第3.5話 【閑話】 3めがみとのあまいせいかつ
俺がこの世界に来て1週間が経った。
「今日はハーデスお姉ちゃんとデートに行きましょうねー♡」
「今日はヘルお姉ちゃんですよねー?ミズキー?」
「いや、私だろう今日は」
最近何故か俺を奪い合い始めた女神3人組。
俺はこの時には気付いてたんだ。
もしかしてこの女神達アホなのでは?と。
ハーデスが昨日俺にプレゼントを送ってきて何かと思ったらケルベロスの赤ちゃんだった。
それを撫でていると誰が俺とデートするかで揉めていた。
「ミズキは私の雑用係なんすけどー?駄女神さんたちー?聞いてるっすかー?」
「あらあら怖いでちゅねー。ミズキ?こんなヤクザみたいな女神ほっといて私とあっちでデートしましょうねー。ミズキは雑用じゃなくて私の騎士様ですもんねー♡」
ヘルが俺の右腕を掴む。
「いや、わ、私のだ。凍てつかせるぞ駄女神共!」
対抗心でもあるのかシバがビシッと2人を指さしていた。
「ヘルお姉ちゃん。怖いよーこの2人ー」
俺はヘルのお腹に顔を埋めて擦り付ける。
ふへへへ。柔らかいお腹だ。
まったく最高だな。ショタボディーは。
こんなこと15とかになったらもう許されねぇからな。ゲヘヘヘ。
「まぁまぁそうでちゅよね。お姉ちゃんと向こうで遊びましょうね。」
「ねぇ?ミズキ?私胸が苦しいっすね。ちょっと服脱がせて欲しいんすけど」
「ペチャパイなのに、何が苦しいんでしょうか?不思議ですよねー?ミズキ?」
「うん」
ぺっぺたな胸を見て頷いた。
「ガーン」
その場で灰のようになるハーデス。
その間もハーデス城には次から次に報告に来る兵士が殺到していた。
「ハーデス様!デスガーデンのケルベロスがもう何日も餌が貰えないせいで暴れております!」
「うるさいっす。こっちはそれどころじゃないんすよ!ミズキの方が大事なんすけど!そんなこと報告に来るくらいならお前もなんか考えるんすよ!」
部屋に入ってきた兵士を締め出すハーデス。
可哀想に。
その後も色んな各所の偉い人が入ってくる。
「シバ様?罪人達がシバ様の氷漬けの罰をまだ受けていないと騒いでおられるのですが。数日前から受けてないみたいなのですが」
ちなみに罪人達は定められた期間と回数罰を受けると次の世界に生まれ直せるらしいのだけど。
シバは数日ここにいる。
職務放棄しているのだ。
「は?見てわからんのか?今私は忙しいぞ」
「えっと、その」
「消えてくれないか?今ミズキにあげるプレゼントについて頭を悩ませている。忙しい」
シバも報告に来た偉い人を叩き返す。
最後には当然ヘルに苦言を呈しに来た人もいた。
「ヘルヘイム様!罪人達の魂の数が激減しておられますが!何をしているのでしょうか?!手を抜かないと、簡単に蒸発してしまいますよ!」
と報告に来た兵士を、ボウっ!と
「今、忙しいんですのよ?声をかけないでくれますか?そんな事に使ってる時間ないのです」
魔法で消し炭にしていた。
パラパラと宙を舞う兵士だった人の灰。
可哀想に。
さようなら。
またどこかで会いましょうね。
ちなみにこの世界ではあぁやって消えていった人達はそのうち帰ってくるらしい。
ヘルヘイムは一応仕事をしに行ってるけど適当にやってるらしいのでこうやって悪い方向に進んでいるらしい。
俺は知らないよ。何も知らないもん。
「分かりましたっすよ」
その時ハーデスが立ち上がった。
なにをいうのかと思って見ていたら。
「罪人たちにミズキの城を作らせますよ。3日もあれば作れるのでそれミズキにあげます」
とんでもない事を言い出した。
要らないんだけど城なんて。
そんなことを思っていたら彼女はいつものように窓を開けて口を開いた。
「全罪人に告ぐっす。今から私のこの城の対面に城を作り始めるっす。私が王であり法っす。早くするっす。反対は許さんっす」
そう言った瞬間窓の外に見える罪人達が全員作業を中断して空いてる土地に何かを作り始めた。
まさか本当に城を作ってるのか?
「おーーーっきなお城あげるっす♡私の愛は無限大なんすよ♡そう、この世界ほどの大きさなんすよ私の愛は」
俺の目を見てそう言ってくる。
いや、要らないんだけど、そう思っている今も罪人達が城を作っていた。
「な、なら私は罪人の中から美少女な子を見繕ってミズキの側近にしてあげましょう。500人くらいでいいでしょうか?」
そう言ってヘルは俺を離して窓から降りていった。
この人らはなんでどいつもこいつも扉を無視して窓から降りていくんだ。
「な、なら私は」
そこで考え出すシバ。
「べ、別に何もいらないよ?シバ?」
そう言ってみるけどシバはそのまま近付いてきて俺の前で膝をついた。
「わ、私の全てをミズキにあげよう……//////」
何ですとぉぉぉぉぉぉぉ?!!!!!!
全てって何?何から何まで?
これにはハーデスも驚いたようで全身が漫画みたいに白黒になって驚愕していた。
なんでもありだなこの人。
それにしてもどうやって白黒にしてるんだよ。
「このシバの全てをミズキに捧げよう」
そう言って俺の両手を握ってくる。
「ちょちょちょ、ちょっと待って!!!」
ドテーン。
突然のことに後ろに倒れてしまった。
「ちょ、そ、そんなのいけませんよ!ミズキはまだ子供なんすよ!」
ハーデスが止めに来たが
「考えてみろハーデス。このままミズキが大人になってしまえば我々はもう一生ショタミズキとイチャイチャ出来ないんだぞ?子供だからと妥協していいのか?」
「ぐぬぬ……ここでイチャイチャするしかないってことっすか」
そうして2人で俺を見てきた。
獲物を狩る狩人の目をしていた。
お目目がギラギラしておられる。
僕食べられちゃうの?
「争っている場合では無い。みんなでミズキを可愛がれば問題ないだろう?」
そう言って2人がジリジリにじり寄ってくる。
あ、これ完全に食べられちゃうやつだ。
「もう、いいや。好きにさせよう。自分も悪い気はしないし」
吹っ切れたよ。
そんな女神3人組との生活がこの先も続くのだった。
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