第34話 不調

皆様


おはようございます、こんにちは、こんばんは、雑貨屋店長のユウです。



突然なんですけど、私は今とても不調なのですよ(悲)


まぁ私は勇者なので怪我もしないし病気にもかからない、、、違いますね


怪我や病気になった瞬間に自己治癒能力が発動して完治するので、怪我で痛いとか病気でダルいとかはまったく感じないだけです。


だから私の不調の原因は『なんとなく』となります。


え?


意味が分からない?


そうですよねぇ


しかしながら皆様も


『今日なんでか分からないけど調子悪いなぁ』


という日があったりしませんでしょうか?


私が日本に居た時は、朝の星座占いで最下位だった日は調子が悪かったですし、夏に満員電車に乗った日なんかはすこぶる調子が悪かったものです。


いやぁ~、懐かしいなぁ。夏の満員電車には2度と乗りませんけどね!



先ほど不調の原因は『なんとなく』と言いましたけれど、おそらくコレが原因なのでは?


という心当たりはあります。


こちらの世界に来てまだ3年なのでデータ不足ですけれど、『花粉症』なのではと思っております。


勇者の能力で花粉症も即完治するので全く症状は出ていませんけど、日本に居た頃は毎年花粉症に悩まされていましから、その時の事を脳や体が覚えていて条件反射的に不調をきたしているのでは?と考えています。


とは言え


私が不調になっても、ほんの少し困った事になるだけで、心配するような事は何も無いんですけどね。



「ねぇねぇユウさん、今日はパーティーでもするの?」



不調のせいで少し困った事になりどうしようかと悩んでいたら、匂いを嗅ぎ付けたのでしょうか?シロさんがやって来ました。



「いえいえ、実は今私は不調でして」


「へぇ~、ユウさんが不調って珍しいね。ボクが舐めてあげようか?少しは良くなるかも」


「不調と言っても以前シロさん達と旅をしていた時にもあったアレでしょうから、心配いりませんよ」


「アレっていうと、、、カーニバルになっちゃったアレ?」


「ええ、そのアレです。」


「あぁ~、だから厨房がパウンドケーキだらけなんだ(笑)じゃあさ、パウンドケーキ食べて良い?」


「沢山ありますからいくらでもどうぞ」


「やったぁー、いただきまーす♪」




私が不調で困っている事というのは、料理スキルがバグってしまう事なのです。


今日も3時のオヤツ用にパウンドケーキを作っていたら、1個分の材料しか無いのに気付いた時にはパウンドケーキが10個出来ていたのです。


え?


いくら料理スキルでもおかしいだろ?


まぁ皆様の仰る通りなんですけど、そのおかしい原因を1番知りたいのは当事者である私ですけどね。



シロさん達と旅をしていた時も、偶然知り合った第6王子のレオナルド様と仲良くなり、私がケーキを作ってレオナルド様の成人式をお祝いする事になったんですけどね


招待客用にケーキが100個ほど必要でしたから、気合いを入れてケーキを作るぞぉー!と思った次の瞬間


ケーキが1万個ほど完成していました。


いやぁ~、あの時は流石にびっくりしましたよ、あはははは♪



とにかくケーキを無駄にする訳には行きませんから、急遽城下町や近くの村に無料で配っていたら


皆さんケーキは初めて食べたんでしょうね、テンションのあがった住民の皆さんによって3日間ぶっ通しでお祭りになってしまいました。


後に


『レオのカーニバル』と名付けられて、レオナルド様から微妙な表情を向けられたのは、今では良い思い出です(笑)



今年も『レオのカーニバル』の開催を住民の皆様が楽しみにしているらしく、「何とかして欲しい」と


レオナルド様からの手紙と一緒に大量の金貨が詰まった木箱が送られて来ましたから、練習も兼ねてパウンドケーキを作っていた訳です。


幸いにも今年はお菓子作りが得意な山本夏美さんが居ますし、レオナルド様から送られた金貨がありますから、材料費をケチる必要も無く去年より豪華なケーキが作れるでしょう。




次回予告


『第二回レオのカーニバル・準備篇』


お楽しみに♪





ここまでお読みいただきありがとうございました、次回まで皆様お元気で。

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