2-7

 それからの真琴は早かった。東京に居続ける理由がなくなった真琴は、実家のある大阪に戻ることにした。

 そのために、新卒で入社して三年と二ヶ月勤めた会社に退職届を出した。

 数週間前に食事を共にした同僚の結城は「あのときにでも相談してくれたら良かったのに」と真琴との別れを惜しむ素振りを見せたが、次の瞬間には別の社員と駅前に新しくできたコンビニの品揃えの話などをしていた。

 引き継ぎを一週間で終えたあとは、二週間の有給休暇を消化することになっていた。最終出勤日の翌々日、真琴は大阪に発つ。

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