第2話
席に着くと「よし、じゃあこれ持って」とお守りのようなものを渡された。訳も分からないまま受け取ると、おばさんは「はぁ!」と気合の入った掛け声を上げた。
「どうだい?体は軽くなったかい?」
「え?いや別に……ってうわああ⁈」
おばさんに言われ変わったことはないだろうかとなんとなく体を見回してみた。すると、俺の背後に髪の長い白い服の女がうずくまっていた。一目で幽霊だとわかる典型的な見た目だった。
「おや、まだいるのかい。はぁ!!」
おばさんが先ほどより一段と大きな声を出したが、その幽霊は微動だにしなかった。
「あの……これは失っぱ……」
「失敗だね」
そんな即答されても困るのだが。
「うん、お代は結構だ。ごめんね。もっとちゃんとしたとこ行きなね」
「は、はぁ」
軽くそう言われ、仕方がないのでお守りを置いて去ろうとした。
「……あの。これずっと見えたままなんですか?」
「あれ?まだ見えてるのかい?おかしいねぇ……お守りの力を吸収しちゃったのかね」
まあ、今度からは怪しい奴に付いていかないことだね、と豪快に笑うおばさんを見て、俺はどうしたらいいかわからなかった。
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