第14話 ギルドトップの証

そんなある日、ソフィアが慌てて近づいてきた。


「ソウマさん、これをみてください」


ソフィアがギルド本部から送られてきた、手紙をみせてきた。


「なんだ、ソフィアそんなに慌てて」


おれは、その手紙をみた。

すると、それは……招待状だった。


なんと、うちのギルドがこの辺りのギルドで一番の成績をあげたらしい。

そのお祝いの式に招待されたのだった。


「え? まじ?」

「ソウマさん、すごいです。これは本当にすごいことです」

「どうしたのだ?」

「うん、ギルド本部から招待状が届いたぞ」

「招待状?」

「ああ、みんなで行くんだよ」

「みんなでおでかけかぁ」

「ああ、そうだよ」


おれはうれしかった。

ソフィアに頼まれたギルド復活。

いつのまにか、大きなギルドになっていたとは思わなった。

でも、約束を守ることができたのは嬉しい。


――――


リコとキコを残し、おれたちはギルド本部に向かった。

馬車が迎えにきた。

おれたちはその馬車に乗り込んだ。


「楽しみだな、ソウマ」

「ああ、そうだな」


ソフィアとノアはいつもと違う素敵な服を着ている。

ソフィアは薄い水色のワンピースドレス。

ノアは薄い黄色のワンピースドレスだ。

この日のために用意したのだ。

ふたりとも綺麗だ。


おれも黒のタキシードを用意した。

かしこまった式とか初めてだから緊張している。


ギルド本部についた。


「こちらになります」


おれたちは案内されるがままついていった。

そして、扉があいた。


キィー!


そこには大勢の人が集まっていた。

スーツをきた男性やドレスを着た女性。


「それではみなさま本日の主役をご紹介いたしましょう」


そういうと、おれたちはライトアップされた。

おれたちが主役?

今日はおれたちのためのパーティーなのか?


「異世界珈琲店のソウマさま、ソフィアさま、ノアさまこちらにおこしください」


おれたちは顔を見合わせて、壇上に上がった。

そして、大勢の拍手に包まれていた。


「それでは、この短期間でこのギルドのトップとなったギルド亭主のソウマさまよりお言葉を頂戴いたしましょう」


え?

ギルドのトップ?


「あの~ギルドのトップって間違いではないですか?」

「いえ、間違いではありません。先日、ドラゴンの問題を解決した時点でトップにおどりでました」

「あ、ドラゴン」

「はい、あのドラゴンに関してはだれもが手を付けられない依頼だったのでS級ランクをつけさらに賞金をつけさせてもらいました。それでも、解決策がなく困っていたのです」

「そうだったんですか。でも、依頼を受けた覚えはないのですが……」


司会をしていた人がきょとんとした顔になった。


「ソウマさん、それはわたしたちが依頼を受けました」


ソフィアが依頼を受けたといってきた。


「え? そうだったの?」

「はい、リコさんとキコさんとも相談してSランクだったし賞金もでるということだったので勝手に受けさせてもらったのです、すみませんでした」

「いや、ありがとう。ソフィアたちのおかげでギルドトップになれたんだね」

「いえ、ソウマさんとノアのおかげです」


「では、話はついたようなので進めますね」

「あ、はいすみません」


司会者がまた話を進めた。

「では、今の気持ちをソウマさまおねがいします」

「はい、ありがとうございます。トップとは知らなかったですが、これからもみなさまの力になれればいいなと思っています」


拍手がわいた。


おれたちは賞金をもらい、豪華な食事をした。


「うまいのだ」

「うん、おいしいね」

「リコさんとキコさんもいればよかったですね」

「そうだな~近いうちにお祝いしよう」

「そうですね」

「それがいいのだ」


おれたちはその場を楽しんだ。


帰りにギルド長に呼ばれた。


「今回は本当におめでとう。期待はしていたが、こんな早い段階でトップになるとは思わなかった」

「そうですね……」

「嬉しいよ、これからも頼むよ」

「はい」

「なにか困っていることがあればいってきなさい」

「はい、ありがとうございます」


これで、なにかあったらお願いできるな。


おれたちは馬車で家まで送ってもらった。


――――


「ただいま」

「「おかえりなさい」」


リコとキコがまっていてくれた。


「今日はありがとうな」

「いえ、お店もギルドも何事もなく終わりました」

「そうか、ご苦労さま」


ノアが今日もらってきたものが気になるようだ。


「ソウマ、そういえばなにをもらったのだ?」

「ああ、これだよ」


おれは今日もらったものをすべてテーブルの上にのせた。


ドンッ!


「賞金は金貨100枚だ」

「それはすごいのか?」

「ひゃ、ひゃく枚?」


ノアはわかっていないようだ。

ソフィアはすごく驚いている。

リコとキコも枚数をみて驚いている。


「庶民の年収が金貨10枚ってところだろう」

「なんかわからないけどすごいのだ」

「ああ、そうだよ」


「これはなんなのだ?」

「これはギルドトップの証だそうだ」


外の看板と一緒に飾るといいらしい。

その看板のはSのマークと星が3つ掘られていた。


「かっこいいのだ」

「そうだな、でもなんでSマークなんだ?」

「ソウマさん、知らなかったんですか?」

「あ、ああ」

「これはギルドのランクです」

「そうなのか?」

「今まで、Aだったのが一気にSにあがりしかも星3つなんて最高マークです」

「そうだったのか」


ソフィアが興奮して話ている。

かなりすごいことだと感じる。


「もしかしていままでAランクだったことも知らなったのですか?」


リコとキコも信じられないとでもいわんばかりの顔でいってきた。


「ああ、ランクがあってことを知らなかった」

「いつも送られてくる手紙にスタンプが押されてたじゃないですか」

「ああ、あれか~」


たしかに、CとかBとかスタンプ押されてたな~

たくさん押されていたから、紙の模様かと思ってた。


「そういえば最近、Aだったような気がする」

「そうです、Aだったんです」

「これからSランクのギルドということになるのか」

「はい、そうです。いままでよりも依頼の数が増えてSランクの依頼も増えるということです」

「そうなのか」


さっそく、外の看板近くに飾った。


「なんかいいですね」


ソフィアも嬉しそうだ。


「「素敵です」」


リコとキコも喜んでいるようだ。

これから、ますます忙しくなるぞー


「リコさんキコさん、明日仕事が終わったらみんなでお祝いしましょう」

「「はい、うれしいです」」


「泊まっていくのだ、な、ソウマ」

「あ、ああ、そうだな。ゆっくりできるし泊まっていくといいよ」

「「はい、そうします」」


明日もがんばろう!

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