第11話 門番熊さん、アル&ソック

皆様、おはようございます、こんにちは、こんばんは、彫り師のユウです。



そろそろ皆様もオープニングの私の名乗りに慣れて来た頃かと思います。


え?


全然慣れない?


むしろちょっとウザいからさっさと本題に入って欲しい?


そうなると私としましてもですね、謝罪をする以外に無いのですけれど、、、


本当に申し訳ございませんでした。


反省しますので、ウザいとか、○ねとか思っても構いませんから何処かに書き込むのは止めて頂きますよう、伏してお願い申し上げます。



さてさて


本題に入りましょう!



皆様、前回した『爆走熊さん』のお話は覚えていますでしょうか?


そうです、ベア号とクロウ号ですね♪


なかなか好調な売り上げのお陰で、なんと貴族からオーダーメイドの注文が入ったのです!



ただオーダーメイドの内容が


『門番の代わりとして使えるようにして欲しい』という物でした。



私としましては『バトル熊さん』を作ろうと思っていましたし、他人に迷惑をかけないのであれば購入者がどのような使い方をしようと構いませんけれど


『熊さん』シリーズはあくまで子供の玩具として考えた物ですので、門番として使えるかは甚だ疑問ではあります。



とはいえ、材料も用意して頂きましたし頑張って作って行きますか♪



先ずは『トレント』という木の魔物の素材を使って、高さ30センチほどの熊さんを削り出します。


『トレント』の素材は物理&魔法攻撃の両方にそれなりの耐性を持っていますし、燃え難いと言いますか通常の火では燃えない性質があります。


燃やそうと思うと中級火魔法で30分ほど炙り続けるか上級魔法が必要となりますから、この特性を生かす為にも接着剤等を使わずに済むように『一刀彫り』で熊さんを彫ります。



2本足で立って右前足を少し前に伸ばした格好にしてみました。柔道で相手と組み合う前の姿勢と言えば分かるでしょうか?


狙いとしては、侵入者に熊さんの右前足に注意を向けさせておいてからの、左前足でベアクロウを放つ感じですね♪


勿論、門番熊さんには攻撃する前に警告を発する機能も付けますし、安全の為に殺傷能力もありません。


ベアクロウを放つ風圧で侵入者を吹き飛ばしたり、『ベアハグ』で侵入者を拘束しつつ警報音を発する仕様です♪


ちなみに今作ったのが表門番用の『アル君』で


裏門番用の『ソック君』は


物理防御無効化、魔法防御無効化、精神耐性無効化、睡眠、麻痺


以上の魔法を瞬時に放つ仕様です♪


わざわざ貴族の屋敷の裏門に来るような輩は賊しか居ませんから、問答無用で捕まえても問題ありません。


今回は素材を提供して頂きましたから、金額も熊さん1体で金貨70枚のお値段に抑えられております。


え?


値段が高過ぎじゃないかって?


いえいえ、魔法を組み込むのって他の人に依頼した場合、1つの魔法で金貨20枚以上しますし


門番として兵士を雇えば1年間で必要な報酬は、金貨50~70枚くらいかかりますので


使用保証年数が5年の門番熊さんは、とてもお得な買い物だと思います。



とりあえず門番として最低限の仕事が出来る能力を持たせられたとは思うのです、、、


だがしかしですよ


『門番』というからには少なくとも初歩の上級魔法を防ぐ防御力は必要だと思うのです。


『テラデイン』『テラスラッシュ』『プルルンプンテ』『Xガンテ』『小メテオ』


以上の魔法くらいは防げるように、熊さんの全身をアダマンコーティングしたいのですが、予算不足なんですよね(悲)



「ユウさ~ん、そろそろお昼の時間ですけどオーダーメイドの仕事は終わりましたか~?」



おっと、もうお昼の時間ですか


ミシェルさんに熊さんの出来をチェックして貰って完成としましょうかね



「ミシェルさん、ちょうど完成した所ですのでチェックをお願いします。」


「はーい、どれどれ、、、」



「どうでしょうかミシェルさん、やはり防御力が心許ないでしょうか?これ以上防御力を上げると予算オーバーなので、代わりに攻撃力は上げられますけど」


「えっと、ユウさんは何処かの国を滅ぼす兵器を作っているのですか?」


「注文された通り『門番』の代わりが出来る熊さんを作ったに決まっているではありませんか、こんなに可愛い熊さんで滅ぶ国などあるわけがありませんよ。ミシェルさんのジョークは面白いなぁ、あはははは♪」



「分かりました。熊さんは1体白金貨1枚で売ります。」


「ええっ?!それは流石に高過ぎ」「1体白金貨1枚で売ります。良いですね?」


「はい、何も問題ありません!」


「それじゃあお昼ご飯にしましょう♪」


「イエス・アイ・マム!!」




ふぅー


驚きました


まさか門番熊さんに白金貨1枚の値段を付けるとは


白金貨1枚でもお値段に見合う価値があるとは思いますけれど、注文して来た貴族に売れますかね?


まぁミシェルさんがホクホク顔で熊さんを持って行きましたから、問題無く売れるのでしょう。


ミシェルさんは元々王城で働くメイドさんでしたから、私なんかより貴族の事は分かっているはずですしね。


さてと


お昼ご飯は小海老たっぷりのかき揚げ丼と茶碗蒸しにしますか


午後からは子供向けの『バトル熊さん』の製作を頑張るぞぉー!




ここまでお読み頂きありがとうございました、次回まで皆様お元気で。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る