異世界に勇者召喚されて３年、なんやかんやあって今は雑貨屋を営んでます。

第39話 ゲームセット！

ノーアウト、ランナー１塁の場面で、次は私の打順です。

レオナルド様にヒットを打たれた事が余程悔しいのか、ジュード様は射殺すかのように私を睨んでいますけど、勇者の私には全く効果がありません。

むしろ生まれたての赤ん坊が笑ってくれているかのような、とても微笑ましい気持ちになります♪

おっと

一応説明しておきますけど、私は誰かに睨まれて喜ぶような趣味はありません。

単純に勇者として精神耐性が凄いだけです。

さてさて

ジュード様が振りかぶって、、投げました。

おおっ！

私の顔面直撃コースですけど何も問題はありません。

落ち着いてバットを構えていれば、、、コンッ、、１塁に向けてダッシュ！

「セーフ！」

勝手に球がバットに当たってバント成功。ノーアウト２塁１塁になりました♪

続きまして、３番ヨウコさん

ジュード様が振りかぶって、、、

「うぉりゃーー！！」

投げた！

ビュシュッ！

コンッ

ヨウコさんもバントして余裕でセーフになり満塁です。

相手チームはバント処理の練習なんてしていないでしょうから、フェアゾーンに転がしさせえすれば余裕でセーフになります。

次は期待の４番ミシェルさんです。

ジュード様が振りかぶって

「うぉー、死にさらせぇーー！！」

投げた！

ビュンッ！

おおっ

ミシェルさんにも容赦無く顔を狙って投げましたか。しかしジュード様、それは１番やってはいけない行為なのですよ（汗）

カキーン！

ドゴォッ！

「う゛っ、、うぅぅ（泣）」

あちゃー

ミシェルさんの打った球は、見事にジュード様の玉に直撃してしまいましたよ（汗）

ジュード様が痛みで悶絶して球が転がっている間に、３塁ランナーのレオナルド様がホームインして１点先取です♪

さてさて

試合は０ー１で『頑張る熊さん’s』リードであっという間に９回表になりました。ここを０点で終えれば勝利です。

え？

展開が早過ぎる？

いえいえ、そんな事はありません。

我々の目的はレオナルド様を活躍させて試合に勝つ事ですからね。

レオナルド様は４打数４安打の大活躍なので、後は試合に勝てば目的は達成されます。

「ストライク、、、ストライク、、、ストライク、バッターアウト！ゲームセット！」

最後のバッターもシロさんが３球３振に仕留めて我々の勝利です♪

「両チーム、整列！」

「おっ、お前達(怒)私にこのような事をしてただで済むと思っているのか？」

未だに股間の玉が痛むのか、ガニ股で歩きながら顔色を悪くしたジュード様がレオナルド様に向かってお怒りでいらっしゃいます。

「何を申されますか兄上、これは野球の試合で起こった不幸な事故です。観客席を含め目撃者多数ですが、それでもまだ何か？」

「レオナルド、貴様私に向かって」「いけませんジュード様！今ならお互いに良い試合をしたという事で、観客も喜んでおります。しかし、ここでジュード様がケチを付ければ悪い印象を与えてしまう事は避けられません！」

「くっ、、、しかたあるまい。覚えていろよレオナルド、この屈辱は１０００倍にして返してやるからな(怒)城に戻るぞ！」

「「「「「はっ！」」」」」

いやぁ～

びっくりしましたねぇ

ジュード様があんなに分かりやすいザコキャラが言いそうな捨て台詞を吐くとは(笑)

そしてやはりジュード様は股間の玉が痛いのでしょうね、チームメイトに支えられながら帰って行きました。

「さあさあ皆さん、試合にも勝ちましたから祝勝会でもしましょうか」

「ちょっと待ってくれユウさん、試合に勝ったからこのまま２回戦があるんだが」

「問題ありませんよレオナルド様、試合は棄権しますから。残念ながら我々は暇ではありません。無料のお菓子を配ったり、屋台での販売等々忙しいのです。とは言え、腹拵えは必要でしょうから、ファミレスメニューでも作りましょうかね」

「そういう事ならしょうがないか、しかしファミレスって何だ？」

「「「ファミレス？！」」」

おおっ！

ファミレスと聞いて、シロさん、ヨウコさん、ミシェルさんの３人が目を輝かせて私を見ています。

この３人とは昔一緒に旅をしていた時に、たまにはファミレスでご飯が食べたいなぁと思って、私がファミレスで食べた事のあるメニュー

『チーズinハンバーグ』『チキン南蛮』『お子さまランチ』等々を作った事がありますから

その時の事を思い出して期待しているのでしょうね。

私の能力ならチームメイト全員分の料理を作るのは一瞬ですし、『エルダーバット』が第２王女に金貨１０枚で買って頂けたという臨時収入もありましたからね

自然とやる気も満々になりますよ♪

次回予告

『サイコロの旅』

お楽しみに♪

ここまでお読みいただきありがとうございました、次回まで皆様お元気で。