第16話 コーヒーの実を植える

昨日はみんなでお祝いをした。

そして、リコとキコが泊まることになっていた。

そして、なんで……。

みんな、下着姿で寝ているんだー


みんなが起きる前におれは2階に行こう。

静かに、ゆっくり。

そっと……。

よし、階段まできたぞ!

バキッ!


ん~

音がなってしまった。


「ソウマ、起きたのか?」


ノアが起きた。


「シー……シー……」


おれは人差し指を立て、口にあてた。

ノア、頼む静かにしてくれ。

ノアはわかったのか黙っていた。

よかった~


おれはもう一段あがった。


バキッ!


もう~静かにしてくれ階段よ~


「ソウマさん、おはようございます」

「「おはようございます」」


終わった!!

みんな起きた。


キャーキャー!!


そうなるよな~

パニック状態だ!

テーブルの上にある、昨日の残りものがおれに向かってたくさんとんできた。

おれは必至によけた。

ひょいひょい……。


はぁはぁ……。


ひょいひょい……。


しばらく続いてようやくおさまった。


それぞれ、制服に着替えた。


「あ、思いだした!」


ソフィアがなにかを思いだしたようだ。


「ソフィアなにを思いだしたんだ?」

「たしか、ソウマさんが先に寝てしまって……」

「おれがさきに寝たのか」

「みんなでお風呂にはいろうってことになったんです」

「お風呂に?」


リコとキコも思いだしたようだ。


「そうでした」


みんなでお風呂にはいったのか。


「そして、暑かったし酔っていた」

「そう、それで下着のままお酒を飲み始めてそのまま寝てしまったんだと思います」


おれは、みんなをじーっとみた。


「ごめんなさい!」

「ソウマさんを変態扱いしてごめんなさい!」


やっぱり、変態扱いしてたのか。


「まあ、誤解がとけたならおれはいいよ」

「ありがとうございます」


だって、おれはみんなの可愛い下着を見れた。

なかなかこんな人数の下着姿にお目にかかれないよ。

すごい、光景だった!


それにしても、リコとキコの下着可愛いかったな。

苺パンツにチェリーパンツ。


「ソウマ、なに考えてるんだ?」

「うゎ! なにも考えてないよ~」


ノアは相変わらず鋭い。


「じゃあ、みんなお店を片づけて準備しようか」

「はい!」


今日も一日が始まる。


――――


「いらっしゃいませ」


冒険者で今日もいっぱいだ。


「ノア、お客がきたらよんでくれ」

「ソウマはどこにいるのだ?」

「おれ、外にいるから」

「わかったのだ」


おれは、庭にでた。

ここに、コーヒーの実を植えてみようと思っていた。

この辺の土をさわってみた感じだと育つような気がする。

感だけど……。


踏まれないように柵をたてようと思っているのだ。

よし、この間とってきた木を削ろう。

土に刺さるように先の方をとがらせた。


「ソウマ、お客きたのだ」

「ああ、いま行く」

「なにしてるのだ?」

「ん? これか?」

「うん」

「柵をたてたくて」

「柵を?」

「ああ、コーヒーの実を植えてみようと思う」

「そうなのか」

「ノアも手伝うのだ」

「ノアはお店にいてくれないと」

「そうなのだ」

「おれひとりで大丈夫だよ」

「わかったのだ」


おれはお客がきたので店にもどった。


「お待たせしました」

「わたし、苦くないコーヒーを飲みたいんですけど……」

「わかりました」


焙煎度はハイローストがいいかな~

マイルドなコーヒーになるからこのぐらいだろう。

酸味が少ない方がいいかもな。

コーヒーは奥が深い。

焙煎度、挽き具合そして蒸らし方でおいしさが変わるのだ。


紙フィルターなんてあったらうれしいが、この世界にはない。

今は布で淹れている。

いわゆる、ネルドリップ式だ。

布にコーヒーの粉をいれて表面を平らにしてカップの上にもっていく。

中心から外側に向かって渦を描くようにお湯を注いでコーヒー粉全体を湿らせる。

お湯で盛り上がった表面が沈んでいき、泡がはじけてきたら2回目のお湯を注ぐ。

「の」の字を描きコーヒー粉をふくらませる。

そして、3回目のお湯をそそぐ。

最後までたれるのを待たず、カップからはずす。

それを、お客さまのコップに注ぐ。


こんな感じでなるべく時間をかけないようにすばやくいれています。

だいぶ淹れかたになれ、最初のころより美味しくなった。


「お待たせしました」

「ありがとう」

「お砂糖とミルクもおいておきます」


そのお客が一口のんだ。


「ん~美味しい」


ああ、よかった~

おれはお客が満足しているのをみて安心した。


「ノア、おれ庭にいるから」

「わかったのだ」


おれはまた、庭にでて柵を作り始めた。

結構、力仕事だよな。

あと何本くらい必要だろうか。

50本くらいあればいいかな?


ふぅ、暑い。

あと少しだ頑張ろっと。


ザッザッ!

ガツカツ!


ようやく、柵が削れた。

あとはこの柵をたてて打っていく。

そして、ロープでつないでいく。


よ~し、できた。


あとは、コーヒーの実を植える。

種子は外皮を剥き一晩水に漬けた。

それを小さいケースに植えた。

この中からできのいい苗を地に植えようと思う。


芽がでてくるの、たのしみだな~

ノアが外にでてきた。


「ソウマ、柵すごいのだ!」

「そうか~」

「広くなったみたいなのだ」

「そうだな」

「これはなんなのだ?」

「ああ、この中に種を植えた」

「ここで育てるのか」

「ああ、あとは芽がでてくるのを待つだけだ」

「楽しみなのだ」

「ああ、そうだな」


仕事がおわり、みんな外にでてきた。


「ソウマさん、柵ですか?」

「ああ」

「すごいですね」

「ここにコーヒーの木をはやしたいんだ」

「育つといいですね」


みんな育つのを楽しみにしていた。

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