十一雨 「暗去」

「それじゃあ、とりあえず、あの、昨日Speakerの周りにいた


 アプだとか...アノンだとかの場所に行くって事か?」


"ザアアアアアアアアアァァァァァァ..˛◞˛◞˛◞˛◞˛◞˛◞˛◞˛◞˛


「そうなるな....」


「奴ら、どこにいるんだ?」


"ザサッ"


善波が、木の床に敷かれていた藁の様な敷物の上から立ち上がり


窓の側に座っている征四郎の側へと部屋の中を歩いて行く


「キノウ、カレら... ハヌート族の人タチは、大体キノウの


 洞窟のナカにイルとか言ってたヨ」


「洞窟の中に住んでるのか?」


「┈┈┈…そうみたいネ」


「おかしな奴らだな....」


「ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ よし。」


「行くのか?」


木の朽ちた床から立ち上がった善波を、征四郎が座りながら見上げる


「どの道、この雨だ。 他にする事もない。


 ┈┈┈∙∙∙∙向こうに行って、とにかく話の一つでも聞くしかないだろう。」


「そうだなᱹ ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ 」


"ザアアアアアアアアアァァァァァァァァ...˛◞˛◞˛◞˛◞˛◞˛◞˛◞˛◞˛


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「(湖—————....)」


「おい、傘は、この、'葉っぱ'だけか?」


「アンマリ、人イナイ場所みたいだカラ、ソレしかないんじゃないノ?」


「・・・すごい場所だな...」


"バチャッ バチャッ バチャッ"


「(  ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ )」


善波 征四郎 ジャンの三人は、ウェアと呼ばれる高床式の二階の階段から


部屋の中に置かれていた、大きな葉の様な傘を手に取ると階段を降り、


Speakerのいる洞窟へと向かって行く___________


"バチャッ!"


「しかし、何と言うか....」


「何だ?」


"ザアアアアアアアアァァァァァァ...˛ཬ˛ཬ˛ཬ˛ཬ˛ཬ˛ཬ "


目を閉じたままの雅が乗った車椅子を押しながら、善波が


征四郎に振り返る


「昨日の事と言い__________ それに、湖だとか...」


「"シンピテキ"じゃナイ?」


「ははっ そうかも知れんなᱹ ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ  !」


"バシャッ バシャッ バシャッ バシャッ...."


「———————」


「  ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ」


「  ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ 」


「  ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ 」


「・・・」


「・・・・・」


「・・・・・」


"バシャッ バシャッ バシャッ...˛៹˛៹˛៹˛៹˛៹˛៹ "


「・・・・・」


「  ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ 」


「  ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ」


「・・」


「・・・・・」


「  ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ 」


"バシャッ バシャッ バシャッ..˛ཬ˛ཬ˛ཬ˛ཬ˛ཬ˛ཬ"


「あの老人___________」


"バシャッ"


「Speakerの事か?」


しばらく、無言で島のぬかるんだ地面を歩きもう少しでSpeakerのいる


洞窟の側まで来かけると、征四郎の脇にいた善波が足を止める


「何か、雅の心がどうだとか....」


「  ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ 」


「プロア、だの、カディア、だの.. .. ..


 そんなもんで、本当に雅が目を覚ますのか?」


「  ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ 」


善波の脇の車椅子の上で目を閉じている雅の姿が、


征四郎の目に写る____________


「何かはよく分からんが、そんな物で


 雅が目を覚ますとも思えんが… … …」


「  .... .. .. 」


「そうは思わないか? 征四郎くん┈┈┈∙∙∙?」


「  ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ 」


"ザアアアアアアアアァァァァァァァァ...˛◞˛◞˛◞˛◞˛◞˛◞ "


「(SPEAKER___________ )」


確かに、善波の言う通り、昨日会ったあの洞窟にいた老人。


「("カディア"┈┈┈┈∙∙∙ )」


怪し気な風体で、さらに人に夢を見させる、


そんな事を言っていたが.. .. ...


「∙∙∙∙┈┈┈┈そんな馬鹿な話があるか」


「(昨日、俺が倒れていた時に見たのはᱹ ᱹ ᱹ ᱹ )」


「┈┈┈∙∙∙別に今からインバーカーギルにいる俺の部下を呼んでここから


 帰ってもいいんだぞ?」


「(  ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ )」


昨日の洞窟での出来事。 そしてヨプと呼ばれる少年と


一緒に訪れたიო ატური(イオの水車)と呼ばれる遺跡の事が、


征四郎の頭に過る____________


「あんな怪し気な連中、信用する事は無い。 別の医者とかを


 探した方がいいんじゃないか?」


「それ… … …


"パシャッ"


「!」


「Man, You guys wanna leave this island?

(ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ 何だい? 君たち、この島から出て行くつもりかい?)」


「お前…┈┈┈┈っ、」


「Oh,well I don't care at all We'll just only see


 our dream no matter Tia does,

(別に、それならそれで構わないよ 僕たちは、ティーアが何をしようと


 自分達の"夢"を見るだけだから˛˛˛˛˛)」


「Yop,

(ヨプ....)」


「I knew you would come,

(_________来ると思ったよ)」


「?」


洞窟の側に征四郎が目をやると、そこには前日の夜共にイオ・アトゥールの


遺跡を訪れた島の少年、ヨプがまるでこの場所へ来る事が


分かっていたかの様に三人の前に立つ______________


「Did you know we were coming?

(ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ 俺たちが来るのを分かってたのか?)」


「Yes

(そうだね....)」


薄く笑みを浮かべながら、傘を差して征四郎の脇に立っている


善波をヨプは見上げる


「That's what you say,Proa?

(それも、お前らの言う、プロアって奴か?)」


「  ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ 」


"パシャッ"


「Hey

(おい)」


「Nothing,this isn't about Proa or Cadia

(┈┈┈∙∙∙別に、これは、プロアがどうだとか、


 カディアがどうだって話じゃないよ...)」


"パシャッ パシャッ パシャッ...."


背を向けると、ヨプはそのまま洞窟の中へ入って行こうとする


「So,what?

(じゃあ、何なんだ?)」


「——————、」


"パシャッ...


「HelpThat's what you guys want to?

("助けたい"。 


 そう言う事だろ┈┈┈┈…?)」


「・・・・・」


車椅子の上に乗っている雅の様子を、ヨプが薄目を開け覗う


「  ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ 」


"ザアアアアアアアアアアァァァァァァ...."


そして、すぐに灰懸かった頭上の雲を見上げる┈┈┈┈…


「The rain is comming soon,

(もうすぐ、雨が激しくなる....)」


「You know it,?

(・・・分かるのか?)」


「—————— ....」


"パシャッ"


ヨプは返事をせず、再び洞窟の方へと振り返る


「You wanna follow me,?

(ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ ついて来るのかい?)」


「  ... .. .. ..」


"パシャッ パシャッ パシャッ...˛ཬ˛ཬ˛ཬ˛ཬ˛ཬ˛ཬ"


「  ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ 」


「  ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ ᱹ 」


征四郎 善波は無言で互いの顔を見て頷くと、そのまま


ヨプの後を追い洞窟の中へと進んで行く____________

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