第3話 どっちのスキルももらいますね

ヘルヘイムとシバルバーに後を任せて自分はゴロゴロし始めたハーデス。

そんな彼女に見送られながら今度は2人と出かける。


「まぁ、ミズキと言うのですね。よろしくお願いしますね。私のことはヘルとでも呼んでくれたらいいですよ」

「よ、よろしくお願いします」


おっぱいがでかい。目をそらした。

これあれだ。


小さな頃に近所のお姉さんののとマトモに見れなかった感覚に近いな。

そう思いながらシバルバーに目をやると。


「何?言っておくけど私に優しさなんて求めないでよ」


一応話はしてくれるらしい。


「それから私のこと呼ぶ時はシバでいいから」

「わ、分かったシバだね」


この人顔怖いしできるだけ悪印象を与えないように笑顔で答える。

すると何故か顔を赤くするシバ。


「か、かわいい……素直な子」


そう言って俺の頬をぷにぷにつついてくる。


「ミズキ、この子照れてるのですよ。シバって呼んでくれる子全然いないから普段拗ねてるのよ」

「拗ねてなどいないからな」


直ぐにツンとするシバ。

そんな2人に連れられて俺がやってきたのは、罪人が罰を受けている場所だった。


地獄の釜とでも言うのかな?

丁度俺たちはそれを見下ろす位置に立っている。

下からは罪人たちの悲鳴。


「インフェルノフレイム」


ヘルが右手を突き上げて魔法を使うと直径30メートルくらいありそうな巨大な火の玉が出てきた。


有り得ない。普通のファイアボールが直径3センチとかなのに、何倍のデカさだよこれ。


【インフェルノフレイムが技リストに登録されました。インフェルノフレイムが使用可能になりました】


「えいっ!」


それを罪人達に投げつけていた。

更に大きくなる罪人達の悲鳴。


「私も〜本当はやりたくないんだけど〜これが仕事なんです〜。嫌いにならないでくださいね?ミズキ?」


そう言われてブンブン首を縦に振るしかできない俺。


「良かった〜。私ミズキに嫌われたらショック死しそうなのです〜」


そう言っている横で


「騙されるないでよミズキ。その女は罪人をいたぶって楽しんでるドSだから」


今度はシバがゆっくりと前に手を突き出すと。


「ダイヤモンドダスト」


魔法を使う。

罪人達が茹でられている釜は、ヘラの使った魔法と同じくらいの直径で30メートルくらいあるのに彼女もまたそれを覆うくらいの氷の塊を作り上げた。


先程までグツグツと煮えていた釜は完全に凍ってしまっていた。


【ダイヤモンドダストが技リストに登録されました。ダイヤモンドダストが使用可能になりました】


今度はまたヘルが魔法を使ってそれを溶かして罪人達を茹で始めて、時間が来たらまた凍らせる。


それを幾らか繰り返して


「次ミズキが溶かしてみてくださいね」


と、ヘルに言われた。

ゴクリと唾を飲み込んでから


「インフェルノフレイム」


放ってみたが直径10メートルくらいにしかならなかった。


「すごい!この子本当に1目見て魔法を使えるようになるんですね!天才さんですねー」


キャーキャー言ってるヘルに投げてと言われたので投げてみるが氷を溶かすまでには至らなかった。


でも時間経過で溶けた氷。

その釜から声が聞こえてくる。


「へぇっ!今日の罰は大したことねぇな!そんなガキの魔法じゃ鼻くそほじって耐えれるぜ!」

「そうだぜ女神の姉ちゃん共!あんたらの魔法で鍛えられた俺たちには痛くも痒くもねぇよ?!」


そんな言葉が飛んでくる。

シュンと落ち込んだ俺。


地面に座り込んでしまった。


「そう落ち込まないでミズキ。まだ初日なんだから。ていうかこれらの魔法使えるようになるまで最低10年はいるんだよ」


シバにもそうフォローしてもらって俺は立ち上がろうと思ったけど


「よいしょ」


俺はヘルに抱っこされて頬をすりすりされる。


「かわい~~~~」

「おね、おねぇちゃん?!なんかやばいよぉ」

「やばくないので大丈夫ですよー」


その後そのまま抱っこされてハーデス城の庭園に戻ってきた。


「よっと」


窓を開けて相変わらず階段とか扉というものを知らずに降ってくるハーデス。


「おかえりなさいっす。ここからは私が付き合いますっす」


そう言って彼女はパチンと指を鳴らした。


彼女の横に黒いモヤモヤとした丸い楕円形の何かが現れてそこから出てきたのは男だった。


レベル:58


そんな情報だけは見えた。

俺のレベル5なんだけどまさか戦わせるわけじゃないよね?


そう思っていたら


「じゃ、バトルよろしくっすー。ここでやっていきたいならレベリングっす」


そう言ってくるハーデス。

ちょ、ちょっと?!


そう思っていたら


「よう。先手やるぜガキ。ハンデだハンデ」


と、ハンデをくれているのか両手を上げて棒立ちする男。

その時


【冥王の加護が発動しました。この場では貴方の攻撃が命中した場合自動的に勝利します。受けるダメージは全て0です】


そんな表示が出てきた。

どうやら俺が勝てるようになっているらしい。


「ダイヤモンドダスト」


俺は魔法を使った。

すると、パキパキと凍っていく男。


動かなくなる男。


【レベルが上がりました レベル6】

【レベルが上がりました レベル7】

【レベルが上がりました レベル8】

【レベルが上がりました レベル9】

【レベルが上がりました レベル10】


同時にレベルが上がった。


な、なんか勝った!

そう思っているのもつかの間。


「どんどん出てくるっすよー」


ハーデスの言葉。

確かに次から次に人が出てくる。


そいつらを俺は倒していった。

やがて、


【レベルが上がりました レベル51】


今日一日で結構レベルが上がった。


「はぁ、はぁ、」


座り込んで肩で息をする。


「よく頑張りましたね♡ミズキ」


そう言ってにっこり笑いかけてくるハーデス。


「今日はこの辺りにしておきましょう。私とご飯食べたりシャワー浴びたりしましょうねー♡」


もしかして、おねショタってやつですか?

前世の自分は大好物なんです。


よろしくお願いします。

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