第29話 山本夏美さんの優雅?な日常

side:山本夏美



みっ、みみみ皆さん、おはようございます!こんにちは!こんばんは!


洋菓子店の店長をさせて頂いている日本人の山本夏美と申します。


私が今居る世界、異世界で良いんでしょうか?


この世界では名字?家名?があるのは貴族くらいだと聞いたので、『ナツミ』と呼んで下さい。



今日はいつもお世話になっている雑貨屋店長のユウさんに頼まれて、私の日常をお話させて頂こうと思います。


と言っても昼間は洋菓子を作ってお店で販売して、閉店後は翌日の仕込みをしてご飯を食べて寝るだけなんで、わざわざお話するような事は無いんですけど


ユウさんが言うにはとりあえず1話分にはなるから大丈夫!って事らしいです。


意味は分からないけど、ユウさんには恩があるので全力で頑張ります!



まず最初に私が日本から異世界に来た経緯を簡単にお話しますね。


点検中か何かで蓋が開いてるマンホールがあったんですけど、私その時スマホでネットニュースを見ながら歩いてて蓋が開いてるのに気付かずにマンホールに落ちちゃって


あっ!


て思ったら森の中でした。


そしたら緑色の気持ち悪い生き物に襲われそうになって、でもこの時はまだ超リアルな夢を見てるんだと、、、


とにかく森から出ようと2日くらい歩きっぱなしでやっと街を見付けた時には、夢じゃなくて本当に良かったと思いました。


だってここで目が覚めて自宅か病院のベッドの上なら良いけど、森の中で気絶してて目が覚めたとかだったら私は耐えられそうも無いですから


今思い出してもあの時夜の森で遭遇した緑色のアレと茶色のアレの大群は、、、いやぁーーー!!


はぁ、はぁ、はぁ(汗)


とっ、とにかくその時の私には屋根のある所で寝られるなら、風俗とかそっち系のお店で働く事も覚悟していたくらい野宿は嫌だったんですけど


結果としてはユウさんに相談して洋菓子を作る仕事と、お店と住む場所まで用意して貰って本当に感謝しか無いです。


今は少しでも恩を返せるように、バイトしていた時に覚えたお菓子や料理のレシピを、記憶の底から引っ張り出してメモしている最中です。



「ナツミィ~、おやつの時間だよぉ♪」


「ナツミさん手を止めて下さい。仕事熱心なのは良い事と思いますけど、おやつの時間は守らんとあきません!」


「ナツミはねぇ働き過ぎだってユウさんも言ってたよぉ。」



洋菓子店を手伝ってくれているシロさんとヨウコさんだけど、おやつの時間は私も一緒じゃないと絶対許してくれないのはちょっとなぁ



「えっと、もう少しで新しいお菓子のレシピを書き終わるので、それからおやつでも良いですか?」


「新しいお菓子?!えーっと、それやったら、、、あきません!ナツミさんの目の下のベアーも元気になってるし今すぐおやつしにします!」



ペロペロペロペロペロペロ


「うぇっぷ、、、シロさん顔は舐めないでぇーー(汗)」


「ボクの舌には魔力が溜まってるから舐めると回復効果があるんだよぉ♪ペロペロペロペロペロペロ」



うぅぅ、シロさんのせいで顔がべちょべちょだよぉ(泣)


でも、昨日も遅くまでお菓子のレシピを書いていたせいか、目がしぱしぱしてたけど


シロさんに舐めて貰ってから目が軽くなって来たような気が



「ふふっ、ナツミさんの顔色も良うなってきたみたいやし、ミシェルさんにおやつ持って行って一緒に食べましょう。今日のおやつは何ですか?」


「砂糖は使わないお菓子ってリクエストだったので、ミルクレープを作りました。ジャムとバターをたっぷり挟んであるので甘さも充分だと思います。」


「バターってボクが朝にミルクをシャカシャカ振って作ったやつ?」


「はいそうです。シロさんのお陰で良いバターが出来ました。お菓子にはバターは欠かせないのでこれからもお願いしますね」


「うん任せて!そっかぁ~、ボクの作ったバターかぁ~、えへへ~♪」



あぁ~


シロさんのふさふさの尻尾が左右にぶんぶんしてて超可愛い♪


もうあれは動くぬいぐるみやん!



あっ


そろそろユウさんに言われたお別れの時間だ!


えっと、次回の優雅な日常は


『シロさんの優雅な日常』


をお送りします。


ユウさんに恩を返す為にも、皆さん是非見て下さいね。





ここまでお読みいただきありがとうございました、次回まで皆さんお元気で。

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