第30話 シロさんの優雅な日常

side:シロ



みんな元気ぃー?


シロだよぉー♪



今日はねぇ、ボクが色々話す番なんだぁ~


ユウさんがね「また1話分楽出来る♪」って言ってたけどボクにはよく分かんないや


ユウさんは異世界の人だし、昔からよく変な事言ってたから慣れちゃったよ(笑)



何年か前に皆で行ったダンジョンの127階層の時にもあったんだけど


そこは3歩歩くだけで罠が発動しちゃうような罠だらけの階層で、運悪く罠が10個同時に発動した時にユウさんが



「罠多過ぎぃー(泣)罠フラグ建てたん誰やねーーーーーーん!」



って叫んでて、言ってる意味は全く分からなかったけど


罠が10個同時に発動したのは、実はボクとヨウコさんがこっそり罠のスイッチを押しまくってたのが原因なんだけどね(笑)



わざと罠のスイッチを押してたのにはちゃんと理由があって、ダンジョンを攻略するとユウさんの料理が食べられなくなっちゃうからなんだ


ユウさんは昔からミシェル姉、ヨウコさん、ボクの3人に毎日ご飯を作ってくれてたんだけど、何故かダンジョンに行くと気合いの入った声で



「キャンプ飯は男のロマン!」



って言ってたなぁ、全然意味は分からないけど(笑)


ダンジョンに行くと街に居る時に作ってくれる料理と違って、炭火で焼いた料理と煮込み料理が多くて


色んな料理の中でもボクは『炭火焼き鳥』が香ばしくて1番好きなんだぁ♪


街に帰るとユウさんは、炭の火おこしと片付けが面倒だって言って炭を使ってくれないから


ヨウコさんと一緒に罠のスイッチを押してご飯までの時間稼ぎをしてたって訳。



はぁ~


もう1度炭火焼き鳥食べたいなぁ~(悲)



「シロさんがため息なんて珍しいですね」



ぶぅー、ナツミは今日も仕事のし過ぎでおやつの時間に遅刻だぁー!


あんまり言うと泣いちゃうから言わないけど、ヨウコさんと話して何か対策考えなくっちゃなぁ



「ナツミさん、おやつの時間に5分遅刻ですよ」


「うっ?!、、えっと、クッキーの焼き上がりに時間がかかっちゃって、ごめんなさい(泣)」


「あぁー、ヨウコさんがナツミを泣かしたぁ~」


「ちょっとシロさん!私はナツミさんの働き過ぎを心配しただけで(汗)」


「だっ、大丈夫ですから!元の世界だと働き過ぎで心配される事は無かったので嬉しくて、、、それに仕事の時におやつの時間も無かったので、つい忘れちゃうんですよね」



へぇ~、おやつの時間が無いなんて、ナツミの世界って大変そうだなぁ


ナツミの世界、、、あっ!



「ナツミナツミナツミナツミナツミナツミナツミィー!!」


「えっ?ちょっ、シロさん落ち着いて(汗)」


「ナツミはユウさんと同じ世界から来たんだよね?」


「そうですけど」


「じゃあ炭火で料理出来るの?」


「えっと、バーベキューとダッチオーブンでパエリアは作った事ありますよ」


「ばあべきゅう?ボクは焼き鳥が食べたいんだけど」


「炭火を使って色んな食材を焼いて食べるのがバーベキューなんで、鳥肉も焼きますよ。」


「やったぁー♪じゃあ炭火焼き鳥作ってナツミ!」


「ごめんなさい炭が無いです。」


「炭、、、(悲)」



「シロさん、そない落ち込まんでも炭なら私の狐火を使って作れるの忘れてますよ。」


「やったぁー♪」


「ついでに言うとそろそろ時間と違いますか?」


「え?!もうそんな時間なんだ、でも次はヨウコさんの番だからこのまま焼き鳥作ろうよぉ!」


「それは大人の事情でやったらあかんて言われてたやないの!」


「ぶぅー、ヨウコさんのいじわるぅー!」


「はいはい、次回は焼き鳥食べながら私が話させて貰いますから、よろしゅうお願いします。」



次回の優雅な生活は


『油揚げを炙ろう♪』


をお送りしたい気持ちです。


お楽しみに!




ここまでお読みいただきありがとうございました、次回まで皆様お元気で。

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