは?

 先祖返りは低燃費で普通人同等でありながら、肉体強度が擬態中の獣人よりも上。

 さらに擬態を解くには数段階の過程が必要なのですが、彼らは完全な獣化を、その数段階を経ずにできるという特典があるのです。

 ですので、先祖返りは喜ばしく能力の高い者との認識になるようです。


 さて、その擬態を解いた時の重さで、その獣人の特質を分ける事ができます。

 重量は親からの遺伝ですので、両親のどちらかの重さが引き継がれていく事になります。

 また、普通人でいう十歳前後で任意での擬態管理ができるようになります。


 上から、超重量獣種⇒重量獣種⇒準重量獣種⇒中間種


 ここまでが擬態を解いて、獣化する戦闘クラスになります。

 獣化は四段階ほどの過程を経て完全な獣化ができる状態を指します。


 次に、準中間種(普通人と外見の差異が無い)⇒軽量種(普通人より健康で丈夫な程度)⇒超軽量種となります。


 準中間種と軽量種は、肉体変化が殆どできません。

 実は、この準中間種と軽量種が一番、劣悪な環境で生き延びる適応種であると考えられています。

 尖った能力はありませんが、低燃費で活動能力に優れた頑健なタイプは、オルタスの劣悪な環境に適応しているというわけです。


 更に蛇足になりますが、超軽量種とは、小さな獣型に変化できる特殊な種族になります。

 また飛翔能力のある有翼人も超軽量種の分類になります。

 ただし、有翼人でも滑空程度の飛行能力で、重量の重いタイプも存在しており、この二種系統を同じとしない考えもあります。


 注)超軽量の有翼人は文化的に非常に特殊な為、獣人種としても閉鎖環境の一部地域にのみ存在し、外部との交渉はありません。

 この為、有翼人と一般的に呼ぶのは、羽は生えていますが飛べない重量の重い獣種の事になります。

 また、超軽量有翼人からのアプローチが無い限り、接触を試みてはならない。

 他人類種と共通のパラダイムが無い為、意思疎通が難しいのが理由である。


 蛇足..じゃなくて補足説明 ③に続きます。(汗)

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