第4話 隣街『コルマージュ』

隣街『コルマージュ』にやってきた。


「これはまた賑やかな街だな」

「はい、このあたりでは一番大きな街ですから」

「石と木材を組み合わせたかわいらしい建物ばかりだな」

「はい、建物がとてもカラフルです」

「そうだな。出窓もあるなんておしゃれだ」


「ソウマ、こっちは川が流れているぞ」


ノアが大きな声でいっていた。

おれも近づいた。


「ほんとだ」


ほんとに川が流れていた。

しかも柵がしてあって街がちゃんと整っている。

まさにメルヘンな街だ。


「ソフィアさん、この街で鍋とか銅や鉄を扱っている店はないかな」

「それならブリキ職人さんがいるお店なんかはどうでしょうか?」


ブリキかぁ~


「うん、その店に案内してくれ」

「わかりました」


「ソウマ! これ食べたい」

「ああ、わかったよ」


「わぁ! これおいしいな」

「はい、おいしいです」


「こっちはなんの店だ?」

「これは道具屋です」

「これは?」

「これは……です」


おれたちは街を楽しみながらブリキ職人がいる店に向かった。


「ソウマさん! ここです」

「ああ、入ってみよう」


「いらっしゃい」

「あの~焙煎機ありますか?」

「はぁ? なんだそれは」


そうだよな~

焙煎機みたいなものってなんだろう。


「大きな鍋に豆を入れて煎りたいんです」

「ん……」


店の亭主は店の奥にいってしまった。


なんか伝わってないよな~

なんていえばいいのか。


亭主がもどってきた。


「こんなんはどうだ?」


亭主は店の奥から大きな鍋をもってきた。

ちょうどいい大きさだった。

焙煎機は無理だろうから最初は鍋で煎ってやってみよう。


「これください」

「はいよ」


この亭主さんは一見怖そうだけどいい人そうだ。

いつか、この亭主さんに焙煎機を作ってもらおう。


「あと、石臼もありますか?」

「あるよ」


よしこれでやってみよう。

いい買い物ができた。


「ソフィアさん、たくさんお金を使わせてしまってすみません」

「いえ、まだ大丈夫ですから」

「なんとか早くお金をかせぎますから」

「はい」


「ソウマ、お金ないのか?」

「え? まあ」

「それなら早く言え」

「え?」


ノアは服の中から袋をだしソウマに渡した。


「あげる」

「ノア、これは?」

「わたしのお金だ」

「いや、いらないよ」

「これあげるから、ずっと一緒にいたいぞ」

「え?」


いまのはどういう意味だろう。


「ノアさん! どういう意味ですか?」


ナイスだソフィアさん。


「だから、ノアはソウマと一緒に暮らしたいのだ」

「おれはかまわないけど、あそこの家はソフィアさんの家なんだ」


ノアはソフィアを見ていった。


「ソフィア、だめか?」

「え、だめではないですけど……」

「わ~い! いいんだな」


若干押し切られた感はあったけど、ノアも一緒に暮らすことになった。


――――


コルマージュを後にした。

帰り道もスライムに出くわし、戦ってレベルアップしていた。

まだ、ゴブリンは出てくるなと祈りながら無事に帰ってきた。


あしたから、コーヒーを作るぞー


今日は疲れたからお風呂にはいってゆっくり眠ろう。


「ソフィアさん、先にお風呂入りますね」

「はいどうぞ」


よし、今日はちゃんと言ったからな。

湯船にはいった。


ふぅ!

疲れた~

お風呂は気持ちいいな~


ガラガラ。

お風呂のドアがあいた。


「ソウマ! ノアが体洗ってあげるぞ」

「ええっ!!」


ドアをみると真っ裸なノアがたっていた。


「ノア! 入ってきちゃだめだよー」

「なんでだ?」

「なんででも」

「ノアは一緒に入りたいのだ」


ノアは湯船に飛び込んできた。

そして、おれにくっついてきた。

そ、そ、それはさすがに……。

ノア……。

鼻血が出て倒れた。


「おい! ソウマ大丈夫か?」

「……」

「どうかしましたか?」


ソフィアがこの状況をみた。


「きゃー! ノアさん裸じゃないですか」

「うん、ソウマも裸だ」

「ソフィアも脱げ」


おいおいノア何をいってるんだ。

おれは意識がもうろうとしているからおかしな言葉が聞こえたのだろう。


ノアがおれの目を覚ますために水を顔にぶっかけた。

おれは驚いて目が覚めた。

すると、ノアはもちろんのことなぜかソフィアまで真っ裸だった。

なんでだー


おれはまた倒れた。


「おい、ソウマ大丈夫か?」

「ソウマさん、しっかりしてください」


次に目が覚めたときはふたりとも服を着ていた。

夢だったのか?


「大丈夫ですか?」

「あ、うん」

「ソウマ、お風呂嫌いか?」

「え? そんなことないよ」

「なんで2回も倒れたのだ」


それは、ふたりの真っ裸を見たからなんていえないでしょうよ。


「今日は疲れたからかな」

「そうか、ならよかった」


ちょっとまて。

おれ、服をきてるぞ。


「あの~おれの服」

「ああ、ふたりで着させてやった」


おおおおおお!

見られたのか!


「ごめんなさい、風邪をひくといけないので服を着替えさせました」

「ああ、ありがとう」


ソフィアは恥ずかしそうにしてるけど……。

それはどういう感情だ!

わからないー


まあ、みられたものはしょうがないあきらめよう。


「ソウマ、大丈夫だ。わたしの体も隅々見たのだからな」


ん?

わぁ!

見た!

猫ちゃんの姿の時に、隅々確認したな。

いや、あれはなしだろー。


「ソウマも目がさめたしベッドで寝よう」

「そうだな」


2階の部屋にいった。

おれの部屋にノアも入ってきた。


「ノアは向こうの部屋だろ」

「ノアはひとりでは寝られないからソウマと一緒に寝る」


おいおい、それはまずいだろ。


「ノア、一緒にはねられないんだよ」

「なんでだ」


ん~考えろ。


「ほら、ソフィアもひとりでねてるだろ」

「そっか」


ノアは部屋を出ていった。

珍しく素直に聞いてくれたな。

よし、寝よう。


ドン!


「ソウマ、ソフィアを連れてきたぞ」


はぁ!!


「みんなで寝るぞ」

「お邪魔します」


おれの右隣にノアが寝て、左隣にソフィアが寝ている。

ふたりのお胸が当たってるって~

胸が気になって寝れないだろ。

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