第18話 魔剣と氷剣
ロイドはブレスレットに魔剣を封印していた。オリヴィアと共に討伐した魔神が手にしていた魔剣で、魔神が消えると魔剣がロイドを選び、青い炎を纏いながらロイドの元にやってきたのだ。
アーロンクロイツを追いかけてから外の時間ではまだ20分位だろうか?けれども結界の中は時間の概念が無く1分が1時間にも感じたり、1日が10分に感じたりする。ロイドの体感的には戦い始めてから2時間は有に超えていた。
それでも二人の魔法と剣での戦いは激しさを増している。異空間なので建物や人など邪魔な物が一切なく、撃ちたいだけ際限なく魔法が撃てるのだ。
アーロンクロイツが氷魔法で作った氷剣に、ロイドは魔剣に魔力を込めて戦いながら、エクスプロージョンやサンダーボルトなど、色んな上級攻撃魔法を撃ち合い、お互いがお互いの才能をぶつけ合えて、本気で戦える喜びを感じ始めていた。
その時に右目からオリヴィアの聖力を感じ、見通す力が強まったのが分かった。
今、オリヴィアが俺の右目と繋げたな、あっちはもう落ち着いたのだろう。
ああ、堪らないな、戦いながらオリヴィアを感じる高揚感は!
その時、アーロンクロイツがアイスレインを放ち、太くて長い氷の針の雨がロイドに降りかかってきた。
ロイドはすかさずバリアを三重に張り防いだが、2枚破られた時にアーロンクロイツが氷剣を振り下ろしてきた。
ギリギリの所で魔剣で氷剣を受け止めたが、アーロンクロイツの物凄い力に押し負かされて左膝を地面に着いてしまい、形勢が不利になってしまった。
「はは!どうやら君はここでお仕舞いのようだね!」
「ふっ、俺の姫がまだかと急かして来たから、そろそろ終わりにしようかな」
「……姫だと?」
魔剣に大量の魔力を込めて氷剣を一気に押し返すと、アーロンクロイツがバランスを崩してよろけた隙に、破けたシャツから覗くアーロンクロイツの胸板の筋に沿って並ぶ3つの真っ赤な大粒の石を魔剣で斬った。
オリヴィアの力で見通す目が活性化して赤い石から黒い煙を纏っているのが見えて、それが弱点だと気付いたのだ。
3つの内1つの赤い石がパリンと割れて粉々に消えていった。
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