第5話 俺の色のドレス
ルミタス帝国・ハインリ・アム・ルミタス皇太子の19歳の誕生日パーティーが行われる皇城のホールには、皇太子の誕生日わ祝うべく属国の王侯貴族が集まっていた。
オリヴィアはロイドから贈られた、ロイドの瞳の色の濃紺のマーメイドラインのドレスに身を包み、ロイドの髪を思わせる大粒のエメラルドのネックレスが首元で輝いている。
短いく切られた純白の髪の毛はロイドの魔法で腰までの綺麗なサラサラの長い髪になり、ハーフアップに纏められて、オリヴィアの瞳の色のアクアマリンの小さな石が純白の輝く髪をより一層輝かせている。
オリヴィアの手を取りエスコートしてホールに向かうロイドは黒と赤の魔法部隊総長の正装に、いつもフードで隠れている深緑の髪を後ろ流し、濃紺の瞳が露わになっている姿はまるで美しい貴公子のようだ。
「ロイド……。私はドレスじゃなくて聖女の正装がいいのだが……」
「100年振りに出席するパーティーなんだ、オリヴィアが誰の女か見せつけてやりたいではないか!」
「何を言ってるの……。それに、あんたの女でもないけどね」
「とにかく、今は婚約者としてパーティーに来ているのだから、俺以外とはダンスを踊るなよ!」
「はいはい、まあ、100年も踊ってないから踊れないだろうけどね」
煌びやかに飾り付けされたホールでは誕生パーティーに招待された王侯貴族が揃っている。
ロイドのエスコートでホールに入った瞬間にオリヴィアは異様な気配に身体がビクッと跳ねた。
気配を感じるホールの天井を見ると、黒い煙が漂っていて、肌にねっとりと纏わりつく様な気持ちの悪い魔力を感じ、ロイドの腕に添えている手に力が入り思いっきり掴んでしまった。
オリヴィアの異変に気付いたロイドは、服の上からでも腕の肉が抉れそうな程に力が入っているオリヴィアの手に、そっと、右手を重ねた。
「オリヴィア落ち着いて」
「……、ロイド、私から離れないでね」
「ああ、
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