第17話 殺してやる!

ロイドはオリヴィアと繋がっている右目を通してアーロンクロイツを追っていた。


オリヴィアの右目には本質を見抜く魔法陣が施されていて、幻影魔法や姿隠しのスキルを使っても見破る事ができ、嘘を吐いてもオーラで直ぐに分かるので、オリヴィアは見通す目と読んでいた。


アーロンクロイツを追いながらも、左右で違く見える視界に気持ち悪くなったが、直ぐに慣れて使いこなせる様になるのはロイドの魔法の才だろう。


なんとか皇城の裏手にある魔法部隊の練習場まで追い込むと、練習場の結界を作動させて追い詰めた。

練習場の結界の中は異空間になっていて、時間の軸からも切り離されている。外に出るには結界の魔法陣を破壊しない限り出られない仕様になっている。


幾らでも魔法の修行が出来る様にとロイドの師匠でもある、前総長の大魔法師が作った結界である。


「……懐かしいな、父上の結界か」


「貴様が師匠を父上と呼ぶとはな」


「父上を父上と呼んで何が悪い」


「はっ、師匠を封印した奴が何を言う」


「まあ、それはそうだね」


「師匠を何処に封印したのか、答えてもらおうか?」


「何処だろうね〜」


「貴様!」

 

「ははは!ほら!ここにいるよ!」


アーロンクロイツはシャツを破ると前総長であり、ロイドの師匠でもあり、アーロンクロイツの父でもあるブラームス・カールトンの顔が腹部に浮かんでいた。

その顔は苦痛に満ちていて、ロイドは怒りが込み上げてきた。


「……師匠」


「懐かしいだろ?100年振りかな?」


「貴様、殺してやる!」


「僕が死んだら父上も死んじゃうよ?あー、でも、その方が良いのか!オリヴィアは父上が死んだと思ってるものね!またオリヴィアの泣き崩れる姿が見たいな!」


ロイドは怒りを魔力に乗せてアーロンクロイツに雷魔法で何本ものいかずちを撃ちながら、身体強化をかけて一気に距離を詰めると、ブレスレットに魔力を込めて魔剣を顕現させ一気に切り掛かった。

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