第14話 SDGs

皆様


おはようございます、こんにちは、こんばんは、持続可能な開発目標を掲げる雑貨屋店長のユウです。


いわゆるSDGs(エスディージーズ)というやつですね


『SDGs』これを言うだけで普通の雑貨屋も、なんだか色々と配慮をしている超優良企業に見えますでしょう?



・・・



皆様大丈夫です。


私は『あほ』かもしれませんれど『馬鹿』ではありませんので、ノリと勢いと流行だけで色々と決めちゃう増税おじさんではありません。


まぁ私が見切り発車で何かをしても影響があるのはミシェルさんくらいなので、、、


えぇーっと(汗)



実を言いますとつい先日、私も環境に配慮した商品を作ろうと思いまして


こっちの世界は魔法が発達している魔法文明なので、車の排気ガスや工場から出る化学物質等で汚染されるといった事はありません。



しかしながら、いつかは科学が一般的に利用される日が来るかもしれません。科学の発展による便利な社会というのも悪くは無いですけれど、出来る事ならば綺麗な自然を保ちつつが理想です。


残念ながら私に自然をどうにかする能力は無いんですけど、出来る事をやろう!


という事で、私がこちらの世界に来た時に持っていた荷物の中に『エコバック』を発見したのです。


予備としてカバンに放り込んでいたのですっかり忘れていた物ですけれど、さっそく複製して雑貨屋で売ってみました♪



ですが売れ行きはよろしくありません(悲)


折り畳んで小さく出来るのは便利なんですけど、雑貨屋に来るお客さんはだいたい自作のカバンを持ってるんですよね


主に植物の蔓を編んで作った物なんですけど、そりゃあわざわざエコバックは買わないですよねぇ、アハハハハ



皆様私は大丈夫です。


売れない商品を作って、少しだけミシェルさんに冷たい目を向けられただけですから。


まぁエコバックは私の能力で複製したので元手がかかっていませんから、ミシェルさんから怒られる事もありません。


ただ売れずに在庫として残るとミシェルさんから怒られてしまいますので、ちょちょいと細工をして『マジックバック』に改造してみました。


容量は一般的な荷馬車の半分くらいで値段は大銀貨1枚です。


少し高いんですけど、荷運びの仕事をすれば大銀貨1枚程度は直ぐに稼げるでしょう。


お陰でエコバック改めマジックバックは、ぼちぼち売れております♪



「おーいユウさーん、大変だ!」



おや?


冒険者ギルドのギルドマスター、スミスさんが慌てた様子で雑貨屋にやって来ましたけど、何事でしょうか?



「スミスさんこんにちは、盗賊でも出たのですか?」


「いや、盗賊は出て無い。実は最近『マジックバック』ってアイテムを持ってる冒険者が何人か居てな、超レアなアイテムなのにそんなにホイホイ何個も市場に出回るのはおかしい!これは絶対偽物だからユウさんに確かめて貰おうと持って来たんだよ」



おぅふ


これはとても嫌な予感がします(汗)



「そっ、そうですか、では現物を拝見させて貰えますか?」


「おう、コレだ!」



あぁ~


このマジックバックは間違いなく私が作った物ですね。


『インベントリ』や『無限収納』のように、魔法で作った空間に荷物を入れておけるユニークスキルはレアな物だと知っていたので


荷馬車の半分程度の容量のマジックバックなら普通に流通していると思っていたのですが、完全にリサーチ不足でした(汗)



しかし


ここはなんとしてでも誤魔化す必要があります!


面倒な事になるとミシェルさんに怒られてしまいます。



「どれどれ、ふむふむ、、、スミスさんこれは間違いなくマジックバックですね」


「マジで?!」


「ええ、しかし容量が少なく耐久力も低いみたいですから、それほどレアな物では無いでしょう。」



嘘は言ってません!


マジックバックの耐久力は元のエコバックと同じですからね。私が100円ショップで買った物なので生地は薄いですし、魔物や賊と戦う冒険者が使うなら寿命は1~2年といったところでしょう。



「ユウさんがそう言うなら間違い無いんだろう。多少容量が少なくて耐久力が低くても、金貨1枚でも欲しい奴はいっぱい居るだろうに。ユウさんもマジックバックを手に入れたら冒険者ギルドに売ってくれよな、高く買い取るから!」


「あっ、はい、その時は必ず。」


「そしたら俺は帰るよ。あんまり長居するとミシェルさんに怒られるから(汗)」


「そっ、そうですね。」




ふぅー


危機は去りました。





次回予告


『リモートワークを嫌がる上司撲滅スペシャル!』をお送りするかもしれません。


※予告内容は変更になる場合があります。




ここまでお読みいただきありがとうございました、次回まで皆様お元気で。

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