第27話 雑貨屋的訓練方法 前編

皆様、おはようございます、こんにちは、こんばんは、冒険者訓練教官のユウです。




逃げない魔物は即殺です!


逃げる魔物は包囲してから殲滅です!


魔物に遭遇したら迷ってはいけません、逃げるか殲滅するかの2択のみ!


ガンホー、ガンホー、ガンホー!




現在、私の住む街では冒険者が不足している事で周辺の森で魔物が増えてしまい、旅馬車や行商人が魔物に襲われる被害が増加しています。


さらに魔物を狩る冒険者が少ない事で、武器防具に使う魔物の素材も不足していますから


これらを解消するべく私が冒険者を訓練する教官となりましたので、よろしくお願いします。



さっそく訓練生を紹介しましょう!


今年成人して孤児院を卒業する予定の子供達の中から、冒険者志望の子達を選びました。


ライベン君


ジャクソン君


レヴィさん


以上が将来Sランク冒険者となって英雄と呼ばれる予定の3人です。


サインを貰うなら今のうちですよ♪


今なら1枚の色紙に3人が揃ってサインを書いてくれますから、プレミアが付く事間違い無しです!




「皆さん、さっそく近くの森で実戦訓練と行きましょう♪」


「森に行く前に聞きたい事があるんですけど」


「疑問や質問があるのは良い事ですよ♪聞きたい事とは何ですか?」


「ユウさんの実力はなんとなくだけど知ってるから冒険者に必要な事を教えて貰えるのは嬉しいけど、さすがにこんな武器で実戦訓練は無謀だと思うんですけど」


「ではライベン君の疑問に答えましょう、、、」



ライベン君の疑問は当然でしょうね、なにせ3人に渡したのは武器屋で1番安かった訓練用の物ですから


ライベン君には片刃で幅広の剣『ファルシオン』


ジャクソン君には『弓』


レヴィさんには短刀の『ダガーナイフ』


それぞれの体格と性格を考慮して選びました。



そして今から森で行うのはスライム狩りです。


スライムは頑丈な木の棒で叩けば倒せる程度の防御力しか無く、武器の良し悪しは関係ありません。


では何故スライムを狩るのか?


スライムは最弱の魔物と呼ばれているだけあって、物音や気配に敏感で直ぐに逃げ出す為、気付かれずに近付く事は至難の技です。


まぁスライムは動きも遅いので逃げられても追い付くのは簡単なのですけれど、だからこそスライムに気付かれずに近付ければ『隠密』スキルを獲得出来るのです!


ただし、隠密スキル獲得にはスライムに気付かれずに1日でスライムを100匹倒さなければなりません。


普通は100匹もスライムを見付けられないので、隠密スキルが欲しい場合は別の方法になるのですが


私が用意した魔物寄せ(スライム専用)の魔道具を使えば解決です♪



そろそろ私の狙いに気付いた方も居るでしょうか?


私はライベン君達3人を暗殺能力に特化した冒険者に育てようと考えているのです。


結局これが1番安全で確実に魔物を狩れるんですよね。隠密スキルを使っての一撃必殺ならオーク程度は楽に倒せますから


オークの肉と素材を売るだけで安定した生活が送れます。



ただし、暗殺特化になると集団戦に向かないデメリットもあるのですが、ライベン君達は若いですから他の能力はじっくりと鍛えて行けば良いでしょう。




「という事で、以上の理由がライベン君の疑問の答えになります。」


「スッ、スゲェよユウさん!」「俺が暗殺者かぁ♪」「魔物に見付からないって素敵♪」



とりあえず3人とも、暗殺能力特化になる事は嫌では無いみたいで良かったです。



「とにかく今日中にスライムを100匹倒して、それから改めて冒険者になるか決めて下さい。健闘を祈ります。」


「「「おぉー!」」」






つづく。

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