「雨、上がる」

十三雨 「無明(むみょう)」

"ザアアアアァァァァァァァ..˛◞˛◞˛◞˛◞˛◞˛◞˛◞˛◞˛◞˛

「　　ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ 」

"ポツッ　ポツッ"

「・・・・・」

"ザアアアアァァァァァァァ˛◞˛◞˛◞˛◞˛

「(　　ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ )」

"ピチョンッ！"

「"！"」

「———— っ..」

"ザアアアアアァァァァァァァ...˛◞˛◞˛◞˛◞˛◞˛◞

「(┈┈┈┈…何だ....)」

"ピチョンッ...！

「… … …っ！？」

"————ガバッ！

「・・・・・！」

倒れていた地面から、征四郎は直ぐに起き上がる

「ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ 　　！」

"ビシャッ　ビシャッ...˛ཬ˛ཬ˛ཬ˛ཬ˛ཬ˛ཬ.!

「("雨"....　か┈┈┈… ？)」

倒れていた体を起こし、冷たい感触がして空を見上げると暗い空から

無数の雨粒が降り注いできている___________

「(確か…　…　…)」

"バチャッ"

「　　ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ 」

"バチャッ　バチャッ"

左手を硬く暗いザラリとした地面の上に添えると、その手に力を込め

その反動を利用して地面からゆっくりと征四郎は起き上がるᱹ ᱹ ᱹ ᱹ

「(　　.. .. .. .)」

"パッ　パッ"

「(確か__________)」

自分の服に付いた雨粒を払いながら、ボンヤリとした意識で

周りの暗い景色を見渡す

「(さっきまで∙∙∙∙∙　 ！)」

"バシャッ"

足を一歩踏み出し、雨でぬかるんだ煉瓦の様な硬い地面の感触を

確かめる様に歩く___________

「(俺は、"Speaker"と┈┈┈┈∙∙∙∙∙)」

"バシャッ　バシャシャッ"

先程まで自分がいた筈の"Speaker"と呼ばれる老人がいた

洞窟の事が頭に浮かんでくるが、周りの状況に

何も分からず、暗い景色をただ見渡す—————

「　　ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ 」

"ビシャッ　ビシャッ"

雨が自分の肌に当たってくるせいか爽迅(そうじん)な冷たさが頬に残る

「("ここ"は....—————？)」

"ビシャッ　ビシャッ"

「　　ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ 」

履いている革靴の足音を響かせながら、確かめる様に周りの様子を伺う....

「(街.....)」

"ビシャッ　ビシャッ　ビシャッ　ビシャッ....˛៹˛៹˛៹˛៹˛៹˛៹"

「(・・・・)」

"ザアアアアアァァァァァァァァァ˛◞˛◞˛◞˛◞˛◞˛◞

「　　ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ 」

周りの景色に目を向けるが

「(・・・どこだ、ここは┈┈┈┈……)」

自分が歩いている、おそらく煉瓦でできている道の周りには隙間なく

ビルの様な物が立ち並び、何故かは分からないが先程自分がいた洞窟とは

別の場所にいる様な気がしてくる____________

「(　　ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ )」

"カッ　カッ　カッ　カッ...˛ཬ˛ཬ˛ཬ˛ཬ˛ཬ˛ཬ"

「ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ 　　！」

"ザアアアアアアアアァァァァァァ˛◞˛◞˛◞˛◞˛◞˛◞"

「("明かり"が....)」

"ビチャッ"

立ち止まり、周りに無数に並ぶビルを見上げるが、何か普通ではない

'汚感'の様な物を感じ取る

「("光"が—————.....)」

「　　.. .. ... .」

"ビチャッ　ビチャッ　ビチャッ　ビチャッ....

照明の一切灯されていない色彩の無い、辺りの景色に浮かび上がった

奇妙な姿の立ち並んだビルに目をやりながら、雨の中一人

征四郎は足を進ませて行く____________

「(　 .. .. ... .)」