影響を受けた本

 今から7年ぐらい前だろうか。


 10年単位で文章も絵も書けなくなって、自分の中で創作する事から離れていたときに出会った本がある。


 リチャード・バックの「フェレット物語シリーズ」だ。


 当時フェレットを飼育していたので、彼らに関する事を調べているうちに、この本を知って、すでに絶版だったため中古を探して全5冊を買い集めた。


 そのうちの3巻「二匹は人気作家」というお話。


 二匹の作家フェレットの物語で、主人公のバジェロンは専業の児童文学作家なのだけど、偉大な歴史作家を目指し、壮大な歴史小説を書こうとして苦しんでいる。


 妹の紹介で出会ったネイリストフェレットのダニエルと一緒になるのだけど、彼女が楽しみながら初めて書いた娯楽小説は予想外の大ヒット。


 書くことを楽しむ彼女の姿に、うまく書けない自分に悩み苦しむバジェロン。


 このバジェロンの姿に色々重ねてしまって、私は泣きながら読んでいた。


 作中でバジェロンが気付く、


「楽しむこと、考えないこと、気にしないこと」


 これは私も忘れて、苦しんでいたこと。


 今もスマホのメモ帳に書いて、時々見返している。


 私はこの本がきっかけで数年前から、昔書いたメモだったりテキストを読み返したり、少しずつアイディアをメモしてHDDに保存していった。


 その時はまだ、WEB投稿など考えてもいなかった。


 2022年の8月に突発的にやり始めるまで、自分の中の物語の断片でしかなかった。


 作品を書くことだけではなく、ランキングやPVに一喜一憂しないわけではないが、落ち込みそうになった時、この本を見ると基本に立ち返ることができるような気がする。


 多分、誰もがそんな励まされる1冊があると思う。影響を受けた一冊があると思う。そういう本に出合えるって、幸せな事だなと思う。





 というわけで、もしよろしければ「これが私が最も影響を受けた本だ!」「これが私の座右の書だ!」を、感想欄にご紹介ください!

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