二十三雨

「Can you see that?

(・・・・あれが見えるかい?)」


"ザアアアアアアアアアアアアアア....


「That's,

(あれは―――....)」


"パシャッ"


征四郎が、湖の上に生えたまるで森の様な


木々の隙間をオールを漕ぎながら


カヌーで進んで行くと、目の前


湖の上に浮かび立つ古い遺跡の様な建物が


目に入って来る....


「(――――...)」


"バシャッ....


湖、そして湖面に浮かぶように生えた


木々達に囲まれ、その建物は


水の上に顔を覗かせる様に


その場所に佇(たたず)む....


「What is that,?

(・・・あれは、何だ?)」


「If we go, we get it

(....行けば、分かるよ)」


「Can we get in there?

(入れるのか?)」


「See,over there,

(ほら、あそこ――――....)」


周りを水生の苔(こけ)の様な植物に覆われた


建物を見ると、周りの景色と同化しているのか


その建物の様子があまり判然とはしないが、


ヨプが指した先の場所が目に入ってくる


「Entrance? huh?

(―――入り口か?)」


「Right, over there

(そう、あそこ。)」


「(・・・・)」


自分達の船が浮かんでいる湖の先、


周りの木々と同化する様に浮かんでいる


建物に目を向けると、その建物の中央にポカリ、と


大きな穴が開いているのが見える


「Do you mean we're going in there as we're?

(このまま、あそこに入ってくって事か?)」


「・・・・」


"ザアアアアアアアアアアァァァァ.....


「(・・・・)」


何も答えず、雨を浴びながらヨプは


カヌーの上で目を閉じ、雨空を見上げる――――


「・・・・」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「(広いな・・・・)」


遺跡の入り口からカヌーでその内側へと進むと、


船が入ってきた入り口から


水路がまっすぐに奥へと向かって伸び、


その両脇に古い 何でできているかは分からないが


石でできた様な地面がその水路の両脇に


広がっている


「Hey, there, stop

(ほら、そこ、止めて)」


「――――、」


"パシャッ"


オールを漕いでいた手を止めると、征四郎は


カヌーが通っている水路の脇の


地面へとカヌーを寄せる


"コッ"


「What do we have here,?

(ここには何があるんだ・・・?)」


「What do you think,?

(何があると思う・・・?)」


先に暗い建物内の地面に降り立ったヨプが、


船の上にいる征四郎を見下ろす


「Ruins in the back of the lake,

(湖の奥の遺跡.....!)」


目の前の光景に自分の置かれている状況が


良く分からないのか、征四郎は


目の前にいるヨプをただ、ぼうっと見る


「・・・・」


「We'll go to the back,

(――――奥へ進むよ)」


"コッ コッ コッ コッ.....

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