第15話 推し活?

皆様


おはようございます、こんにちは、こんばんは、ボビンケースユウです。



皆様もお馴染みの『ボビンケース』は、ミシンの下糸を入れておく銀色のケースですね♪


正確に言うと、糸が巻いてあるボビンを収納するケースです。あとミシンが止まった時に空転しないようにとか、色々と役割があるらしいです。



勇者である私は色々な能力が凄く高い事は既に説明したと思いますけれど


なので右手に上糸を持ち、左手には下糸を持ち、ダダダダッ!っとミシンのごとき早さで縫い物をする事も簡単です♪



急遽縫い物をする事になったのは、前回マジックバックを作って色々とやってしまいましたからね(悲)


街のお店で揃う材料で新しいマジックバックを制作してみました。


バックと言いましたけれど、腰のベルトに付けられるサイズなので『マジックポーチ』という事になるでしょうか。


容量は背負い袋1個、2個、3個分の3種類で、それぞれ銀貨5枚、8枚、10枚の値段設定です。


これくらいの容量であれば、わざわざ買わなくても問題無いけど、あれば便利だなぁ~。程度の認識になる事により、必要性が減少して騒ぎになり難い効果があるのです♪


まぁ金に物を言わせて10個や20個買われると厄介ですが、そこは耐久性を調整して大量に買うリスクを上げればなんとかなるでしょう。



マジックバック問題は無事に解決したのですが、せっかくミシンのような事が出来るのだからと、マジックポーチに刺繍をしてみました。


雑貨屋のイチオシ商品である熊さん1号と熊さん2号にフォレストタイガー等々、可愛い系から格好良い系まで様々です。


しかしながら


今思えばここで止めておけば良かったのかなぁ?と、後悔しているような、していないような複雑な心境ですね。


刺繍をしている時に私の遊び心がふつふつと沸き立ち、気付けば露出度の高いセクスィーな金髪のお姉さんを刺繍していました。


なにせ1つの刺繍が瞬き3回くらいの間に完成するものですから、あっ!と思った時には8割程度完成してますのでね


そこで中断しても無駄になってしまいますから完成させた訳ですけど


出来上がりは、昔友人から貰ったアメリカ土産のボールペンに描かれていた、ビキニ姿の金髪美女に似てました(笑)



「こんにちはー、ちょっと良いですか?」



おっと!


雑貨屋にお客さんです。



「はーい、何かお探しですか?」


「えっと、冒険者ギルドで売ってるマジックバックの刺繍は、雑貨屋の店長さんがやってると聞いたんですけど」



ふむふむ


マジックポーチはスミスさんとの約束通り冒険者ギルドに卸してますからね、目の前の冒険者の男性は何か特注品のお願いに来たのでしょうか?



「ええ、私が刺繍をしましたよ」


「あのクオリティの刺繍が出来るという事は、似顔絵のような刺繍も出来ますか?」


「まぁ普通の似顔絵ほどでは無いですけど、パッと見て誰か分かる程度のクオリティは保障します。」


「じゃっ、じゃあ、宿屋のリンさんの刺繍は出来ますか?」


「リンさんというと南地区の宿屋の娘さん?」


「そうです!」


「リンさんなら知ってるので大丈夫ですよ。上半身だけなら銀貨1枚、全身なら銀貨3枚で刺繍しますけど」


「上半身で大丈夫です!どのくらいで出来ますか?」


「明日には出来ますので、受け取りも明日以降でお願いします。」


「あざっす!それじゃあ明日また来ます!」



ふふっ


冒険者の男性はとても嬉しそうに雑貨屋を出て行きました。あの方はリンさんの事が好きなのでしょうかね?


しかし、肖像権など無い世界とは言え、写真のように精巧に似せるのは流石にちょっとアレなので、雰囲気だけを似せておきましょう。



「店長さーん!」



おっと


またお客さんです。今度は何処かのお店の下働きでもしていそうな、若い女性ですね。



「何でしょうか?」


「店長さんは刺繍で絵が描けると聞きましたけど、本当でしょうか?」


「ええ、本当ですよ」


「それなら私のシャツに第3騎士団副団長のルーファウス様を刺繍する事は可能でしょうか?」


「出来ますよ」


「やったぁー♪それじゃあコレの胸部分に大きくお願いします。」



むむっ!


女性が出して来たのはティーシャツでは無くて、いわゆる肌着と呼ばれる女性用の下着ですね。



「あっ、はい、かしこまりました。」



うーむ


女性のお客さんも、とても嬉しそうに帰って行かれたので良いんですけど


私の考えとは違う方向で刺繍の人気が出てしまいました。


しかしながら、これは騎士団と正式に契約してアイドルのグッズのようにすれば、ボロ儲けの予感がします♪


男性アイドルは騎士団で良いですけど、女性はどうしましょうか?


神に仕えるシスターさんをグッズにして売るのは、さすがに不敬でしょうから、、、



「ユウさんちょっと良いですか?」



おや?


まだレジの交代の時間では無いのに、ミシェルさんがお店の奥から出て来ました。



「何でしょうかミシェルさん」


「シスターさんの似顔絵刺繍を売りましょう!人気投票などもすれば絶対に売れます!」


「ええっ?!しかし不敬になりませんか?」


「売り上げの2割程度は教会の収入になるのですから何の問題もありません」


「そっ、そうですか」



まぁ私としましてはミシェルさんに怒られないならそれで良いんですけど、これってその内にユニット作ったり握手会したりと


私の仕事が膨大になる未来が見えるような気が、、、




次回予告


『無料ライブ(要ドリンク代)は、無料ライブと言って良いのか徹底解明スペシャル!』


をお送りするかもしれません。


※予告内容は変更になる場合があります。





ここまでお読みいただきありがとうございました、次回まで皆様お元気で。

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