第38話 プレイボール!
「しまってこー!」
「「「「「「「「おー!」」」」」」」」
「プレイボール!」
ついに『頑張る熊さん’s』と『第1王子バンザイーズ』の試合開始です。
先攻
第1王子バンザイーズの1番打者はジュード様です。
控え選手を含めた13人でジュード様に魔法をかけています。身体強化魔法を7掛け、バットに物理攻撃UPを6掛けしてホームラン1発狙いでしょうか?
ここは宮廷魔術師のお手並み拝見と行きますかね
「貴様がレオナルドとクラリッサに入れ知恵した雑貨屋だな?フンッ、少しばかり魔法が得意なようだが所詮は平民風情、私のような高貴な身分の者に大人しく従っておれば良いのだ。しかしながら、あの獣人のピッチャーは少しは見所があるじゃないか、この試合に勝ったら賞品として頂くとしよう。わははははは♪さぁ、来い!」
おおっ!
なんという事でしょうか、ジュード様は私に話す隙を全く与えてくれませんでした。
ぐぬぬぬっ
これは強敵です。
まぁ私はどちからというと人見知りなので勝ち目はほぼ無いんですけど
だがしかし
シロさんを賞品扱いした愚か者には絶対に負けません!
私はシロさんにサインを出します。と言ってもシロさんは直球しか投げられませんので、速球か豪速球の2択ですけれどね。
とりあえず1球目はジュード様の胸元に速球を投げて様子を見ましょう。
私のサインを確認したシロさんが頷いてから振りかぶって、、、投げた!
ビュシッ、、、ズドォーーン!
「ボール!」
「ほぉほぉ、今のを狙って投げたのならコントロールも悪く無いようだな。」
ふむふむ
ジュード様は余裕の表情ですか。となると選球眼も悪く無いようですね。
次は真ん中低めに豪速球です。
シロさんが振りかぶって、、投げた!
ビュンッ!
「うぉりゃあー!!」
ジュード様がフルスイング、、、
ドゴォッ!、、、コロコロコロ
「オッケー、ボクに任せて~」
シュッ、、、パシッ
「アウトォー!」
「バッ、バカな、、、魔法を重ね掛けした私が力負けだと?!」
ジュード様がバッターボックスに立ったまま衝撃を受けているようですけど、シロさんの投げた球を打ち返した事に私の方が衝撃を受けていますよ!
まぁ結果はピッチャーゴロでしたけど、宮廷魔術師も侮れませんね。
これは気合いを入れねばなりません!
「ストライク、バッターアウト!」「ストライク、バッターアウト!」「スリーアウトチェンジ!」
2番打者、3番打者共に三球三振であっという間にスリーアウトチェンジです。
これは当然の結果ですね。
ジュード様以外のメンバーはジュード様を活躍させる為に集められたのですから、最初からまともに野球をする気など無いでしょう。
さあさあ、次は私達『頑張る熊さん’s』の1回裏の攻撃です。
1番打者はレオナルド様、相手ピッチャーはジュード様です。
因縁の兄弟対決、これは早くも胸熱展開ですねぇ♪
「なぁユウさん。本当に怪我はしないんだよな?」
「大丈夫です。とにかく来た球を『打ち返したい!』と強く念じてバットを振って下さい。」
「わっ、分かった。」
レオナルド様はかなり不安そうにバッターボックスに向かいましたけど、問題無いでょう。
「レオナルド、逃げずに来た事は褒めてやる。正々堂々と勝負だ!」
「おうっ!」
ジュード様が振りかぶって第1球投げた!
ビュシュッ!
おおっ!
インコース低めになかなかの速球、、、曲がった?!
あれはシュート!
このままではレオナルド様の膝に直撃してしまいます。
偶然を装いレオナルド様を負傷退場させる為に、顔面ではなく膝を狙って投げたとしたら、ジュード様はなかなかの根性をしていますね(笑)
だがしかし
レオナルド様は自身の膝目掛けて投げられた球を、ゴルフのスイングのようにバットを振ると
カキーン!
打った!
レフト前ヒット!
ふっふっふっ
レオナルド様の持っていたバットは、私がエルダートレントという木の魔物の素材で作った『エルダーバット』ですから当然の
結果です。
エルダートレントの素材の特性として、使用者の意思を読み取り勝手に動くようになりますから
これで球を打ち返したいと考えるだけで、自動でバットが動いてヒットを量産という訳です。
いやぁ~
バット職人に密着したドキュメント番組を見ていて良かったですよ。
今ならバット職人として、メジャーリーガーのオータニさんからバットの注文が来ても対応出来そうです♪
次回予告
『ゲームセット!』
お楽しみに♪
ここまでお読みいただきありがとうございました、次回まで皆様お元気で。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。