第7話 無実の罪で婚約破棄!
「マリアンヌ・トリバー!!貴様の様な悪女は私の婚約者として認められない!!婚約は破棄だ!!」
ルミタス帝国第一皇子であるミハイル・ハインリ・アム・ルミタス皇太子が叫んだ。
ミハイルの婚約者でありトリバー公爵家長女であるマリアンヌは呆れた顔をしながら(やっぱり、やりましたね)と、思っていた。
「婚約破棄は構いませんが、理由をお聞かせ下さいませんか?」
「はっ!理由だと!貴様が私の愛するアンナを虐げたうえに、殺そうとしたからだ!」
ミハイルほアンナを力強く抱きしめるながら、怒りを込めて叫び睨みつけた。
二人の後ろにはマリアンヌの兄と近衛騎士団団長の子息とラウル国第三王子クリスティン・ラウルが、マリアンヌを睨みながら立っている。
「はて?わたくしには身に覚えがございませんが?」
「身に覚えがないだと!?慎ましく母親と暮らしている家に来て暴言を吐き、仕事からの帰り道で暴漢に襲わせたり、馬車で轢き殺そうとしただろ!!私とクリスが助けれなかったら今頃どうなっていたか…」
「ミハイル様……」
水色の瞳から大粒の涙を流しながら見上げるアンナに見上げると「俺が守るから」と、指で涙を拭い額にキスをした。
(わたくしは何を見せられているのでしょうか?脳内お花畑野郎と思っていましたが、ここまで馬鹿だったとは)
「わたくしはそんな事しておりません。ましてや、ご令嬢とは今日初めてお会いしたのですよ?」
「嘘をつくな!!アンナの家に来たとクリスが証言している!!貴様の非道の罪は暴かれたのだ!!」
「兄上!マリアンヌ嬢はその様な行いはしておりません!」
「なんだと!皇太子である私に!」
「ミハイル様!」
アンナはミハイルの両頬を手で包み、瞳を潤ませながら笑った。
「ミハイル様、私に任せて」
アンナはそう言うとミハイルから離れてラファエルの前に立つと、胸の前で手を組みながら上目遣いで見つめた。
「ラファエル様はマリアンヌ様に騙されています。私がラファエル様を助けてあげます」
「私は騙されてなどいない」
「いいえ」と、言うとラファエルの左手を両手で包み込んで指にキスをして上目遣いで見つめた。
「私はラファエル様が大切なのです。マリアンヌ様に傷付けられてほしくない……」
「……ア、ンナ…」
ラファエルがアンナを抱きしめようとした瞬間に、白い光にアンナは弾き飛ばされ「キャッ!」と、悲鳴をあげ床に倒れた。
「殿下、ご無事ですか?」
ラファエルとマリアンヌを守るかの様に、二人の前にロイドとオリヴィアが現れたのだった。
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